【68話後感想返し】エステラ的花占い
エステラ「……はぁ」
ナタリア「どうかされましたか、お嬢様?」
エステラ「いや……最近仕事ばかりしてるなぁ……って」
ナタリア「そして、最近顔を見ていない『ある方』のことを思い切なくなっておいでなのですね?」
エステラ「そ、そんなこと………………なくも、ない、けど……」
ナタリア「しかしながら、やらなければいけないことはまだまだ沢山残っておりますので、お休みを差し上げるわけにはいかないのです」
エステラ「分かってるよ。四十区の下水工事に、街門設置に向けた視察……見積もり……予算案の精査……嘆願書なんかも目を通さなきゃね」
ナタリア「お嬢様…………このようなことをお嬢様に申し上げていいのか、非常に悩むのですが……」
エステラ「なに? 言って。気にしないからさ」
ナタリア「では。実は私、一昨日昨日と二連休をいただきまして、二十九区で思いっきり買い物を楽しんでまいりました」
エステラ「今言う必要ある!? どうりで二日ほど姿を見かけないと思った!」
ナタリア「いえ。せめて、リフレッシュした私の元気を分けられないかと……」
エステラ「余計惨めな気持ちになったよ……」
ナタリア「でしたら、庭を散策されてはいかがですか? 敷地内でしたら、時間を作って休憩されても問題ないでしょう」
エステラ「そうだね…………じゃあ、裏庭の花園を見てくるよ」
ナタリア「花園……ですね。かしこまりました」
エステラ「何をかしこまったの?」
ナタリア「いえ。こちらのことです。ではお嬢様。ごゆっくりおくつろぎください」
――裏庭。綺麗なバラが咲き乱れている。
エステラ「綺麗だなぁ……一人で見るのは少し寂しいけど。…………ヤシロ、今頃何してるのかなぁ…………会いた…………いやいや! 今、そんなこと言っても仕方ないじゃないか。我慢だ我慢。仕事が終われば、また遊びに行くことも出来るさ。…………でも、しんどいなぁ」
――風にそよぐバラの花。
エステラ「花占いでも……してみようかな? …………(ヤシロは)ボクのことが…………」
――ナイフでバラの頭を切断しながら
エステラ「好き、嫌い、好き、嫌い……」
ヤシロ「ダイナミックな花占いだな、おい」
エステラ「ヤ、ヤシロッ!?」
ヤシロ「俺の知ってるのは、もっと可愛らしく花びらを千切っていくものなんだが?」
エステラ「ど、どど、どうしてヤシロがここに!?」
ヤシロ「ナタリアが『いい物をあげるから指定された場所に行ってくれ』って言うから」
エステラ「……ナタリア」
ヤシロ「それで、『お嬢様寝言集~おもしろ編~』をもらった」
エステラ「ナタリアァー!?」
ヤシロ「『うぇ~ん、眉毛がキノコになっちゃったよ~』」
エステラ「音読しないでくれるかな!?」
ヤシロ「元気そうじゃねぇか」
エステラ「……え?」
ヤシロ「お前の元気がないって聞いてな。ウーマロとの打ち合わせをキャンセルして駆けつけたんだぞ」
エステラ「そう、なんだ…………そっか。ありがと」
ヤシロ「ま、あんまり頑張り過ぎるなよ」
エステラ「頑張り過ぎるよ。だって……ヤシロが手繰り寄せてくれた未来だから……逃がさないように、ボクが頑張らなきゃ」
ヤシロ「そうかい……。でも、無茶はするなよ」
エステラ「うん。あ、そうだ。折角だから、一緒にやっていかない?」
ヤシロ「花占いか?」
エステラ「うん」
ヤシロ「しょうがねぇな。付き合ってやるよ」
エステラ「じゃあ、はい。ナイフ」
ヤシロ「は?」
エステラ「じゃあ、行くよ~」
――ナイフでバラの頭を切断しながら
エステラ「好き、嫌い、好き、嫌い……」
ヤシロ「だからダイナミック過ぎんだろって!」




