百鬼夜行の絆
もう三体目の陣淵が出来上がっていた。
そして作戦通り俺と姫乃達でほかの陣淵を足止めをしていた。
「陣淵オリジナル!お前の相手は俺だ!」
俺は陣淵を指さしながら言った。
陣淵は不気味な笑をしながら見下した目線で
「貴様に俺の相手はつとまらないよ」
挑発だと言うことは知ってはいるが俺はあえてその挑発に乗った
「ああ すぐに倒してやる!」
俺はさっき陣淵が弾き飛ばして足元に刺さった倶利伽羅を抜き、陣淵に向かって斬り掛かる。
「貴様の斬撃など私には通用しない!」
陣淵は再び土で棒を作り俺の攻撃を防いた。
防がれることは予想内だったから俺は攻撃を止めなかった。
陣淵は俺の攻撃すべて防御している、けどだからこそ気づかなかった。
後ろに大きな石がある事に
「貴様の攻撃もそろそろ飽きてきたな そろそろ反撃する 何?!」
俺は最後の一撃を重くしたせいか陣淵は少しバランスを崩して、丁度そこにその大きな石に躓き、隙が出来た。
「今だ!!」
俺は倶利伽羅を陣淵に振り下ろした。
が途中で何かに当たりそのまま止まった。
倶利伽羅を止めたのは紛れもなくさってまで姫乃達と戦っていた陣淵の二人目だった。
だけどなぜだけさっきとちょっと違う気がした。
具体的に言うと目だ。
さっきは死んだ魚の目をしていたが、今は生気がある目をしている。
「おい オリジナル貴様が死んだら俺達も消えるから気を付けておけ」
「やっと自我が生成されたか」
「どういうことだ?!」
「少しずつ自我も生成されるみたいだにゃ」
「うわ?! なんだ小春か」
後ろにいつのまにか小春たちが来ていた。
「さっきあいつの戦ってる時に突然どっかいってさ オリジナルを守るためだったとはね」
「「「お頭!俺達やりましたああああ」」」
すると百鬼夜行の勝利の叫びが聞こえてきた
そこには泣きながら勝利を分かち合う俺の仲間が居た。
俺は一目でその涙の訳を知った。
そう勝利を勝ち取った喜びもあるだろうけど一番はやっぱり仲間がいっぱい死んだことだろう。
短い間だけど一緒に戦った仲間を目の前でたくさん死んで行った。
「お前ら!!!」
俺の声で残った百鬼夜行は皆俺の方へ向いた。
「お前ら!本当によくやった!」
少し間をおいて俺は再び声を発した。
「これからはもっともっと過酷な戦いが待っている!お前らなんてアリみたいに簡単に潰されるかもしれない! だからもうこの場から逃げたいやつが居れば今の内に逃げろ! 残った者は俺と最後まで戦ってくれ!」
一人の足音が聞こえた。
その一人の足音につられてだんだん足音が増えてきた。
「お頭何言ってるんっすか? ここまで来たら最後まで付き合いますよ! なぁお前らも同じなんだろ?」
「もちろんお頭についていく 死など恐れない」
「もうここまできたら最後まで付き合うのが筋ってもんよ!」
「私はもとからそのつもりでしたよ」
そこには前見かけたいかにも強そうな妖怪が立っていた。
その後ろにはさっき残った者全員、戦意が籠った瞳で俺を見ていた。
「ありがとう・・・・皆・・・」
俺は改めて陣淵の方を見た。
「「「ようやく貴様の無駄話が終わったか」」」
「ああ 行くぞ!皆!!」
「「「「「「おおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」




