【後日譚13話あとがき】デリア、陽だまり亭の手伝いに参上するも……?
――陽だまり亭
――手伝いのデリアが店にやって来る
デリア「氷砂糖がいいな!」
マグダ「……入ると同時に報酬の話をするのは控えた方がいい」
ロレッタ「新種の挨拶かと思うです」
デリア「今日はヤシロたちがいないんだっけ? お前たちだけでちゃんとやれるのか?」
マグダ「……その補助のために呼ばれたことを、理解するべき」
デリア「まぁ、あたいがいりゃ百人力だぜ! 誰にも負けねぇ!」
ロレッタ「誰と戦う気ですか!? 普通にウェイトレスやってです!」
ノーマ「まったく。ちゃんとお目付け役がいないと全く機能しないさね、この店は」
デリア「お、ノーマも一緒か。こりゃ助かるな」
ノーマ「助かるって……アタシに何期待してるんさね?」
デリア「コスプレ要員」
ノーマ「普通の服でやるさよ!? 変な期待はやめておくれな!」
マグダ「……とか、言いつつ?」
ロレッタ「からの~?」
ノーマ「着ないさねっ!? あんたら、みんなヤシロに毒され過ぎさね!」
デリア「なんだよ、ノーマ! 期待には応えろよ。プロだろう?」
ノーマ「アタシはただの手伝いなんだけどねぇ……」
デリア「たとえ手伝いでも、客の前に立てばみんなプロだってヤシロが言ってたぞ!」
ノーマ「そ、そりゃ、分かるけどさ……」
デリア「あたいはよく分かんなかったけど!」
ノーマ「分かっておやりな!? プロ意識は持っとけってことさよ!」
デリア「あぁ、知ってるぞ! プロ意識な! 知ってる知ってる!」
マグダ「……その言い方と顔で、理解していないことが丸分かり」
ロレッタ「ですね」
デリア「ちゃんと分かってるって! あれだろ? 『押すなよ!』って言われたら、とりあえず押すんだろ?」
ノーマ「なんのプロさね!?」
デリア「だからあたい、オメロのことよく川に突き落としてるぞ」
マグダ「……最近、オメロを見かけなくなった原因が判明……」
ロレッタ「オメロさん、不憫です……」
デリア「要するに、期待されたことはやってやらなきゃダメなんだ! なんだよぉ、お前らそんなことも分からずにウェイトレスやってたのか? アレだな、『ヘソに茶葉を生やす』だな」
ロレッタ「デリアさんのおヘソ付近が茶畑になったです!?」
デリア「訳分かんないこと言ってないで、客の喜ぶことをやればいいんだよ! 簡単だろう?」
マグダ「……訳の分からないことを言っていたのはデリア」
ノーマ「まぁ、待つさね、マグダ。それじゃあ、しかと見せてもらおうじゃないかさ……デリアの、プロ根性ってやつをさ」
マグダ「……なるほど」
ロレッタ「ちょうど、今日は信者が多いですし……にやり」
デリア「な、なんだよ? お前ら、なんか顔が怖いぞ?」
マグダ「……やっておしまいなさい」
デリア「ちょっ!? な、何す…………わぁああっ!?」
――十分後。デリア、赤ずきんのような可愛いコスプレ
デリア「うぅ……なんだよ、このひらひらした服……動きにくいなぁ」
マグダ「……普段活発な格好をしているデリアに可愛らしい服を着せると、ギャップで客が釣れる」
デリア「誰が釣れるんだよ、あたいのこんな格好で……」
グーズーヤ「デリアさーん! マジ可愛いっす! マジっす! マジ可愛いっすー!」
ノーマ「……あの工務店は、本当に似たような患者しかいないんさねぇ」
ロレッタ「職業病を疑うレベルです」
グーズーヤと愉快な仲間たち「「「「デ・リ・ア・さんっ! デ・リ・ア・さんっ! デ・リ・ア・さんっ! おぉ~~~~~~~~~っ、デリアッ!」」」」
デリア「なんか怖ぇよ、あいつらぁ!」
