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異世界詐欺師のなんちゃって経営術【SS置き場】  作者: 宮地拓海


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【後日譚42話あとがき】エステラ、甘える

――陽だまり亭


ヤシロ「どうしたんだエステラ?」

エステラ「……なんだか、熱っぽくてさぁ……(テーブルに『ぐでぇ……』)」

ヤシロ「じゃあ、家で寝てろよ」

エステラ「ジネットちゃんの料理を食べたら元気になるかと思ったんだよ…………あぁ、やっぱり帰ろうかな……なんか寒い」

ヤシロ「おいおい、大丈夫か? 今、薬出してやるから」

エステラ「えぇ……レジーナの薬って、変な副作用があるからちょっと怖いんだよねぇ……」

ヤシロ「でも、ダルいよりマシだろう?」

エステラ「まぁ……じゃあ、もらおうかな」

ヤシロ「えっと……風邪薬、風邪薬…………なぁ、湿布でもいい?」

エステラ「いいわけないよね!?」

ヤシロ「そうか。お前は肩凝らないもんな」

エステラ「凝るよっ!? ……ぁう……もう、大きな声出させないでよ……」

ヤシロ「お前の胸くらい小さい声でしゃべっていいぞ」

エステラ「……刺すよ(ぼそっ)」

ヤシロ「怖っ!? 囁き、超怖い」

ジネット「エステラさん。たまご粥を作ってきましたよ。食べられますか?」

エステラ「ありがとうジネットちゃん! ヤシロ、君はもういいからあっち行ってて」

ヤシロ「酷い扱いだな。折角薬を出してやろうってのに」

エステラ「湿布なんかいらないの!」

ジネット「お薬の前に、少しでも食べてくださいね」

エステラ「うん。こっちは大丈夫だから、仕事に戻って」

ジネット「でも……」

エステラ「大丈夫。いざとなったら、ヤシロのベッドを横取りして休ませてもらうから」

ヤシロ「おいこら」

ジネット「なら、安心ですね」

ヤシロ「お前もか、ジネット」

ジネット「では、ヤシロさん。エステラさんをお願いしますね」

ヤシロ「へいへい。早く仕事に戻れ」

ジネット「はい。では」


――ジネット、厨房へ戻る


ヤシロ「食えそうか?」

エステラ「ぅう……喉が腫れて、飲み込むと痛いんだよね」

ヤシロ「喉か……んじゃあ、いいもんを持ってきてやろう」

エステラ「え? ……どこ行くの?」

ヤシロ「……んだよ。そんな寂しそうな顔すんなよ」

エステラ「そ、そんな顔はしてないよ……」

ヤシロ「俺の部屋にいい物があるんだが……あぁ、もういいや。お前、俺の部屋へ来い」

エステラ「…………変なことしない?」

ヤシロ「俺がお前に変なことしたことがあるかよ?」

エステラ「えっと、変なTシャツ着せたり……」

ヤシロ「そういう変なことはあるかもしれんが……今日は大丈夫だ。部屋で寝てろ」

エステラ「でも、そうしたら……ヤシロ、すぐどっか行っちゃう、でしょ?(不安そうな目)」

ヤシロ「お前……相当熱あるだろ? 体調が悪いから不安になるんだよ。飯食って薬飲んで、たっぷり寝りゃすぐ元気になるよ」

エステラ「……うん」

ヤシロ「寝るまで、そばにいてやるから」

エステラ「ホント? ……ぁは。なら、ヤシロの部屋、行く」

ヤシロ「今日は随分甘えん坊だな」

エステラ「風邪の時は甘えていいって、お父様に教わったんだ」

ヤシロ「ろくでもない教育しやがって。ほら、負ぶされ」

エステラ「お姫様抱っこがいい」

ヤシロ「ここぞとばかりに甘えてくるな……分かったよ」

ジネット「あの、エステラさん、具合悪くなったんですか?」

ヤシロ「熱が酷そうだから寝かせてくる。あと、早退する」

ジネット「え? ……あ、そうですね。そばについていてあげてください。たまご粥、あとで持っていきますね」

エステラ「ごめんねジネットちゃん」

ジネット「風邪の時は甘えん坊でもいいんですよ。お爺さんがそう言ってました」

ヤシロ「この街の大人はガキを甘やかし過ぎなんだよ」


――ヤシロ、エステラをお姫様抱っこで部屋へ連れて行く


ヤシロ「ほれ、ベッドを貸してやるから寝てしまえ」

エステラ「うん……ごめんね、色々迷惑かけちゃって……ふふ」

ヤシロ「そんな嬉しそうな顔で謝られてもなぁ……」

エステラ「ヤシロって、こういう時はとことん優しくしてくれるよね。……なんで?」

ヤシロ「なんでも何もねぇよ。俺は別に優しくない」

エステラ「昔から、そうだったの?」

ヤシロ「今日は随分とよくしゃべるな」

エステラ「ボクは……君の過去をあまり知らないからね。無理に詮索はしないつもりだけれど……不意に、とても知りたくなる時があるんだ。……こういう、寂しい気持ちの時は」

ヤシロ「はぁ…………お前らは、普段からあまり弱みを見せないからな。頑張り過ぎてても、こっちが気付いてやれない時があるんだ。…………そういうのは嫌なんだよ。俺が気付かないところで、密かに苦しんでるヤツがいるってのがな」

エステラ「そっか…………そうなんだ」

ヤシロ「……ったく。なんで俺がこんな話を……もういいだろう。さっさと寝ろ」

エステラ「ヤシロ」

ヤシロ「んだよ」

エステラ「ボクは、ヤシロのそういうところは、割と好きだよ」

ヤシロ「――っ!? ……ふん。ありがとよ」

エステラ「なんだよぉ~。もう少し、照れたりしてもいいのにさぁ。クールだなぁ」

ヤシロ「……(アホか。めっちゃ照れたわ。穴があったらウーマロを突き落として上から重たい石をガスガス投げ込みたい気分だっつの)」

エステラ「ヤシロ…………」

ヤシロ「お前なぁ、早く寝ろって……」

エステラ「……すぅすぅ……」

ヤシロ「……って、寝てんじゃねぇかよ」

エステラ「……すやすや…………ヤシロ……」

ヤシロ「寝言で俺の名前呼ぶのやめてくんねぇかな……恥ずいから」

エステラ「…………ヤシロ…………お手」

ヤシロ「夢の俺に何させてくれてんだ、このド貧乳!?」


――ヤシロ、エステラのおでこをペシッと叩く

――エステラ、寝ながらも「むぅ~」とおでこを押さえて寝返りを打つ






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