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空狐生還



俺の前にイフリータが立ち塞がった。

「龍太!」

「無事にゃんか?!」

そのときに姫乃と小春の声が聞こえた。

「くるな。。逃げろ。。。」

「貴様の仲間か 雑魚がどのぐらい集まっても雑魚のままだ!」

そう言ってイフリータが姫乃たちに疾走していった。

「何?!」

「にゃ?!」

小春と姫乃は簡単に吹き飛ばされてしまった。

壁に叩く付けられて2つのクレータ

「くっそおお!」

俺はなんかとよろよろで立ち上がった。

「ほう まだ立ち上がるのか!」

そして、イフリータが再び炎の剣で俺に斬りつける。

俺は搾り出した力でイフリータの攻撃を受け流し続けた。

「いい加減楽になれば?」

イフリータの剣が一段重くなった気がした。

「くっ!」

そして、剣の早さも増しって行った。

「はああ!」

イフリータの剣がいきなり光りだし、刀身も増した。

そして、それを頭の上に立てて、俺に向かって振り下ろした。

「焔の剛剣!」

逃げようにも今の速さじゃ避けることができない

俺は残り少ない妖力を剣にこめて真正面から受けた。

剣と剣が衝突した瞬間俺は壁に弾き飛ばされてしまった。

「ぐはっ」

壁と衝突し、そのまま地面に倒れこんだ。

「やっとくたばったか竜の末裔よ」

「くっ・・・」

一目で満身創痍だってわかるのに俺は立ち上がろうとした。

だが全身に力が入らなかった。

「もう楽になれ」

そういいながらイフリータは炎の剣を俺の心臓に向かって刺してきた。

俺は静かに目を閉じた。

今度こそ本当に死ぬんだと俺は思った。

前みたいにご先祖様の声も聞こえない。

「はっ!」

イフリータは力強く剣を俺の体に刺した。

と思ったが痛みがなかなかこなかった。

俺は少し目を開けると真横に炎の剣が刺さっていた。

「これ以上龍太さんを傷つけたくない!」

「?! 空狐?空狐なのか?!」

「くっ! 空狐貴様どうやって出てきた!」

「イフリータだと?」

どういうことだ?

イフリータと空狐の声が一度に聞こえてくる

俺は少し頭を上げた。

理由は簡単だった、空狐の体は今二つの魂が取り合っている。

幸いさっき空狐に戻ったから剣は俺の心臓じゃなくて地面に刺さった。

「空狐! イフリータに負けるな!」

「はい・・・りゅうたs」

「空狐ごときにこの私は敗れん!」

「龍太さん1つ賭けがあります!」

「なんだそれは?!」

「それは」

「空狐!この体から出て行け!」

イフリータがそう言った瞬間、空狐の体が翠の炎に包まれた。

「浄化の炎! 龍太さんこっちにきてはいけません もし失敗したら私は灰となるでしょ

でももし成功したらイフリータを追い払うことができます!」

「おい!なんだよそれ!失敗したら空狐お前も死ぬんだぞ!」

「わかってますでもこうでもしなければ龍太さんが先に死んでしまいます!」

「くそ! もう時間はない竜の末裔よ こうなったら貴様も一緒に道連れにしてやる!」

イフリータは俺の腕を掴もうと少しずつこちらに歩いてきた。

そして、俺に触る直前に腕の動きが止まった。

「龍太さんには指一本触らせません!」

そして、翠の炎が大きくなり炎の中から断末魔の声が聞こえた

「うああああああああああああ」

「龍太・・・さん・・」

消えてしまいそうな声で空狐は俺の名前を呼んだ

「空狐!」

俺は空狐の名前を呼んだが返事はなかった。

しばらくして炎が少しずつ消えていった。

炎の中から一糸も纏わぬ、空狐の姿があった

「空狐!よく成功させた!」

俺は泣きながら空狐の体を抱えた。






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