【後日譚20話あとがき】ハム摩呂、覚えたての特技を披露する
――陽だまり亭
ハム摩呂「覚えたての特技の、お披露目やー!」
エステラ「今度は何が始まるんだい?」
ジネット「実は、ハム摩呂さんが似顔絵を覚えたそうなんです」
ヤシロ「どこからの情報だ?」
ロレッタ「あたしです!」
ヤシロ「あぁ、じゃあ信憑性は低いな」
ロレッタ「なんでです!? ハム摩呂、人の特徴を掴んで絵にするのが上手いです!」
ハム摩呂「大絶賛の、身内褒めやー!」
ヤシロ「まぁ、そういうことだ」
エステラ「身内の判定は甘くなりがちだからね」
ジネット「でも、楽しそうですよ。折角だから描いてもらいませんか?」
ベルティーナ「おや。なんだか楽しそうですね。私も見ていて構いませんか?」
マグダ「……マグダは特等席で見る」
ハム摩呂「はわゎっ、緊張の、押し売りやー!」
ロレッタ「落ち着くです、ハム摩呂! いつも通り、自分の絵を描けばいいです」
ハム摩呂「うんー!」
ヤシロ「じゃあ、描いてみろ、ハム摩呂」
ハム摩呂「はむまろ?」
ジネット「頑張ってくださいね、ハム摩呂さん」
ハム摩呂「はむまろ?」
エステラ「期待してるよ、ハム摩呂」
ハム摩呂「はむまろ?」
ロレッタ「いいから描くですよ、ハム摩呂」
ハム摩呂「うんー!」
ロレッタ「なんであたしの時だけ聞き返してくれないです!? そういう他人と違う感じとか、イクナイですよ!?」
ヤシロ「じゃあ、最初はジネットを描いてみろ」
ジネット「わたしが一番でいいんですか? ヤシロさんからの方がいいのでは?」
ヤシロ「いや、ジネットからでいいよ」
ジネット「そう言わずに」
ハム摩呂「じゃー、二人、混ぜるー!」
ヤシロ「混ぜるな!」
ジネット「で、では! わたしから描いてくださいますか?」
ハム摩呂「お高い御用やー!」
ジネット「高いんですか!?」
ハム摩呂「似顔絵、プライスレスやー!」
ジネット「えっと…………?」
ロレッタ「あ、適当にしゃべってるだけなので気にしないでです」
ハム摩呂「出来たー! 渾身の、出来やー!」
ジネット「わぁ、早いですね! 見せてください」
――ジネットの似顔絵。大きな膨らみが二つ
ヤシロ「……おっぱいだな」
エステラ「おっぱい『のみ』だね」
ジネット「あの……これは?」
ハム摩呂「特徴、捉えたー!」
ヤシロ「特徴『しか』捉えられてないぞ!?」
ハム摩呂「コレ、だーれだ?」
ヤシロ「いや、ジネットって分かるけどさ!? 顔を描けよ顔を!」
ジネット「……ちょっと、ショックです」
ロレッタ「わぁあ! あの、あのっ! 子供のしたことですから、あまり気にしないでです! この子、ハム摩呂ですから!」
エステラ「じゃあ、次はボクを描いてもらおうかな。ちゃんと顔もね」
ハム摩呂「全身描くー!」
ヤシロ「大丈夫なのか?」
ハム摩呂「さらさら~……出来たー!」
ヤシロ「相変わらず早ぇな。どれ?」
――どう見ても、一反木綿(水木プロ風)
ハム摩呂「特徴捉えたー!」
エステラ「……ロレッタ?」
ロレッタ「ごごごご、ごめんです! ちょっとペラペラに見えてたっぽいです!」
エステラ「………………ロレッタ?」
ロレッタ「か、描き直させるです! ほら、ハム摩呂! 描き直すです!」
ハム摩呂「はむまろ?」
ロレッタ「このタイミングでは、それやめてです! 早く描くです!」
ハム摩呂「さらさら~! 出来たー!」
――一片の迷いもなくぬりかべ(水木プロ風)
ハム摩呂「特徴捉えたー!」
エステラ「ロレッタ……?」
ロレッタ「はははは、ハム摩呂! エステラさんはやめてシスターを描くです! シスターなら教会でよく見てるから描けるはずです!」
ハム摩呂「心得たー! さらさ………………さらさら~!」
ロレッタ「一瞬何考えたです!? 不安しかないですよ!?」
ハム摩呂「出来たー!」
――『胃』
ヤシロ「……胃だな」
エステラ「紛れもなく胃だね」
ベルティーナ「うふふ…………面白い冗談ですね」
ロレッタ「はぅわぁあっ!? シスター、メッチャ怖い顔してるです!?」
ハム摩呂「あの顔描くー!」
ロレッタ「あの顔は描いちゃダメです! 笑顔のシスターを描くです!」
――にっこり笑った『胃』
ロレッタ「どうしてもですか!? 譲れない何かがあるですか!?」
ハム摩呂「次、おにーちゃん描くー!」
ロレッタ「エステラさんとシスターの件、一切解決してないですよ!?」
ハム摩呂「おにーちゃん描くー!」
ロレッタ「自由過ぎるですよ!?」
ヤシロ「俺の前に、マグダとロレッタを描いてやれよ」
マグダ「……うむ。何はなくとも、マグダは描いておくべき」
ロレッタ「そういえば、あたしも描いてもらったことないです」
ハム摩呂「二人はまた今度ー!」
ロレッタ「なんでです!?」
ハム摩呂「…………上からの命令が出てないから?」
ロレッタ「上ってなんです!? どこから命令出てるです!?」
エステラ「けど、描いてもらっても、結局妖怪みたいになるんだよ?」
マグダ「……マグダは可愛いネコ娘」
ロレッタ「うぅ、マグダっちょは種族に恵まれてるですね」
マグダ「……ロレッタはねずみ男」
ロレッタ「それは物凄く嫌です!? なんかイヤです!」
ハム摩呂「飽きたから、店じまいー!」
ロレッタ「奔放過ぎですよ!? どうするです、この空気!?」
ヤシロ「……しょうがねぇなぁ……さらさら~っと。ほいよ」
――ヤシロ、ジネットとベルティーナに、凄く綺麗に描けた似顔絵をプレゼントする
ジネット「わぁっ! 上手です、ヤシロさん!」
シスター「あらあら、ちょっと美人に描き過ぎじゃないですか? うふふ、嬉しいですね」
ヤシロ「エステラにも、ほいよ」
エステラ「ボクにも? ありがとう、ヤシロ!」
――エステラが受け取った紙には、綺麗な一反木綿
エステラ「って、こら!?」




