【後日譚43話あとがき】ハムっ子はお仕事大好き
――大通り・カンタルチカ前に陽だまり亭七号店が店を開いている
妹「いらっしゃー!」
妹「お姉さんおっぱいおおきいねぇー」
妹「サービス決定ー!」
ヤシロ「おい、ちょっと待てコラ!」
妹「「「あー、おにーちゃんだー!」」」
ヤシロ「なんでおっぱいの大きいお姉さんにサービスしようとしてんだよ? お客は平等に扱わなきゃダメだろう?」
妹「でもでもー」
妹「おにーちゃんから学んだー」
妹「経営方針ー!」
ヤシロ「教えてねぇわ、そんなこと!」
妹「「「おねーちゃんから聞いたー!」」」
ヤシロ「……ロレッタ、帰ったら足つぼ決定」
弟「タコスちょーだい!」
弟「おっぱいないけどおまけしてー」
弟「ウーマロ棟梁のツケでー!」
ヤシロ「おぉ、弟(年中組)か。今日はトルベック工務店の手伝いか?」
弟「うんー!」
弟「おっぱい率ゼロの職場ー!」
弟「基本、タダ飯ぐらいー!」
ヤシロ「いや、働けよ!? で、二番目のヤツ。お前はさっきから何を言ってるんだ?」
弟「お兄ちゃんに憧れてー! 真似っこー!」
ヤシロ「へぇ~、俺どういうイメージなのかな? 詳しく聞かせてくれるかなぁ? ん?」
弟「お姉ちゃん情報によると、一日百回『おっぱい』って言うとお兄ちゃんみたいになれるー!」
弟「お兄ちゃんは日々パイトレしてるってー!」
ヤシロ「……ロレッタ、足つぼレベル『MAX』決定!」
ハム摩呂「おぉっ!? ウチの家族の、大集結やー!」
ヤシロ「お、ハム摩呂か」
ハム摩呂・弟・妹「「「「「「「はむまろ?」」」」」」」
ヤシロ「お前ら、ホント仲いいな……誰も認識出来ないのか」
ハム摩呂「今日はカンタルチカの、手伝いやー!」
ヤシロ「ホント、色んな仕事してんな、お前ら」
ハム摩呂「おにーちゃんほどではないー!」
ヤシロ「いや、俺より明らかに仕事してんだろ」
ハム摩呂「お兄ちゃんは食堂店員でありつつー」
妹「領主様の参謀ー」
弟「トルベック工務店の仕事の仲介ー」
妹「陽だまり亭新商品の開発ー」
弟「川漁ギルド副ギルド長の警護ー」
妹「金物ギルドのキツネのおねーさんの愚痴を聞く係ー」
ヤシロ「関係ないのがいくつか混ざってきたぞ!?」
弟「蝋像のモデルー」
ヤシロ「それを引き受けた覚えはねぇよ!」
妹「ヤシロ教のご神体ー」
ヤシロ「誰がご神体だ!? つか、ヤシロ教ってなんだ!?」
ハム摩呂「大忙しの、お兄ちゃんやー」
弟「大忙しの」
弟・妹「「「「「お兄ちゃんやー」」」」」
ヤシロ「卒業式みたいになってる! なにそれ!? 練習したの!?」
年少組の妹「「「おにーちゃ~ん!」」」
ヤシロ「お、年少組か。教会から出てきて平気なのか?」
年少組の妹「シスター、いいって言ったー」
年少組の妹「ついでにお兄ちゃんにおいしいもの食べたいって伝えといてってー」
ヤシロ「よし、聞かなかったことにする」
年少組の妹「そうなるだろうからって、お手紙預かったー」
ヤシロ「用意周到か!?」
妹「あんたたちー、どの面下げてここまできやがったかー」
妹「そうやすやすと歓迎されるとおもうなよー」
妹「とかいって大歓迎するけどもー」
年少組の妹「あーおねーちゃんたちだー」
妹「「「はたしてそうかなー?」」」
ヤシロ「いや、その通りだろうが、年中組。お前ら何がしたいんだよ?」
年少組の妹「あたしたちもお仕事したいー!」
年少組の妹「したいー!」
年少組の妹「第一発見者ー!」
ヤシロ「『したい』の意味が変わってるな!?」
弟「お仕事は年中組になってからー!」
弟「僕らも結構待たされたー!」
年少組の妹「「「あー、…………えっと、あの……」」」
ヤシロ「お兄ちゃんな、お兄ちゃん! 忘れてやるな、な!?」
ハム摩呂「存在感は、大事やー」
年少組の妹「えびまよー」
年少組の妹「つなまよー」
年少組の妹「めんたいこまよー」
ヤシロ「ハム摩呂だよ!?」
年少組の妹「「「はむまろ?」」」
ヤシロ「だから、なんでそこだけ認識出来ないんだって!? で、何しに来たんだよ。俺に何か用か?」
年少組の妹「おにーちゃんに頼まれてたやつ、描いたー!」
年少組の妹「見せにきたー!」
年少組の妹「かくにん、よろー!」
ヤシロ「頼まれてたヤツ?」
年少組の妹「「「これー!(ヤシロに紙を渡す)」」」
――年少組の妹たちの描いた不思議な物体の絵。ハビエルらしい
――絵の横に歪な文字で『はびえるおじさん、かっこいい』
ヤシロ「あぁ……これ、ハビエルとの勝負の時に、念のために頼んでおいたやつか……俺が勝ったから要らなかったんだが……」
年少組の妹「渾身の力作ー」
年少組の妹「一世一代の傑作ー」
年少組の妹「なんだかんだでぬけ作ー」
ヤシロ「お前らって、三段落ちしないと気が済まない人種なの!?」
年少組の妹「「「折角なのでお差し上げー!」」」
