【後日譚30話あとがき】ハム摩呂、四十二区のてっぺんを目指す
――ニュータウン。ロレッタたちの家
ロレッタ「ハム摩呂。あんたは他の子よりも結構器用で、仕事が出来るです」
ハム摩呂「姉の目は、節穴やー!」
ロレッタ「そんなことないです! あんたは頑張れば四十二区で一番にだってなれるです!」
ハム摩呂「いちばん?」
ロレッタ「そうです! なんでもいいので一番になって、もっと多くの人に喜んでもらえる人間になるです!」
ハム摩呂「いんげん?」
ロレッタ「人間です! なんで将来『豆』になろうとしてるですか!?」
ハム摩呂「姉の、面白ツッコミやー!」
ロレッタ「やめてです!? そういうこと言われると、途端にあたしがスベってるみたいな空気になるです!」
ハム摩呂「いつものことやー」
ロレッタ「そんなことないですよ!? ……ないですよね?」
ハム摩呂「じゃ、ちょっと一番になってくるー!(てってりーぷっぷー)(←足音)」
ロレッタ「ちょっと待つです! どこ行くつもりです?」
ハム摩呂「お兄ちゃんと店長さん倒してくるー!」
ロレッタ「なんでそういう解釈になったです!? ちょっ!? 待つですっ!」
――走り去るハム摩呂を追いかけるロレッタ。どっちも超速い
――陽だまり亭
ハム摩呂「ニュータウンからの、挑戦状やー!」
ジネット「あら、ハム摩呂さん。いらっしゃいませ」
ハム摩呂「はむまろ?」
ジネット「あの……なんとお呼びすれば理解していただけますかね?」
ハム摩呂「しめじー!」
ジネット「なぜですか!? ご弟妹の間で流行っている何かですか!?」
ハム摩呂「それより、勝負してー」
ジネット「勝負、ですか?」
ハム摩呂「四十二区で一番になりたいー!」
ジネット「それでしたら、わたしなどではなく、四十二区で一番のもっと凄い人と勝負しないとダメなんじゃないですか?」
ハム摩呂「四十二区で一番おっぱい大きいー!」
ロレッタ「そこまでです、ハム摩呂!」
――ロレッタ、鬼の形相で飛び込んでくる
ロレッタ「店長さんのおっぱいには、何人たりとも敵いません!」
ジネット「そんなことないですよ!?」
ハム摩呂「……一番にもなれない、ダメな弟やー…………」
ジネット「ダメじゃないですよ!? もっと別のことで、一番を目指せばいいんですよ。ね? 頑張ってみましょう、ハム摩呂さん」
ハム摩呂「はむまろ?」
ジネット「どうして、わたしの呼びかけはほとんど伝わらないんでしょうか……」
ロレッタ「とにかく、店長さんのおっぱいは揺るぎないナンバーワンなので、他のことで一番を目指すです!」
ハム摩呂「じゃあ、お兄ちゃんのおっぱい好きを超えるー!」
ロレッタ「そんなの、人類には無理ですっ!」
ヤシロ「おいおい、ロレッタ。ちょっと表で語り合わないか?」
ロレッタ「はぅっ!? お兄ちゃん、いたですか!?」
ヤシロ「何してんだよ。ハム摩呂と二人して」
ハム摩呂「はむまろ?」
ヤシロ「お前のことだよ」
ハム摩呂「ん~?」
ヤシロ「…………エビマヨ」
ハム摩呂「な~に~?」
ヤシロ「違うよな!? 今まで一回も呼ばれたことないよな、エビマヨって!?」
ハム摩呂「ん~?」
ヤシロ「その『ん~?』って小首傾げるのやめろ! なんか可愛いからっ!」
ハム摩呂「お前もなー!」
ヤシロ「よし、ロレッタ。ちょっと表で語り合わないか?」
ロレッタ「なんであたしです!? 連帯責任イクナイですっ!」
ヤシロ「一体なんの騒ぎなんだよ?」
ロレッタ「実は……」
ハム摩呂「一番になるー!」
ヤシロ「一番?」
ハム摩呂「……か、七番」
ロレッタ「目標ガクッと落ちたですね!? 一番を目指すですよ!?」
ヤシロ「四十二区で一番になるなら、エステラを越えろよ」
ジネット「確かに、エステラさんはこの区の領主様ですからね。一番と言えますよね」
ハム摩呂「なるほろ~、目からうどん粉やー」
ロレッタ「なんか色々おかしいですよ、ハム摩呂!?」
ハム摩呂「……姉とか?」
ロレッタ「あたしはおかしくないです! で、いい加減あたしにも『はむまろ?』って聞き返してほしいです!」
ジネット「ロレッタさん。少し寂しかったんですね」
ヤシロ「いいかハム摩呂。エステラはこの区のナンバーワンだ」
ハム摩呂「ナンバーワン」
ヤシロ「あぁ。だがお前なら……あいつのぺったんこを越えられるかもしれん!」
エステラ「誰がぺったんこのナンバーワンだっ!?(扉『バターン!』)」
ハム摩呂「……はむまろ?」
エステラ「ボクはまだ何も言ってないよ、ハム摩呂!?」
ハム摩呂「りょーしゅさまー、勝負やー!」
エステラ「ボクはそのジャンルで競い合うつもりは毛頭ないからね!」
ハム摩呂「………………」
エステラ「あれ? ど、どうしたの、ハム摩呂?」
ハム摩呂「…………負けた(がくり……)」
エステラ「ボク勝ってないよ!?」
ヤシロ「エステラ……お前がナンバーワンだ」
エステラ「うるさいよっ!」




