【６２話後感想返し】ロレッタに絡むと……大火傷する
ジネット「ヤシロさん。ロレッタさんを無視しちゃ可哀想ですよ」
ヤシロ「いや、無視ではない。これは自己防衛だ」
ロレッタ「あたしと話しても危険なことなんてないですよ！？」
ヤシロ「ではロレッタ。エステラの胸を見て感想を一言」
エステラ「なんでボクにあからさまな地雷を寄越すのさ！？ ロレッタ、余計なことは言わなくていいからね！」
ロレッタ「分かってるです。お兄ちゃんに乗せられたりはしないですよ」
エステラ「ほ……よかった」
ロレッタ「そもそも、あんまりよく見えませんからね」
エステラ「黙視しにくい胸で悪かったねっ！？」
ロレッタ「にゃ！？ そういう意味で言ったわけでは……！」
ヤシロ「『わけでは』……？」
ロレッタ「………………」
エステラ「『ない』！ 『ない』って言って！」
ヤシロ「『エステラの胸は』？」
ロレッタ「ないですっ！」
エステラ「今じゃない！ 『ない』の出番は今じゃないんだよ、ロレッタ！」
ヤシロ「このように、こいつに絡むと大抵こっちが大火傷してしまうんだ」
エステラ「ボクだけだよ、大火傷したのは！？」
ロレッタ「でも、嘘は吐いてないです！」
エステラ「傷口に塩っ！？」
ジネット「いいですか、ロレッタさん。いくら真実と言えど、見聞きしたことをすべて誰かに話してしまうのはよくないことですよ。ロレッタさんが築き上げてきた信用が損なわれる可能性があるんですよ」
ロレッタ「……信用…………」
ヤシロ「築き上げてない場合は、ノーダメージだな」
ロレッタ「なんか得した気分ですねっ！」
ジネット「ヤシロさん！ 焚きつけないでください！」
ロレッタ「じゃあ、店長さんが毎日、本当に細かいところまで隅々掃除をしていることとか、楽しそうにお話をしていたこととか、言わない方がいいですね」
ジネット「あ、いえ……変なことでなければ、気にする必要はないんですよ。何もおしゃべりを禁止するつもりもありませんし」
ロレッタ「ホントですか！？」
ジネット「えぇ、もちろん」
ロレッタ「店長さんが、お兄ちゃんの蝋像を、なんかプロっぽい道具を駆使して毛先まで一本一本丁寧に掃除して、それでも納得出来ない時は、一体ずつ部屋に運び込んで、自分のベッドに寝かせて徹底的に汚れを落とし、その日の就寝時に、『あ、ハチミツの香り…………ふふ、ヤシロさんの匂いですね…………なんて……うふふ』って呟いていたこととかはしゃべっていいですね！？」
ジネット「なんで知ってるんですかっ！？ あ、いや、違うんです！ いえ、違わないですけど、とにかく違うんです！」
ロレッタ「そして綺麗になったお兄ちゃんの蝋像を中庭に返した後、「はい、キレイキレイ出来ましたね。よく頑張りました。いいこいいこです」と言いながら蝋像の頭を撫で、「あ、でも、綺麗と言っても、本当は可愛い方が強いんですよ、うふふふ……」って一人でほくそ笑んでいたこととか、しゃべっちゃってもいいんで……」
ジネット「しゃべっちゃってますよっ！？ もうすでに、全部、包み隠さずしゃべりきっちゃってますからねっ！？」
エステラ「……ジネットちゃん」
ジネット「ち、違うんです！ わたし、その、小さい頃にお人形遊びとか、したくてもお人形がなくて…………ですので、なんだか嬉しくなってしまって…………ぅわぁぁあああん！ 見ないでくださぁ～いっ！」
ヤシロ「……と、このように大火傷するから、なるべく絡まないようにしなければいかんのだ」
ジネット「……はい、分かりました。対ロレッタさん用自己防衛を許可します……」
ロレッタ「許可しちゃうですかっ！？ でも負けませんですよ！？ みなさんが絡みたくなるくらいにこっちからガスガス絡んでいくですので、覚悟するですよ！」
ヤシロ「……なんか、ウザさがレベルアップした感じがするな……」
