【81話後感想返信】四十二区の生クリーム製造工程
――大きな樽の周りに、ロープでつながれたチーター人族の少年たち。
――走りたくてうずうずしている
チーターリーダー「まだだぞ~! まだ我慢だぞ~!」
チーターサブリーダー「ミルク入ったぞー!」
――樽の中に波々と注がれたミルク。
チーターリーダー「よぉし! それじゃあ、ガキどもぉ…………走れぇ!」
チーターっこ「「「「「「「「ぅわぁああああああいいっ!」」」」」」」」
――チーターっこ、一斉に全力疾走を始めるが、ロープでつながれているため直進してもグルグル回ってしまう。
――物凄い速度で回転する樽
チーターっこ「「「楽しいっ! 走るの、超楽しいっ!」」」
――樽の中で、生クリームがわっしょわっしょ出来ていく。
ヤシロ「これが、四十二区名物『わっしょわっしょ生クリーム』の製法だ」
エステラ「……あの、初耳なんだけど『わっしょわっしょ生クリーム』……」
ヤシロ「混ざってくるか?」
エステラ「絶対ヤだよ! 怪我じゃすまないもん」
ヤシロ「擦り傷は男の勲章だろうが!」
エステラ「残念だったねぇ……ボク、女の子なんだ」
ジネット「あ、あの。……あの子たちは辛くはないのでしょうか?」
ヤシロ「見てみろ」
ジネット「え?」
――ジネット振り返る
――無数のチーターっこが羨望の眼差しで走るチーターっこを見つめている
チーターっこ「かっけーなぁー!」
チーターっこ「ぼくも混ざりたいなぁ!」
チーターっこ「よぉし! 今日から毎日特訓だぁ!」
ヤシロ「な?」
ジネット「大人気、なんですね」
ヤシロ「そんな、子供たちが憧れて、なりたくてもなれない子がいるような、そんな夢のある仕事を……エステラは一笑に付したわけだ」
エステラ「そういう言い方やめてくれないかな!? ボクが悪者みたいじゃないか!」
ヤシロ「出たな、夢壊し魔神・ツルスットーン!?」
エステラ「『そういうごっこ遊びとかいいから』とか、言う前に……命名について話し合わないかい?」