四天王現れる
「おはよー」
「おはよう」
いつもと同じ朝の挨拶を交すクラスメイト
なのに俺はなんとかく落ち着かない
「龍太? 朝からなんか変だよ?」
「うん? そうか?いつも通りだと思うけどなぁ 気のせいじゃないか?」
「うーん そうかな?」
今はまだこのモヤモヤが何なのかはわからないから朱音に話しても心配させるだけだな。
「それにしても空狐は一体どこ行ったんだ?」
昨日のキス騒動が終わったら用事があると言ってどこかへ行ってしまった。
「さぁ?」
まぁ朱音に聞いても当然わかるわけもなく朝の予鈴が鳴った。
昼休みに裕貴が目をキラキラしながら俺の傍に来た。
「なぁなぁ 龍 あの話はもうしてくれたか?」
うん?あの話って・・・あっ! 姫乃と話がしたいって言ってたな。。。
やべぇ忘れてた・・・
「あー えーと すまん 忘れてた・・・」
下手に嘘をつくより本当の事を話す事にした。
「龍ーーーーー!」
泣きそうな声で俺に縋り付いてきた。
「お おい裕貴絶対に聞いてあげるから離れろ!」
さっきから何人かの女子がこっちを見ながら黄色い声を上げている。
いわゆる腐女子だ。
「きゃああ いいわすごくいいわ! 神谷くんと倉田くんコンビいい!私の予測だと神谷くんは責めだわ!」
「いや 案外倉田くんが責めかもしれないわね」
お前らの頭どうなってんの?!
「龍 早くしてくれ 俺楽しみしてるから!」
「「「きゃあああああ」」」
ああもうあいつらまた勘違いしやがったな!
よしここは
「わかった なるべく早く姫乃に聞いてやるよ」
「姫乃?女の子の名前?!」
「ああ 助かる!」
そのまま裕貴はどこかへ行った。
すると後ろから残念そうな声が上がった。
「ええー つまんないの〜」
よし!これで俺達は普通の友達と証明できた!
時計を見ると後10分でつぎの授業が始める時間になっていた。
俺は急いで弁当箱を出して中身を胃に掻き込んだ。
あっという間に放課後になった。
「朱音 急いで帰るぞ!」
「え? どうしたのそんなに急いで?」
「朝からなんか変な胸騒ぎするんだよ」
「じゃ急いで帰りましょうか」
こうして俺らは帰路に着いた。
家に着くと俺の目に飛び込んできたのは半壊した家の姿だった。
結界を張っているせいで一般人にはわからない。
「なんだよ・・・これ」
「うそ・・・」
「姫達は?!」
俺は急いでボロボロになった家へ駆け込み一階を探し回ったがその姿は見つからなかった。
二階へ上がるとそこに倒れた小春と姫乃がいた。
「おい! 大丈夫か?」
俺は少し小春と姫乃の体を揺らした。
「り りゅうた・・・ 黒い・・・男が姫を・・・・助けてたければ・・・私がいた洞窟に来いって」
「わかった もうしゃべらなくていい」
「あいつは・・・強いにゃん」
そこに朱音がきた。
「二人共大丈夫?!」
「大丈夫じゃないかも・・・」
「私も動けないにゃん・・・」
二人は苦笑いしながら何とか言葉を発していた。
そして、俺の怒りも我慢の限界に達していた。
「朱音はこの二人を安静な所で休ませて 俺は姫を攫った黒い男ってやつをぶっ飛ばしてくる!」
「ダメ! せめて・・・私を連れていてにゃん」
「ダメだ! それにお前傷だらけだろ きちんと休め」
そう言い残し俺は記憶を頼りに姫乃がいた洞窟に全力で向かった。
「ここだ」
洞窟についた俺は周囲を見渡したが人影が見えなかった。
つまり洞窟の奥に来いという事だと俺は理解した。
「絶対にぶっ飛ばしてやる!!」
「顕現せよ、倶利伽羅!!!」
そのまま洞窟の奥に向かって走り出した。
洞窟に入ったしばらく経った時に周りにいやな妖気が体に纏わり付いてきた。
それを無視しながら俺は洞窟の最深層に着いた。
「私をどうするつもり・・・?」
弱ってる姫の声が聞こえた。
「姫!!」
「龍太・・・ こいつと戦っては・・・ダメ・・・」
まるで緊張の糸がきれたように姫をは気を失った。
「おや? どうやらネズミが一匹入り込んだみたいですね」
そこには黒いフード付きの服を着ている男がいた。
「てめぇ!姫を返せ!!」
「それはできません なぜならこの川姫は僕に従う忠実な妻になるように俺が調教しないといけないのだからな!」
もう俺はやつの話を聞きたくなかった。
既に俺の怒りが限界なのに今の話を聞いたらもう殺す以外考えられなくなった。
「死ねぇええええ」
俺は黒い男を思いっきりぶった斬った。
しかし、斬った感触がなかった。
「何!?」
「君の攻撃は僕には届かないさぁ」
その直後男の体いつくもに分裂して俺に遅いかかって来た。
「一つ教えあげようと僕は大天狗様にお使えする四天王の一人だ お前みたいなやつに僕は破れないよ?フフフ」
男の余裕な笑い声が聞こえた。
そして、なぜだかわからないけど俺は視覚と聴覚を奪われた




