【後日譚22話あとがき】ミリィの触角をぷにぷにする……?
――陽だまり亭
ミリィ「…………てんとうむしさぁん……」
ヤシロ「どうしたミリィ!? ずどーんと沈んだ顔して!?」
ミリィ「ぅう…………ごめんね……ごめん、ね……」
ヤシロ「あ、ははぁ~ん…………髪飾りに傷でもついたのか?」
ミリィ「…………ぅん。気をつけてたのに……、森の中で……太い枝がばしぃって……」
――ミリィ、肩を落としてへこんでいる。髪飾りに長い傷
ヤシロ「そんな気にするなよ。前にも言ったろ? 傷なんかすぐ直せるんだからよ」
ミリィ「でもね……今回のは、長いし……結構深いの…………直る?」
ヤシロ「直るよ。あぁ、でも、今回はちょっと預からせてもらうことになるかもな」
ミリィ「えっ!?」
ヤシロ「いや、ちょっと時間かけた方が綺麗に直るからな?(ホントはかなり熱して打ち直さなきゃダメなんだが、作り直しとか言うとヘコみそうだし黙っとこう)」
ミリィ「…………じゃあ、今日、みりぃ……てんとうむし、ない、の?」
ヤシロ「明日の朝までには直しておくから」
ミリィ「……だいじょうぶかなぁ…………今日、みんな、みりぃのこと、わかるかな?」
ヤシロ「いや、それは分かるだろう!」
ミリィ「……みりぃ、特徴ない娘だし……」
ヤシロ「んなことねぇよ」
ミリィ「………………『え、だれ?』みたいな顔されたら……どうしよう……」
ヤシロ「ないってば!」
ミリィ「…………ぅう……落ち着かないよぅ……」
――ミリィ、髪の毛を落ち着きなく触る
ヤシロ「ほらほら、そんなにいじくると跳ねちまうぞ」
ミリィ「ぁう……」
――指でくるくるされて、ミリィの前髪が跳ねる
――ヤシロ、それを手櫛で整えてあげる
ミリィ「…………な、なんか、くすぐったぃ……かも」
ヤシロ「そうか?」
ミリィ「……ぅん。あんまり、撫でられるのとか、されたことないから」
ヤシロ「撫でてるわけじゃないんだが……撫でようか?」
ミリィ「ぇっ!?」
ヤシロ「あ、いや。嫌ならしないぞ? 俺は、ミリィにだけは酷いことはしないと決めてるんだ。その分、ウーマロとロレッタには容赦しない」
ミリィ「ろれったさんには、やさしく、ね?」
ヤシロ「はっはっはっ、ウーマロ。哀れだな」
ミリィ「ぁうっ、そ、そういうことじゃなくてね、うーまろさんも、やさしく、ね?」
ヤシロ「それは断るっ!」
ミリィ「ぅぇぇえっ!?」
――ヤシロ、ミリィの頭を撫でる
ヤシロ「冗談だ。優しいな、ミリィは」
ミリィ「ぁう…………そ、そういうこと言われて撫でられると…………恥ずかしぃ」
――ミリィ、照れつつも、嬉しそうに撫でられている
――と、ヤシロの手がミリィの触角に触れる
ミリィ「にゃふんっ!?」
ヤシロ「うぉうっ!? ビックリした!?」
ミリィ「ぁ……ぁう……ぁ、ぃ、ぃま……触角…………」
ヤシロ「え、触っちまったか?」
ミリィ「ぅ…………ぅん……」
ヤシロ「それは悪かったな……ごめんな? 平気か?」
ミリィ「ふぅぅ…………ぃ、今、顔……覗き込まないで…………」
ヤシロ「あ、悪いっ!」
――ミリィ、全身真っ赤に染めてヤシロから顔を背ける
ミリィ「ぁ、ぁの、ち、違うん、だょ? ぃ、いやとかじゃ、なくてね? ぁの…………恥ずかしぃ、から……ね?」
ヤシロ「あぁ、分かってる。分かってるから……もう、言わなくていいから」
ミリィ「ぅ、ぅん……でもね、ぁの……てんとうむしさんなら、みりぃ、へいき、だから、ね?」
ヤシロ「へっ!?」
ミリィ「ふゎぁっ!? ち、違う、ょ!? 深い意味ないょ!? ぃつも、お世話になってるから……キライじゃないし…………キライじゃないって、そんなえらそうな感じじゃなくてね……ぁの、そのっ!」
ヤシロ「分かった! 分かったから、一回落ち着こう!」
ミリィ「……ごめん、ね? ぁの……触角、男の人に触られたの…………初めて、だった、から……」
ヤシロ「ほぅっ!」
ミリィ「ど、どしたの!?」
ヤシロ「……いや、ちょっと言葉が刺さっただけだ…………なんか、ホント、ごめん」
ミリィ「…………みりぃ、は、ぃい、けど…………」
ヤシロ「よし! こうしよう!」
――ヤシロ、ポケットからゴムを取り出す。それにちょちょいと細工をして髪留めを作る
ヤシロ「ちょうど、今朝取れたボタンがテントウムシみたいだなってジネットと話してたんだ。ほれ、似てないか?」
ミリィ「ぁ……ぅん。似てる、かも」
ヤシロ「ってわけで……」
――ヤシロ、テントウムシ風ボタンのヘアゴムをミリィにつける
――頭上でテントウムシ風ボタンが揺れる
ヤシロ「修理が終わるまでは、これで我慢な」
ミリィ「わぁっ! ありがとう、てんとうむしさんっ!」
ヤシロ「それじゃ、今日一日頑張れるな」
ミリィ「ぅん! それじゃあ、お仕事行ってくるね!」
――ぴょこぴょこと、ミリィが駆けていく
――しばらく走った後、振り返るミリィ
ミリィ「自慢してくるねぇ~!」
――大きく手を振って仕事へ向かう
ヤシロ「まぁ、喜んでもらえてよかった………………あぁ、焦ったぁ。ミリィの触角は心臓に悪いなぁ……エステラなら全然気にしないのに」
エステラ「ボクのいないところで随分な言い草だね。とりあえず、話し合おうか?」




