【８６話後感想返信】ロレッタ、代用品を考える
ヤシロ「おかしいなぁ……」
ロレッタ「どうしたです、お兄ちゃん？ 自分の性癖の異常さに今更気が付いたです？」
ヤシロ「え、なに？ ケンカ売ってんの？」
ロレッタ「何か探してるですか？」
ヤシロ「実は、服のボタンが取れちまってな」
ロレッタ「折角のセクシーアピールを見せつける婦女子を探してるですね！」
ヤシロ「ロレッタ、一回教会の洗礼でも受けてくるか？」
ロレッタ「何探してるです？」
ヤシロ「針と糸を探してんだが、見つからないんだよ」
ロレッタ「あ、それなら。店長さんが教会へ持って行ったですよ。子供たちの服を修繕するとか言ってたです」
ヤシロ「マジでか？ ……まいったなぁ」
ロレッタ「そんな時は、あたしに任せるです！ すぐに代用品を持ってきてあげるです！」
ヤシロ「そうだな。ジネットが戻るまでピンか何かで留めておけば……」
ロレッタ「持ってきたですよ！ ご飯粒です！」
ヤシロ「思ってもみないものが来た！？」
ロレッタ「これを潰してノリにするです。で、外れたボタンを服にペッタリくっつけるです！ ほら！ 針と糸が無くても服にボタンがくっついたです！」
ヤシロ「それじゃあ、ボタンを留めようとしたら取れちゃって、結局服が留められないだろう？」
ロレッタ「あぅ……そ、そこは、『今日の俺、セクシーだろぅ？』で、乗り切るです！」
ヤシロ「乗り切れるかっ！ 見栄えじゃなくて、ちゃんと服が留められる物を持ってこい！」
ロレッタ「あっ！ そう言えばいい物があったです！ ちょっと待っててです！」
ヤシロ「まったく……何考えてんだか……」
ロレッタ「お待たせです！ 持ってきたです、カニッ！」
ヤシロ「何考えてんのっ！？」
ロレッタ「カニを右の襟に付けて、反対側の襟を挟んでおいてもらうです！」
ヤシロ「そんなうまいこと行くか！」
ロレッタ「試す価値はあるです！」
ヤシロ「ねぇよ！」
ロレッタ「……えい」
ヤシロ「痛い痛い痛いっ！ 俺を挟んでるから、このカニッ！」
ロレッタ「おかしいですね？」
ヤシロ「……おかしいのは、お前だ！」
ロレッタ「しょうがないです。こうなったら最後の手段です！」
ヤシロ「いや、もういいよ。もうお前には頼まん」
ロレッタ「そう言わないでです！ 今度のは、危険も無く、きちんと服を留めておけるものです！ しかも低コストですぐにでも使用可能です！」
ヤシロ「そんなのがあるなら、最初からそれを出せよ！ じゃあ、それを使わせてもらうよ」
――数十分後
――ジネットが陽だまり亭に帰ってくる
ジネット「ただいま戻りましたぁ…………ふぇっ！？ な、何してるんですか！？」
――ロレッタ、ヤシロの背後から抱きつき服が広がらないように留めている
ロレッタ「代用品です！」
ヤシロ「……だめだこりゃ」