ヤシロ「しかし……必要ない時にこれをやると、この次同じエサで釣れなくなるからな……なかったことにするか?」
ハビエル「見たぞ見たぞ、ヤシロォ!?(ぬっと現れる)」
ヤシロ「のゎぁああっ!? ビックリしたぁ!?」
ハビエル「妹たんの『ろりかわいい』オーラが四十区まで漂ってきてたぞ! 飛んできたわっ!」
ヤシロ「瞬間移動か!? どんどん人間離れしていくな、元から人間のカテゴリーから逸脱してたってのによぉ!」
ハビエル「さぁ、渡してもらおうか! 妹たんたちが、ワシのために描いたその百年に一度のトレジャーを!」
ヤシロ「俺の要請で書いたんだよ。あと、こんなの毎日描いてるぞこいつら、教会で」
ハビエル「ワシ、教会の子になるっ!」
ヤシロ「ベルティーナに叩き出されろ!」
ハビエル「食費はたっぷり入れる!」
ヤシロ「くっそ、なびきそうだ、あのシスター!」
ハビエル「これから先、ワシに出来ることなら協力は惜しまん。だからくれっ!」
ヤシロ「必死だな、お前!?」
ハビエル「くれなきゃ陽だまり亭の前でわんわん泣くぞ!?」
ヤシロ「なんの脅しだそりゃ!?」
年少組の妹「はびえるおじさんー!」
年少組の妹「おじさんのこと描いたよー」
ハビエル「むはぁ! 死ぬ! 可愛過ぎてワシ死んじゃう!」
ヤシロ「ははっ、遠慮せず死ねばいいのに」
ハビエル「ふふん! 妹たんたちはお前と違って心根が優しいんだ! 少しは見習え!」
ヤシロ「しょうがねぇな……じゃあ、次何かあったら無条件で協力しろよ」
ハビエル「任せろ! だから早く寄越せ!」
ヤシロ「妹たち~、この絵をハビエルおじさんに渡してやれ。ここに書いてある文字を読みながらな」
年少組の妹「「「うんー!」」」
――年少組の妹たち、絵を受け取り、ハビエルへ差し出す
年少組の妹「「「はびえるおじさん、かっこいい」」」
ハビエル「むはぁ! もう死んでもいいっ!」
イメルダ「……では、その願いを叶えて差し上げますわ(大きな斧『キラーン』)」
ハビエル「のぉぉぉおっ!? イメルダ!?」
イメルダ「お父様……いえ、見ず知らずのオジサン……ちょっとお話が」
ハビエル「ち、違うんだ! これはそうじゃなくて、えっとその……」
イメルダ「へぇ……何が違うと言いますの? 『妹さんに会いに来た』以外にあなたが今ここにいる理由がおありなら、是非説明いただきたいものですわねっ!」
ハビエル「えっと……あの……その…………(汗『ダラダラ……』)」
ヤシロ「はぁ……ったく。(妹とハム摩呂の背中を『ぽん』)」
妹「おいしいタコスのご販売ー!」
ハム摩呂「カンタルチカのビールは、頑張る体のエネルギーやー!」
ハビエル「そ、そう! 今日はここでタコスパーティーを開くんだよ! な? ヤシロ? そうだよな!?」
――ハビエル、ヤシロにばっしばしウィンクを飛ばす
ヤシロ「あ~、そうだったなぁ。ここいらにいる連中を巻き込んで盛大に盛り上がろうぜ、ハビエルの奢りで」
ハビエル「なっ!? ……えぇい、背に腹は代えられん! 暇なヤツは全員寄ってけぇ! ワシの奢りじゃー!」
通行人たち「「「「うぉぉおおおっ! ロリコン最高!」」」」
ハビエル「誰がロリコンじゃいっ!?」
パウラ「ちょっ、なんなの!? ハム摩呂に手伝いを頼むといつも大繁盛するんだけど!?」
ヤシロ「ハム摩呂は招き猫みたいなもんなんだな。……また需要が増えそうだ」
ハム摩呂「お仕事いっぱいで、楽しいのやー!」
妹「「「お仕事ー!」」」
弟「「「楽しいー!」」」
イメルダ「本当に、ヤシロさんは甘いですわね」
ヤシロ「知らなかったか? 俺は、権力者にはいい顔をするタイプの人間なんだぞ」
イメルダ「ふふ……今後ワタクシには最大限優しくすることをお勧めしますわ。今の嘘を糾弾されたくないのでしたらね」
ヤシロ「何が嘘だよ。俺は金持ちには優しいだろうが」
イメルダ「年少組のご弟妹にも出来る仕事を探して走り回っているくせに……よく言いますわね」
ヤシロ「…………その方が、経済が回るんだよ。うっせぇな」
イメルダ「ふふふ。では、そういうことにしておきますわ。ただし……ワタクシ、フレッシュグレープフルーツが飲みたいですわ」
ヤシロ「へいへい。御馳走させていただきますよ(ハビエルの金で)」
イメルダ「よい心がけですわ」
パウラ「なぁあ! 人手が足りないよぉ! ヤシロ! 妹たちもっと追加して! この際年少組でもいいから!」
年少組の妹「「「わーい! お仕事するー!」」」
ヤシロ「……この街には社畜が多いなぁ、まったく」
イメルダ「そんな嬉しそうな顔で悪態を吐いても、説得力がありませんわよ」
ヤシロ「うっせぇなぁ……グレープフルーツを皮ごと丸飲みにしたいんだっけ? ちょっと待ってろ、用意してやるから」
イメルダ「違いますわっ!? ジュースですわ! ちゃんと絞ってくださいましね!? ねぇ、ヤシロさん!?」




