【101話あとがき】ヤシロ、ジンクスを守る
ヤシロ「ジネット、新しい靴を作ったぞ」
ジネット「ありがとうございます。早速履いてみますね」
ヤシロ「その前に……えい(靴を踏む)」
ジネット「何するんですか!?」
ヤシロ「新しい靴は、こうやって土をつけておかないと転ぶんだ」
ジネット「ジンクスというヤツですか?」
ヤシロ「あぁ。まぁ、そんなところだな」
ジネット「ヤシロさん、そういうの信じる方なんですね」
ヤシロ「まさか。ただの迷信だよ。いちいち信じてられるか。今回のはたまたまだ」
ジネット「他にはどんなジンクスがあるんですか?」
ヤシロ「夜口笛を吹くとお化けが来る」
ジネット「ヤシロさん、夜口笛を吹かれたことありませんよね」
ヤシロ「天井の四隅を順番に見て、最後に天井の中心をジッと見つめ続けるとお化けが現れる」
ジネット「ヤシロさん、あまり仰向けで寝られませんよね」
ヤシロ「窓に足を向けて寝るとお化けに引っ張られる」
ジネット「そういえば、ベッドの向き、変えられてましたよね」
ヤシロ「トイレに入る前に『お~い』と呼びかけると、お化けが返事する」
ジネット「それで、トイレのそばまで来ると急に無言になられるんですね」
ヤシロ「このように、取るに足らないものばかりなんだよ、ジンクスなんて」
ジネット「全部きっちり守られているように見えるんですが……」
ヤシロ「そんなことはない」
ジネット「お化けといえば……子供の頃、『夜、その場にいない人を大きな声で呼ぶと、お化けが来ちゃうから気を付けなさい』って、お爺さんに言われたことがありますね」
ヤシロ「なんでそれをもっと早く教えてくれないんだよ!? 俺、昨日、マグダを呼んじゃったじゃないか!」
ジネット「いえ、でも……これは夜中に子供が騒がないようしつけるための、お爺さんが勝手に作ったジンクスのようなものですから」
ヤシロ「ジンクスを舐めるんじゃない!」
ジネット「やっぱり、凄く信じてらっしゃるんですね、ジンクス……」




