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海神反撃開始~2~

次の日も姫は朝から調子が悪かった。

「なぁ姫 今どんな感じだ?」

「わか・・らない」

「そうか・・・」

もう何度も繰り返して質問してるけど、帰ってくる答えは必ずしもわからないという答え。

「そうだ 昨日姫乃達が飲んだ空狐の秘薬を飲めば治るじゃないか?」

「昨日・・・もう飲んだ・・・」

「そ そうか・・・」

俺は静かに姫の部屋から出て階段を降りた。

ソファに姫乃達が座っていて、キッチンには朱音と朱音のお母さんが居た。

「おはよう龍太君昨日はよく眠れた?」

「ええお陰様で良く眠れました」

「家が工事で大変ね」

「いえ そんな事は・・」

「それじゃ朱音と一緒に学校へ行ってきます」

「ええ いってらっしゃい」

俺は姫乃の方に外に出てと目でサインを送った。

姫乃は俺の意図を理解したように俺の後ろに付いてきた。


外に出るとやっと姫乃が喋りだした。

「ふう やっと喋れるよ!」

「なぁ 朱音のお母さんには姫乃が見えないだろ?」

「そのはずだよ お母さんあまり霊感とか強くないと思うから」

「朱音それは違う 朱音に私が見えるならその母親も意識すれば私達妖怪を見れるよ」

「だからずっと黙っていたのか」

「そう」

話すこともなくしばらく沈黙が続いた。

「龍太―私になんか用があるんじゃないの??」

「あっそうだ あのさぁ前回俺達プールに行ったじゃん その時に会った俺の友達の倉田 裕貴って覚えてるか?」

「あー うん覚えてるよ」

「あいつさぁ なんていうかお前に惚れたらしい だから一回お前と出かけたいだって」

「ごめん私には好きな人がいるって言っておいて」

「あ ああわかった」

あまりにも即答だったからちょっとビックリした。

それにしても姫乃の好きな人って誰だろう?顔が少し赤いから嘘だとも思えないし・・・

「龍太― 姫乃と話おわった? 早くしないと遅刻するよ??」

「ああ わかった じゃ姫乃学校行ってくる」

「いってらっしゃーい」


そして、俺は学校に着いた後裕貴に姫乃には好きな人がいると教えたら酷く落ち込んでいた。

それ以外は特に何もなく放課後を迎えた。

「朱音 姫の様子が気になるから早く帰ろう」

「わかった 私も心配だからね」

途中俺の家の前を通るから思わず自分の家を見た。

すると、そこにはボロボロになった家ではなく、十分住めそうな家があった。

「なんだこれ?! 俺の家はボロボロのはずじゃ?!」

「龍太さん お帰りなさい 私の部下に家直すように指示しました」

「くーこちゃんすごい!」

「いいえ 私の力ではなく私の部下の力です」

「あはは くーこちゃんは相変わらずクールだな」

朱音の母さんには家が工事中という理由で泊めてもらっている。

でもその時はただ泊めてもらうのに一番いい言い訳だからという事だったが本当に工事中だったとは・・・

「ありがとうな 空狐」

「い いいえ 礼には及びません」

デレてる空狐も可愛かった。

「じゃ朱音の家に行って皆を呼ぼう」

「龍太くんだけで呼んで来てください 私は用事があるのでこれにて失礼します」

「あ ああわかった」

あれ?今くんって呼ばれた?いつもの空狐ならさんって呼ぶのに呼び間違いか?

まぁいいや今は早く朱音の様子が見たい。


「朱音の家に誰もいなくてよかった」

「おかしいなぁー?普通ならお母さんが居るはずなんだけどな?」

「朱音のお母さんならさっき出かけたよ?」

「なら食材の買い出しだにゃ!」

「うん 確かにその時間だね」

「じゃ俺姫を背負ってくよ」

「わかった」

階段を上がり、姫の部屋に来た。

「姫 入るぞ?」

ドアをノックしながら部屋に入った。

「おーい 姫?」

呼びかけても返事しない。

ベットを見ると目を閉じてる姫が居た。

俺は姫の肩を揺らした。

「おーい 姫起きろー」

どれだけ揺らしても一向に目覚める気配がない。

「おい! 姫!?」

するといきなり姫が目覚めて言った

「早く 海神さまの所へ行かなければ」

「海神? 海神って誰だ?」

「・・・・」

姫は俺の顔すら見ないでドアの方に向かう

「おいってば!」

俺は姫の腕を掴んだ。

「邪魔するものは排除する!」

姫の手にいつのまにか氷の刀が握られ、俺の腹部を狙ってきた。

「っ?!」

俺は姫の腕を離し、後ろへ飛んだ。

その隙に姫は走って家から出た。

「龍太何があったにゃ?! 姫がすごいスピードで走って行ったにゃよ?!」

「わからない でも姫の様子が変だ俺が話しかけても反応しないし、体に触るといきなり氷の刀で俺の腹部を貫こうとした」

「龍太は大丈夫?」

「ああ 俺は大丈夫だ それより姫がどこかに行ったの知りたい」

皆黙り込んでしまった。

誰も姫の行先なんで知らない当たり前だ・・・・

「龍太さーん?」

下から空狐の声がした俺は下に降りた。

「なんだ?」

「さっき姫さんがすごい勢いで森の方へ走って行ったの見ましたけどあれなんですか??」

「本当か!」

俺は思わず空狐の両肩を掴んだ。

「え ええ本当ですよ」

森・・・姫・・・・そうか!あの黒い服の野郎の仕業か!!あいつの名前が海神だったらすべて説明がつく!

「待ってろ姫 今回こそあの声を頼らずにあの黒い服を着た男を倒してやる!!」

「私も行く!!絶対姫を助ける!!」

「私も行くにゃん!」

「龍太さん なんかわかりませんけど私も行きます!」

「わ 私は・・・行っても邪魔になりそうだから家で待ってるね・・・   ちゃんと帰ってきてね 龍太・・・」

「ああ! 必ず姫を連れて戻ってくる!」

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