【86話後感想返信】ツンデレなんだからねっ!
――陽だまり亭
ヤシロ「お~っす。おはようさん」
ジネット「おはようございます、なんだからねっ!」
ヤシロ「…………ん?」
マグダ「……おはよう、なんだからねっ」
ヤシロ「なんだよお前ら? 何があった?」
ロレッタ「別に何もないんだからねっ!」
ヤシロ「いや、完全に何かあったろ!? 何この統一感!?」
ジネット「先ほどレジーナさんがお見えになって、こういう本を置いて行かれたんですからねっ!」
ヤシロ「……またレジーナか」
――ヤシロ、ジネットから本を受け取り、中身を確認する。
ヤシロ「『これで彼もイチコロ・簡単女子力アップ術~ツンデレ編~』?」
ジネット「その本を参考に、キャラ付けをしてみたんですからねっ!」
マグダ「……参考にしたんだからねっ」
ロレッタ「女子力アップなんだからねっ!」
ヤシロ「いやいやいや……」
ジネット「別に、ヤシロさんのためにツンデレなんですからねっ!」
ヤシロ「まず、根本的に間違ってるからな、お前ら」
マグダ「……どこが間違っているんだからね?」
ヤシロ「それ! もう、それが大間違い!」
ロレッタ「そうです、マグダっちょ! 『なんだからね』の後には『っ』が必須ですなんだからねっ!」
ヤシロ「そんな細かいとこじゃねぇよ! もっと根本的に!」
ジネット「ヤシロさんは、『ツンデレ』に関してお詳しいんですからねっ?」
ヤシロ「あ~……まず、疑問文に使うな。要はアレだ。ツンデレってのは、スゲェ好きなのに嫌いな素振りをするヤツのことだ」
マグダ「……ウーマロは多分、キノコが苦手なんだからね」
ヤシロ「ん? なんの話だ?」
マグダ「……でもこの前、『マグダたんが作ったものは残すわけにはいかないッスー!』って、無理して食べてたんだからね」
ヤシロ「……あいつも大概だなぁ……」
マグダ「……ウーマロはツンデレなんだからね」
ヤシロ「うん、違うな。そうじゃない。本当は好意でやっていることでも、素直にそれを認めるのが恥ずかしくて『別にお前のためじゃねぇから』って言っちゃう感じだよ」
ロレッタ「なるほどです! それはつまりお兄ちゃんのことですねっ!」
ヤシロ「ん?」
ジネット「確かに、ヤシロさんは自分の優しさを包み隠してしまう謙虚なところがありますね」
マグダ「……納得。では、『ツンデレ』はヤシロに返す」
ヤシロ「いや、待て。俺は別にツンデレじゃねぇから!」
ロレッタ「おっ! さっそくツンデレ発言です!」
マグダ「……でも、足りない」
ジネット「ヤシロさん。語尾に『なんだからねっ!』、ですよ」
ヤシロ「やるか!」
ジネット・マグダ・ロレッタ「「「 『なんだからねっ!』 」」」
ヤシロ「別に……お前らの話に乗っかってやったりしないんだからねっ!」
ジネット・マグダ・ロレッタ「「「おぉー!」」」(パチパチパチ)
ヤシロ「……なんだ、これ? とりあえずレジーナ。あいつはしばらく出禁だ」