陣淵現れる
「おいおい いくらなんでも早すぎるだろ」
「ああ 大天狗様には少し未来予知の力があるからね だからイフリータや海神が負けることはわかっていたんだよ そして貴方がここに来ることも予知してた」
「つまり待ち伏せしてたって事か」
「まぁ簡単に言うとそうなるかな?」
「チッ!」
俺は即臨戦状態に入った。
「おっと今日は貴方と戦いに来たんじゃない ただの挨拶だよ」
「挨拶?」
「そう 今の貴方と戦ってもすぐに殺してしまうからね だから仲間が回復したらこっちから挨拶にしにいくよ」
そういいながら子供は森の中へ消えた。
しばらく俺は警戒していたが本当に仕掛けてこないことがわかって俺は肩の力を抜いた。
「そろそろ帰ろうかな」
俺は自分の家へ向かった。
「ただいまー」
「龍太 おかえ・・・・」
「姫!もう大丈夫なのか?」
「ええ もう大丈夫 それより龍太その目どうしたの?」
「目がどうしたの?」
姫は俺の手を引いて洗面所の前にやってきた。
「え?」
俺の目が黒から薄い黄色に変わっていた。
「龍太何かあったの?」
「わからないけどさっき姫が居た湖までランニングしに行ってそこで青く光る石を見つけた ちょっとした好奇心で触ってみたらなんか力が湧いてきた」
「龍太・・・・それは竜昇石だよ・・・・」
「竜昇石?」
「そう それは竜の末裔の力を無理やり底上げする石」
「無理やり?」
「うん それは純粋な竜の妖力を閉じこめた石 普通の妖怪が触れば一瞬で消え去るから私達妖怪の間では祓妖石ともよばれてる その石には竜の末裔しか触れられない 触れたら竜の妖力が体に流れ込み無理やり力を増す」
「な なるほど・・・」
「ちなみに龍太が使っている倶利伽羅もその竜昇石によって作られたものです しかし刀匠や鍛刀地は不明です」
「へぇ~」
「それより龍太」
「なんだ?」
「これからは物の扱いに気をつけて」
「??」
「無理やり力を増した竜の末裔は力の加減がわからなくなるから」
「ああ わかった」
「あそうだ 龍太最後にひとつ」
「なんだ?」
「その石を見かけても使わないで欲しい」
「なんでだ?」
姫は悲しい顔で言った
「何代前かその石を使いすぎて暴走して竜の末裔が居た そして、大天狗を倒してもなお暴走し続けて結局妖力が尽きて死ぬまで結界のなかで暴れていた」
この話を聞いた俺は黙々と頭を上下に振った
「わかったもうその石を触らないことを誓おう」
「ありがとう 龍太」
とりあえず俺は洗面所から出てリビングに入った。
そして、リビングには空狐以外の全員が揃っていた。
みんなが俺の目に注目していた。
後ろから入ってきた姫がみんなに説明してくれた。
そして、説明が終わり最初に切り出したのは俺だった。
「なぁみんな聞いてくれ 今日ランニングの時に四天王のトップ鎌鼬に会った」
「ちょっと早すぎない?!」
「そうですね やけに早いですね」
「今はちょっとまずいにゃん・・・」
「それが今日は何もしなくて帰ったよ みんなが回復し終わったら襲撃してくるって言っていた」
本当かどうかはわからないけど本当だと信じたい・・・
「それと大天狗に少し未来予知ができるらしい」
「それってもし大天狗と戦うことになったら一撃も当てられないって事じゃない!」
「今それをいっても仕方がないにゃん まずはその四天王のトップを倒さないといけにゃいし・・・・」
「とりあえずみんな注意を怠らないで」
「わかった」
「はいにゃん」
「ええ わかったわ」
「陣淵様 竜の末裔の前で四天王のトップだと告げました」
「ああ じゃ少し待ってから挨拶に行こうか」
忍者服を着た無表情な男がそう言った
「はい」




