【後日譚37話あとがき】ノーマ、ヤシロに翻弄される
――ノーマの店・工房
ヤシロ「ノーマ~!」
ノーマ「おや、ヤシロじゃないかさ。どうしたんさね、アタシに何か用かぃ?」
ヤシロ「これ、レジーナからの手紙(手紙を差し出す)」
ノーマ「レジーナがアタシにかぃ? なんだろぅね。(手紙を受け取り)……なになに。『ヤシロに危険な薬を飲ませた。要注意』…………って!?」
ヤシロ「ノーマっ! 尻尾をもふもふさせてくれぇいっ!(飛びかかる)」
ノーマ「ちょぉおおおおいと、待ちなっ!?」
――ノーマ、煙管でヤシロの眉間を「こつーん!」ヤシロ「どぅっ!」そのまま眉間を押さえて蹲る
――よく見ると、いかにも怪しそうな花がヤシロの頭に生えている
ノーマ「……これがヤシロに悪さをしてるんさね……まったく。レジーナのヤツは……ん? ヤシロ、いつまで蹲って……?」
ヤシロ「(おでこを押さえて)……みぃ、みぃ……いたいぉう…………」
ノーマ「ちょっ!? なにも泣くことないさね!? だ、だいたい、あんたがいけないんさよ! きゅ、急に変なことをしようとするから…………」
ヤシロ「(おでこを押さえて)……みぃ、みぃ……」
ノーマ「ぅ……うぅ…………あぁ、もう! 悪かったさよ。アタシも、ちょっとやり過ぎちまったさね。だから、ほら……泣き止んでおくれな……(ヤシロの頭をなでなで)」
ヤシロ「……キラーン」
ノーマ「……へ?」
ヤシロ「(ガバッとノーマの腰に抱きつく)キツネっ娘、ゲットだぜっ!」
ノーマ「嘘泣きだったのかぃ!?」
ヤシロ「ううん! ガン泣き!(ヤシロ、目が真っ赤)」
ノーマ「なのに、この身の代わりよう!? あんた、どんだけエロに素直なんさねっ!?」
ヤシロ「ノーマっ!(急に真面目な顔『きりっ!』)」
ノーマ「な……なん、さね……てか、離れておくれでないかぃ…………さ、さすがに、恥ずかしいさね」
ヤシロ「……お前の尻尾を、モフりたい(キリッ!)」
ノーマ「ま、真面目な顔で変なこと言わないでおくれなっ! ア、アタシは……そんな、だれかれ構わず触らせるような、安い女じゃないんさよ……いい加減、離しておくれな……(もじもじ)」
ヤシロ「じゃあ、また、煙管で殴ればいい」
ノーマ「そ……そんなことしたら、あんた、また泣くじゃないかさ……」
ヤシロ「泣かせばいい」
ノーマ「う…………あ、あんた、わざとそういうこと言ってるさね? アタシを困らせて楽しいんかぇ?」
ヤシロ「……ノーマ」
ノーマ「な…………なんさよ?」
ヤシロ「尻尾を……モフりたい」
ノーマ「………………しょ、しょうがない……さね(顔『真っ赤』)け、けど! ちょっと! ほんのちょっとだけ、だからね…………」
――ノーマ、尻尾をヤシロの前に「ふぁさぁ」と出す
ノーマ「あ、で、でも……ホント、恥ずかしいから……優しく、さよ?」
ヤシロ「うん! 無理っ!(尻尾『むぎゅっ!』『わーしゃわしゃわしゃわしゃ!』)」
ノーマ「にゃぁぁぁああっ!?」
ヤシロ「よーし、よしよし! よーしよしよし!」
ノーマ「ヤ、ヤシッ……ヤシロッ! ちょっ、ちょっと……ま…………待っ……てっ!(ちょっと色っぽい声)」
ヤシロ「あ~…………むっ!(尻尾『ぱくー!』)」
ノーマ「ぅにゃぁぁあっ!? た、食べちゃ、ダメ……さねぇ~っ!?」
ヤシロ「もぐもぐ……」
ノーマ「ふ…………っ、くっ…………ヤシロ……ちょっと……ほんとに……まって…………」
ヤシロ「うむ。あんまり楽しくない!」
ノーマ「それはあんまりなんじゃないかぃ!? アタシがこんなに恥ずかしい思いしてるってのに!?」
ヤシロ「おっぱいの方がいい! おっぱいモフりたい! 薬のせいで!」
ノーマ「あんたそれ、薬関係ないくいつもじゃないかぃ!」
