【79話後感想返信】ヤシロ「犯人は、この中にいる!」
パーシー「わぁぁああっ!?」
――悲鳴を聞きつけ、ジネットたちが集まってくる
デリア「どうした!?」
アッスント「こ、これはっ!?」
――ウーマロが食堂に倒れている
ジネット「きゃー! ウ、ウーマロさんがっ!」
マグダ「……近付いてはダメ! ……ヤシロを呼んでくる」
ロレッタ「……し、死んでるです?」
エステラ「まさか……そんなわけ…………」
ヤシロ「どうした?」
ジネット「ヤシロさん! ウーマロさんが!」
ヤシロ「これは…………」
――ヤシロ、ウーマロの口元に手をかざす
ヤシロ「…………息をしていない」
ジネット「……そんな…………」
ヤシロ「おまけに、ちょっと臭い」
エステラ「腐敗臭かい? とすると、死後一週間ってところかな?」
ロレッタ「そんなわけないです! 今朝、ウーマロさん倒れてなかったです!」
ヤシロ「第一発見者は?」
アッスント「それでしたら、彼です」
ヤシロ「パーシーが?」
アッスント「えぇ。私たちは、彼の悲鳴を聞いてここに集まったのです。ですよね?」
デリア「あぁ。そうだったぜ」
ヤシロ「けど、なんでパーシーが四十二区にいるんだ?」
パーシー「オ、オレは呼び出されたんだよ、このトルベックの棟梁に! 話したいことがあるからって!」
マグダ「……それで、カッとなって……」
ヤシロ「マグダ。それまだ早い。話があるでカッとなるヤツはそうそういない」
エステラ「なんの話だったんだい?」
パーシー「分からねぇんだよ。とにかく来てくれって……」
マグダ「……それで、カッとなって……」
ヤシロ「マグダ。もうちょっと待とうか」
パーシー「オレじゃねぇよ! マジだって! オレが来た時にはもう倒れてたんだ!」
マグダ「……それで、カッとなって……」
ヤシロ「マグダ。どうやら、そのセリフ、今回使いどころ無いみたいだぞ」
アッスント「事件性がないとすれば……病気……もしくは、過労……ではないでしょうか?」
ロレッタ「あ、それはあり得るです。ウーマロさん、ここ最近働きっぱなしだったですから」
デリア「あたいなら、二ヵ月くらい不眠不休でも倒れねぇぞ」
ロレッタ「では違いそうですね」
エステラ「いや……デリアを基準に考えるのはやめた方がいい」
ジネット「あの、ヤシロさん……」
ヤシロ「あぁ。分かっている」
――ヤシロ、一同を見渡してはっきりと告げる
ヤシロ「犯人は、この中にいる!」
全「「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」
ヤシロ「見ろ、ウーマロの指先を!」
――ウーマロの指が焼きおにぎりに突っ込まれている
ヤシロ「これは、ダイイングメッセージだ」
全「「「「「「「ダイイングメッセージ?」」」」」」」
ヤシロ「この焼きおにぎりが、犯人が誰かを物語っているんだ!」
エステラ「それで、犯人は誰なんだい!?」
ヤシロ「犯人は…………パーシー、お前だ!」
パーシー「なんで、俺なんだよ!?」
ヤシロ「第一発見者が一番怪しい!」
パーシー「焼きおにぎり、微塵も関係ねぇ!?」
ウーマロ「…………うっ! ごほっごほっ!」
全「「「「「「「――っ!?」」」」」」」
――ウーマロ、むせながら起き上がる
ウーマロ「いや~……焼きおにぎりが喉に詰まって…………死ぬかと思ったッス」
ヤシロ「ウーマロ、お前はもう、死んでいる」
ウーマロ「生きてるッスよ!?」
エステラ「なんだよ、ヤシロ! さっき息をしていないとか言ってたくせに!」
ヤシロ「そんなもん、素人がちょこちょこっと見ただけで分かるか!」
エステラ「なら素直にそう言えばいいだろう!?」
ヤシロ「一回言ってみたかったんだよ、『犯人はこの中にいる』って!」
エステラ「アホか!? アホなのかい!?」
パーシー「で?」
ヤシロ「なんだよ?」
パーシー「オレに何か言うことねぇのか?」
ヤシロ「…………メイクが決まってるな」
パーシー「謝れや、こら!」
ジネット「まぁまぁ。ヤシロさんも悪気があったわけではありませんので」
マグダ「……そう。完全なる悪ふざけ」
パーシー「なお性質悪ぃだろ!?」
ウーマロ「あれ、パーシー? なんでここにいるッスか?」
パーシー「はぁ? お前が呼んだんだろ?」
ウーマロ「いいや。呼んでないッスよ?」
全「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
パーシー「じゃあ、一体、俺は誰に呼ばれて……」
ヤシロ「ふふふ…………任せろ! 犯人はこの中にいるっ!」
パーシー「あんちゃんはもう黙ってろ!」