【後日譚34話あとがき】ヤシロ、幼児化する
――陽だまり亭
――入り口に幼い子供(六歳)
ジネット「あら? 一体どこのお子さんでしょうか?」
エステラ「ホントだ。見かけない顔だね」
ノーマ「ん~? けど、どっかで見たことあるような顔さねぇ……」
――子供、ジネット、エステラ、ノーマと順に指を差す
やしろ「ボンッ、キュッ、ボンッ!」
エステラ・ノーマ・ジネット「「ヤシロだっ!?」」さん、ですっ!?」
エステラ「で、誰が『キュッ』だ!?」
やしろ「ねぇねぇ、おっぱいの大きいお姉ちゃん」
ジネット「えっ!? わ、わたし、でしょうか?」
やしろ「そこそこおっぱいの大きいお姉ちゃんがね、これ渡せって」
ジネット「えっと……あ、レジーナさんからの手紙ですね」
エステラ「っていうか、ヤシロはおっぱいでしか人を認識していないのかい?」
ジネット「えっと、なんでも、『なんや新しい薬を飲ませたら体と精神が幼少期に戻ってしもぅたから、あとはよろしゅうたのんます、ウチ、子供あかへんさかいに……』だ、そうです」
ノーマ「ホント……ろくなことをしないさね、あの薬剤師は」
エステラ「ってことは、これは正真正銘、六歳のヤシロってことなんだね?」
ジネット「なんだか、かわいいですねぇ。よしよし」
やしろ「ふおぉおっ!? おっぱいかと思った!」
ジネット「手ですよ!? そんなに伸びませんから」
エステラ「……ヤシロって、子供の頃からこんなだったのか……」
ノーマ「それで、どうやれば元に戻るんさね?」
ジネット「えっと、『子供はわがままなもんやさかい、やりたいようにやらしてやったらそのうち戻るはずや』……だ、そうです」
エステラ「丸投げじゃないか!?」
ノーマ「しかし、子供のわがままなんか可愛いもんさね。アタシは割と好きだよ、やんちゃな子供はねぇ」
やしろ「おばちゃ~ん!」
ノーマ「…………(ビキッ!)」
エステラ「ノーマ! 落ち着いて! 子供! 子供の言うことだから!」
ノーマ「わ、分かってるさね。こ、子供は、そういうこと、言、言うもんだからねぇ。ちゃんと躾けてやれば、な~んも問題ないんさよ」
エステラ「……とりあえず、凄く引き攣ってるからね、顔……」
ノーマ「さぁ、やしろ~。ちゃんと言い直そうねぇ~。『お・ね・え・さ・ん』」
やしろ「…………」
ノーマ「『お・ね・え・さ・ん』っ」
やしろ「…………」
ノーマ「『お・ね・え・さ・ん』っ!」
やしろ「…………」
ノーマ「…………」
やしろ「…………」
ノーマ「…………おっぱい」
やしろ「おっぱい~!」
エステラ「諦めないで!? 自分を捨てないで、ノーマ!」
ノーマ「……ふ、ふふ……小さくなろうとも、しょせんはヤシロさね。おっぱいって言っとけば簡単に懐くんさ」
エステラ「それはきっとその通りなんだろうけど、それでいいのかい!?」
やしろ「おっぱ~い!」
――ヤシロ、ノーマの胸に抱きつく
ノーマ「ちょっ!? ヤ、ヤシロッ!?」
やしろ「ふかふか~(ぽぃんぽぃん)」
ノーマ「ちょちょちょっ、き、気安く触んじゃないよ!?」
やしろ「…………ふぇっ(泣きそう)」
ノーマ「わぁぁあ!? ちょいとお待ちな!? な、泣くんじゃないよ!」
やしろ「お……っぱぃ……」
ノーマ「いや、でも、アタシも嫁入り前だし……その……」
やしろ「お…………っぱ…………ぃ……ぐじゅっ!」
ノーマ「あぁ、もう! 分かったさね! 揉むなり吸うなり好きにするさねっ!」
やしろ「いただきますっ!」
ノーマ「ちょい待ちっ!(飛び込んできたやしろの顔面をキャッチ!)……なんか今、物凄くオッサン臭かった気がするさね!」
やしろ「…………うるうる」
ノーマ「う…………っ」
ジネット「ヤシロさん(やしろの目線に合わせて屈む)」
やしろ「…………?」
ジネット「人が嫌がることをしてはいけませんよ。甘えるにも、きちんとお互いが信頼し合わなければいけません。嫌われたくは、ないでしょう?」
やしろ「…………ぅん」
ジネット「いい子ですね、ヤシロさんは。いいこいいこ」
やしろ「……へへへ」
エステラ「さすがジネットちゃんだね。ヤシロが大人しくなったよ」
ノーマ「なんだかんだ、ただ甘えたい年頃なんさね」
エステラ「大人しい顔を見ていると、可愛く見えてくるよね」
ノーマ「そうさねぇ」
エステラ「ねぇ、ヤシロ。ボクが抱っこしてあげようか?」
やしろ「……おねーちゃんが?」
エステラ「くふっ、ヤシロが『お姉ちゃん』だって……っ! なんか素直で可愛いなぁ!」
やしろ「だっこ…………」
エステラ「さぁ、遠慮しないで、おいで」
やしろ「おっぱいないから、ヤッ!」
エステラ「素直過ぎるな、君は!? ちょっと拳で語り合わないかい!?」
ノーマ「エステラ、落ち着くさね! 相手は子供なんだよ!?」
エステラ「子供でも、ヤシロはヤシロだぁ!」
ジネット「ですが、ヤシロさんのわがままを聞いてあげないと、元のヤシロさんには戻らないそうですよ?」
エステラ「……じゃあ、ヤシロは何がしたいのさ?」
やしろ「おっぱい!」
ノーマ「……まぁ、想像通りさね」
ジネット「あの、ヤシロさん。それ以外では、何かありませんか?」
やしろ「………………んとね……あっ!」
ジネット「何か思いつきましたか?」
やしろ「おしり枕!」
エステラ「踏ん縛ってレジーナの店に叩き返しに行こう!」
ノーマ「同意さねっ!」
ジネット「あ、あのっ! 出来るだけ穏便に! お手柔らかにぃ!」