ヤシロ「…………みぃ、みぃ……」
ノーマ「もうその手は通用しないさよっ!?」
ヤシロ「…………しょぼん……」
ノーマ「う…………っ。ダ、ダメ……に、決まってるさね……あんただって、それくらいの分別はあるだろぅ?」
ヤシロ「…………いじいじ……」
ノーマ「うぅ…………可哀想……じゃ、ない…………さね……っ!」
ヤシロ「…………る~るるる~……」
ノーマ「物悲しいメロディが心を掻き乱すさねっ!? その歌やめておくれでないかぃ!?」
ヤシロ「…………ぼく、いらないこ……」
ノーマ「そんなことないさよっ!? ヤシロは必要さよ、みんなにとっても…………ア、アタシに、とっても……(ちょっと照れ)」
ヤシロ「…………じぃ(うるうる)」
ノーマ「う………………しょ、……しょうが、ない…………さね…………っ」
ヤシロ「(きゅぴーんっ!)」
ノーマ「ちょ、…………ちょっと、だけ……さよっ!」
――ノーマ、胸をヤシロの前に突き出す
ノーマ「さ、さぁ! さっさと触っておくれな!」
ヤシロ「………………」
ノーマ「…………」
ヤシロ「……」
ノーマ「……ど、どうしたんだい? 触らないのかい?」
ヤシロ「ノーマ」
ノーマ「な、なんさね?」
ヤシロ「お前、何やってんの?」
ノーマ「あんたがやらせたんさよ!?」
――ヤシロの頭に生えていたいかにも怪しい花が枯れ落ちている
ヤシロ「……気持ちは嬉しいんだが…………あの、あんまり焦るな? きっと大丈夫だから」
ノーマ「優しい言葉をかけんじゃないよ!? あんたがおかしくなってたから、しょうがなく協力してやっただけさね! ……むっぁぁあああ! もう、治ったんならさっさと帰っておくれなっ!」
――ノーマ、ヤシロの背中を押して店の外へ押し出す
ヤシロ「そっか。協力してくれてたのか」
ノーマ「そうさよ! だから、ふ、深い意味とか、全然ないんさよ! さっさと忘れておくれ……!」
ヤシロ「いや。覚えとく」
ノーマ「またそうやって……いつまでもアタシをからかうつもりさねっ!?」
ヤシロ「そうじゃなくて……」
――ヤシロ、振り返りノーマの頭をぽんぽん。ついでにキツネ耳をそっと撫でる
ヤシロ「お前はいつも俺のために頑張ってくれるからな。ちゃんと覚えておいて、いつかきちんと礼をさせてもらうよ」
ノーマ「…………ほぇ……っ?」
ヤシロ「その……悪かったな。随分と変なことをさせちまったみたいで」
ノーマ「え…………(思い出してほっぺた『かぁぁっ!』)い、いいんさよ! 悪いのはレジーナの薬だからっ! あ、あとでとっちめといてやるさよ、あんたの分もまとめて! だ、だから…………ヤシロは、もう、あんま考えないでおくれ……でないかぃ」
ヤシロ「分かった。んじゃ、任せるわ(キツネ耳『なでなで』)」
ノーマ「……ぅん。任される」
ヤシロ「(キツネ耳『なでなで』)」
ノーマ「……あの、ヤシロ………………恥ずかしい、んさけど?」
ヤシロ「ん? あっ! 悪い! つい癖で」
ノーマ「マ、マグダの耳をモフり過ぎなんさよっ! も、もう! ヤシロは!」
ヤシロ「でも、お前の耳も気持ちいいな」
ノーマ「――っ!? …………じゃ、じゃあ………………また、今度……ゆっくりモフりにくれば…………いぃ……さょ」
ヤシロ「おう。んじゃ、また今度。そうさせてもらうわ! じゃあな。俺仕事の途中だったんだよ」
ノーマ「ぅ、うん……それじゃあ。仕事、頑張って……ね」
ヤシロ「おう! 行ってきます!(手を振って去っていく)」
ノーマ「…………ばいばい」
――ノーマ、ヤシロの背中を見送った後、その場にへたり込む
ノーマ「…………それはズルいさね。まるで…………アタシんとこに帰ってくるみたいな出て行き方じゃないかさ………………もう、ヤシロは…………もうっ」