ノーマ「まぁまぁ。デリアは『プロ』なんだから、きちんと『期待に応えて』やるさね」
デリア「ノーマ…………覚えてろよ」
ノーマ「くふふ……あんたに何が出来るさよ? 睨んだって怖いもんかぃ」
デリア「ヤシロが帰ってきたら、『ノーマはヤシロがいない時は油断して地味なパンツ穿いてた』って言ってやる!」
ノーマ「なんてこと言うんだい、公衆の面前で!?」
デリア「ヤシロがいる時は、可愛いピンクのとか穿いてるくせにッ!」
ノーマ「だから、バラすんじゃないさね、そういうことをっ!?」
――店内の野郎ども『メモメモッ!』
ノーマ「メモるんじゃないさよ、野郎どもっ!?」
マグダ「……赤ずきん、ベージュパンツ。お仕事をして」
デリア「あたいが赤ずきんか?」
ノーマ「だからバラすんじゃないさよっ! そしてメモるなって言ってんさよ!」
ロレッタ「デリアさん、頑張らないと。ノーマさんばっかりがお客さんの心を掴んでるです。このままではプロ失格です!」
デリア「失格はヤだな! じゃあ、あたい頑張るぜ!」
――デリア、グーズーヤの元へ行く
デリア「何鮭食う?」
グーズーヤ「デリアさんに鮭勧められたっ!?」
愉快な仲間たち「「「いいーなぁー!」」」
デリア「お前らは鮭を飲め!」
愉快な仲間たち「「「無茶ぶりきたー!」」」
ロレッタ「……なんで幸せそうなんですかね、あの人たち……」
マグダ「……しっ。病気の人をそんな風に言っちゃダメ」
ノーマ「あんたが一番酷いこと言ってるさよ、マグダ」
グーズーヤ「デ、デリアさん! せ、折角可愛い服を着ているので、リクエストしてもいいですかね!?」
デリア「グーズーヤなのに?」
マグダ「……グーズーヤの分際で?」
ロレッタ「グーズーヤさん如きがです?」
ノーマ「あんたらっ! 曲がりなりにも、そのグー……なんとかは客なんさよ!? 失礼なこと言うんじゃないよ!」
グーズーヤ「……ノーマさんのが、一番堪えたっすよ……マジで」
デリア「それで、何してほしいんだよ?」
グーズーヤ「そ、その……あ、『あ~ん』を……」
マグダ「……出禁」
ロレッタ「調子に乗り過ぎるのはよくないです」
ノーマ「ヤシロとウーマロに報告さね」
グーズーヤ「わー! ちょっと待って! 冗談! 冗談ですからっ! い、今のなしで!」
デリア「いいぞ」
グーズーヤ「………………え?」
デリア「あたいはプロだからな! 客が望むなら、それくらいお安い御用だ!」
グーズーヤ「ホ、ホントですかっ!?」
デリア「あぁ。でも、……へ、下手でも、笑うんじゃねぇぞ」
グーズーヤ「もちろんですっ! 下手なのも可愛いですからっ!」
ノーマ「ちょぃと、デリア…………いいんかぃ?」
デリア「あぁ。こう見えても、意外と得意なんだぜ」
ノーマ「……まぁ、あんたがいいなら、いいんだけどさ……」
デリア「じゃあ、行くぞ」
グーズーヤ「お願いしますっ!」
デリア「ぁあんっ!?(物凄く怖い顔で睨む、所謂『めんちを切る』)」
グーズーヤ「ぎゃああっ!? 怖いぃぃーーーけど、そこがまた可愛いぃぃぃいいいんんっ!」
デリア「どうだ!? なかなか上手いだろう!?」
マグダ「……上手過ぎてかける言葉がない」
ロレッタ「謙遜の余地がないほどの迫力です」
ノーマ「ただ一つ。『そうじゃない』ってことを除けば完璧な『ぁあんっ』さねぇ……」
デリア「なははっ! 褒めるな褒めるな!」
マグダ「…………さぁ、今日は三人で頑張ろう」
ロレッタ「はいです! 力を合わせるです! 三人で!」
ノーマ「しょうがないさねぇ……しっかりやるさよ、三人で」
デリア「おう! 頑張ろうぜ、三人で! …………あれ? なんか足りなくねぇか? おい、みんな!? なぁ!?」




