【93話後感想返信】マグダ、ひんやりしたい
――陽だまり亭。深夜
ヤシロ「クソ、トイレに行きたくなっちまった。けどまぁ、室内だから怖くなんかないけどな……」
――ガチャ
――ドアを開けると、廊下にマグダが転がっている
ヤシロ「ぎゃああ!?」
マグダ「……ヤシロ。夜中はもっと静かにするべき」
ヤシロ「だ、誰のせいだ!? 何やってんだよ、こんなとこで!?」
マグダ「……暑くて、眠れない」
ヤシロ「だからって廊下に転がるな! 心臓に悪い!」
マグダ「……では、この暑さを解消させるべき」
ヤシロ「しょうがねぇな……じゃあ、怖い話でもしてやろう」
マグダ「……それで涼しくなる?」
ヤシロ「あぁ、涼しくなるさ。俺の国には『タクシー』っていう乗り物があってな……」
――消えた女の霊の話……
ヤシロ「で、振り返ると、シートがぐっしょり濡れていたんだ……」
マグダ「……へー」
ヤシロ「反応薄いな!? まぁ、いいや。俺はトイレに行ってくる」
マグダ「……一人で?」
ヤシロ「…………あの、マグダさん。一つお願いが……」
マグダ「……ヤシロだからしょうがない」
ヤシロ「面目ない……」
――ヤシロ、トイレを済ませる
ヤシロ「ふぅ……一時はどうなるかと思ったぜ」
――トイレから出ると、そこにびしょ濡れの少女が……
ヤシロ「ぎゃあああああっ!?」
マグダ「……平気、マグダ」
ヤシロ「おど、脅かすなよっ!?」
マグダ「……さっきのヤシロの話を参考に、びしょ濡れになってみた」
ヤシロ「どこを参考にしてんだ!?」
マグダ「……なかなか涼しい」
ヤシロ「こっちは背筋が凍ったわ!」
マグダ「…………凍った?」
――マグダ。ヤシロに抱きつく
マグダ「……ひんやり、しない」
ヤシロ「やめろぉぉ! なんか怖いいいいっ!」