【４５話後感想返し】ジネット作、オールブルーム・四十二区史［ネタバレ］
ジネット「ヤシロさん。歴史の教科書を作ってみました」
ヤシロ「なんでお前が？」
ジネット「エステラさんにお願いされたんです」
ヤシロ「……あいつ、頼む相手間違ってるだろう…………」
ジネット「確認していただけますか？」
ヤシロ「どれどれ？」
～オールブルーム・四十二区史～
春ごろ：ヤシロさんが陽だまり亭に初めて来店されました。
：それから、モーマットさんたちを助けるためにヤシロさんがゴミ回収ギルドを作ってくださいました。
：ヤシロさんは博識で、鮭というお魚さんが美味しいということを教わりました。
：凄いですっ！ 陽だまり亭がリュニューアルしました！ ヤシロさんの設計です！
雨季 ：ポップコーンって知ってますか？ 美味しいんですよ。これもヤシロさんが教えてくださいました。ヤシロさん、凄いです。
：わたしの大切なシスターが体調を崩されました。でも、心配いりません。ヤシロさんが薬剤師さんと交渉してくださりお薬を持ってきてくださいました。
：大雨の被害で子供たちが病気に……でも、ヤシロさんのおかげでみんな無事でした。ヤシロさんは神様の御使いなのかもしれません。
：ろ過装置と下水が出来ました。これでもう、大雨による災害は怖くありません。もちろん、これもヤシロさんのおかげです！
～結論～
ヤシロさんの言う通りにしていれば間違いはありません。
皆さんも、ヤシロさんの起こした奇跡の数々を学び、ヤシロさんのような人になれるよう日々勉学に励み、祈りを捧げてください。
ヤシロさんは、いつでもみなさんを見守っていてくださいますので――
ヤシロ「宗教かっ！？」
ジネット「ふぇぇえっ！？ ど、どこかおかしかったですか！？」
ヤシロ「どこもかしこもおかしいわ！ そもそも、なんでいちいち俺の名前が出てくる！？」
ジネット「ヤシロさんは、歴史に名を残される方ですから」
ヤシロ「残して堪るか！ こういうのは、『時の領主が下水を整えた』って書くんだよ！ これじゃあ、俺の歴史じゃねぇかよ！？」
ジネット「でも、下水を作られたのはヤシロさんですよ？」
ヤシロ「……エステラめ、こうなることを予想してジネットに頼みやがったな……俺を困らせてほくそ笑んでやがるのか……」
ジネット「とりあえず、これを決定稿として提出してきますね」
ヤシロ「よぉし……分かった。提出するがいい…………だが、その前に！ この歴史の中でジネットが勝負パンツのスケスケレースパンツを穿いていた日に丸を付けておいてやる！」
ジネット「にゃー！ ダメですよっ！？ っていうか、なんで知ってるんですか、そんなこと！？」
ヤシロ「俺は、お前の顔を見れば、今どのパンツを穿いているのかが分かる！」
ジネット「嘘ですよねっ！？」
ヤシロ「今は、薄ピンクのコットン地のヤツを穿いているだろう」
ジネット「当たってるじゃないですかっ！？ なんかちょっと怖いですよ、ヤシロさんっ！？」
――こうしてまた、歴史の一ページにヤシロの名が刻まれていくのだった……
