【後日譚45話あとがき】ヤシロとノーマの『へたれ』駆け引き
――ノーマの工房
ヤシロ「やっぱ、板金って面白いよな」
ノーマ「そうかい? そう言ってもらえるのは嬉しぃねぇ。ヤシロは腕もセンスもいいから、ウチのギルドに欲しいくらいさよ」
ヤシロ「親がそういう仕事をしていたからな」
ノーマ「そうなんかい。そりゃあ、さぞかし腕がよかったんさねぇ」
ヤシロ「なんで分かんだよ?」
ノーマ「ヤシロに基礎を教えた人が、生半可な腕前なワケないさね」
ヤシロ「ふふ……べた褒めだな」
ノーマ「こういう作業に関して言えば、あたいはヤシロを評価してるんさよ」
ヤシロ「そりゃどうも……熱ぃっ!?」
ノーマ「大丈夫さねっ!?」
ヤシロ「はは……悪い。鉄板、まだ熱かったんだな(自分の耳たぶをつまむ)」
ノーマ「当たり前さね。熱いうちに打つのが基本さね。…………で、それ、何やってんだぃ?」
ヤシロ「ん? あぁ、これか?(耳たぶ『ぷにぷに』)耳たぶって、他のところよりちょっと冷たいだろ? だから冷やしてんだよ」
ノーマ「そんなんで冷えるんかぃ?」
ヤシロ「全然。気休めだよ。まぁ、癖みたいなもんかな」
ノーマ「アタシの耳は全然冷たくないけどねぇ……(自分の耳を『もふもふ』)」
ヤシロ「そりゃ、そんなもふもふしてりゃあな」
ノーマ「ちょっと触らせておくれでないかぃ?(ヤシロの耳たぶを摘まんで『ぷにぷに』)…………ぁはあ……なんか、気持ちいいさね」
ヤシロ「こらこら。人の耳で遊ぶな。つか、急に触んなよ。ちょっとドキッとしたろうが」
ノーマ「ヤシロがドキッと? ……ふふん。ヤシロも可愛いところあるんさねぇ(Sっぽい笑み『にやり』)」
ヤシロ「なんだよ。耳、モフり返すぞ?」
ノーマ「くふふ……そんな虚勢も可愛いもんさよ(調子づいてグッと身を寄せる)」
ヤシロ「ノーマ……お前……酔ってる?」
ノーマ「酒なんか飲んでないさよ……ただ、熱のこもった工房で一心不乱に鉄板を打っていたから、ちょ~っと疲れただけさね…………疲れたから、ちょっと癒しがほしい……それだけさね」
ヤシロ「お、おい……悪ふざけはよせよ……?」
ノーマ「(くふふ……ヤシロにはいつも照れさせられているからね。たまには仕返ししてやるさね)」
ヤシロ「と、とりあえず、指を冷やしたいんだ……退いてくれるか?」
ノーマ「冷やすなら……(舌をペロリと覗かせる)……アタシが舐めてあげるさね」
ヤシロ「いや、さすがにそれは……」
ノーマ「くふふ……ヤシロは可愛いさねぇ……(ヤシロのアゴを人差し指で『つぃ~』)遠慮しなくてもいいんさよ?(……くふふ。さぁ、大いに照れるさよ、ヤシロ)」
ヤシロ「……そうか」
ノーマ「……へ?」
ヤシロ「……(ぐぃっとノーマの肩を押し、ノーマを作業台の上に押し倒す)」
ノーマ「ひゃぅっ!?」
ヤシロ「『遠慮するな』って……言ったよな?(ノーマの上に覆い被さり、顔を接近させる)」
ノーマ「やっ……あの、ちょっ…………待……待つさょ……(心臓『バクバク』)」」
ヤシロ「舐めてくれるんだよな? 俺の火傷…………(火傷した指をノーマの口元へ持っていく。唇に触れそうな距離)」
ノーマ「そ、それはその……(唇に指が触れそうで、上手くしゃべれない)」
ヤシロ「さぁ、もう一回舌を出してみろよ……」
ノーマ「あ、あの……さっきのは、じょ、冗談……っていうか……」
ヤシロ「それとも……(唇付近をさまよっていた人差し指をノーマの頬に当て、這わせるように撫でてアゴを掴む)…………指じゃないもの、舐めてみるか?(キスしそうな程の急接近)」
ノーマ「あ、ぁぁああああの、しょのっ、えと、ちょ、ちょいと、まままままま待っておくれくおくおくおくおくれでなななな……っ!?(パニック)」
ヤシロ「ふふ……可愛いな、ノーマは」
ノーマ「きゅふぅうっ!? ご、ごめんさっ!? ちょっとヤシロを困らせてやりたかっただけさね!? あの、実は、その、アタシ、こういうの全然その、無くて…………だからっ、ごめんさねっ!(ヤシロを全力で突き飛ばす)」
ヤシロ「のぅっ!?(吹き飛ばされて棚に『どがすっ!』用具『ガンガランゴロン!』頭に『がーすがすがすがす!』)」
ノーマ「そういうのは結婚してからじゃなきゃダメなんさねぇー!(走って工房を出ていく)
ヤシロ「…………てて……ったく、ピュアなくせに柄にもないことやるから…………あぁ、くそ。めっちゃ心臓どきどきしたっつの…………バレてなきゃいいけど…………あぁ……舐めてほしかったなぁ……ちょっとだけ」




