新たな敵
「これは?!」
俺はそのプールの近くに来た。
すると普通じゃありえないほどの妖力を感じた。
そしてその妖力の元は間違いなくこの水だ。
そう考えてるうちに意思を持っている水がこっそり俺の足元まで来ていた。
「めんどくさいな!」
今は結界もない状態で他の客も見ている。
俺は妖力で身の回りに薄い妖力の膜を作り、一気に増大した。
やがて、それはこのプール施設を覆うほどの大きさになった。
「ふうにこれで結界完成! さてこいつをどうやって倒そうか。。。」
相手はあくまでも水だから打撃や斬撃は効かないはず。。。
なら空気を真空にするとか?しかし真空にしたところで水にダメージを与えるわけでもない。。。
「クソ!早くしないと裕貴が窒息死しちまう!」
そんな時に後ろから声がした。
「龍太 何があったの?」
「姫!」
そうだ!姫は川姫だから水を自由に扱える!
「姫あのプールの水がいきなり人を捕獲し始めたんだ!」
「これは!?」
「どうしたの姫?」
「この水は強力の妖怪が操っている 遠距離で操れる妖怪は私と同じかそれ以上に強い妖怪。。。」
「じゃ姫はこの水を操ることができない?」
「できるけど・・・時間がかかる 後ここからだとちょっと遠いから近くに行かないとだめ」
「わかった 近くにまで行ってそこで攻撃されても俺が防ぐ」
「わかった」
俺と姫が少しずつ操られた水に近づいて行った。
後15mというところで気づかれて攻撃を仕掛けてきた。
「龍太 5分・・・ いや3分だけ攻撃を防いて!」
「ああ わかった」
「顕現せよ 倶利伽羅!」
何もない空間から一振りの剣を握って姫の前にたった。
そして、念のため空気を圧縮し、透明の壁を作った。
「さぁ来い!」
後ろですでに姫が何かを唱えている。
水は幾つも分裂して無数の鞭になりそう一斉に俺を攻撃してきた。
前回竜の逆鱗を使ったから動体視力は以前と全然違った。
俺は避けられる水の鞭はなるべく避けて、どうしてもギリギリの鞭は倶利伽羅で切っていた。
「やっぱり斬撃は効かないか」
俺が切った鞭は次から次へと再生を終わらせ再び俺に襲ってくる。
「クッ」
その鞭が体に当たり、痛みで思わず顔をしかめた。
避け続けてついに動きが止まった。
よくやったなと声をかけようとした時に一本の鞭が俺の首元を狙ってきた。
「?!」
俺はとっさに反応出来なくて、目を瞑った。
「ん?」
いつ経っても痛みが襲ってこなかった。
目を開けると鞭が首元に当たる手前で止まっていた。
「龍太大丈夫?! 」
「ああ 大丈夫姫のおかげで助かった」
「ならよかった」
俺は水に囚われていた人達をみんな地面に寝かせた。
姫はホッとして溢れていた水を全部プールに戻した。
「あ!!!」
「ど どうした龍太!?」
いきなり大声を出したせいで姫が驚いてしまったらしい。
「この人達がみんな溺れてたから・・・人工呼吸しなとダメだよね・・・」
「それなら心配ない この水は人の精気しか吸収してないから」
という事はみんなが気を失ってる原因は精気を少しでも吸われたからか・・
俺は結界を解いた。
横で寝ている人達は次々と目を覚ました。
「あれ?私確か何かに襲われた気が・・・」
一人の女性が言った。
ピーポーンパーポーン
「この度のプールでの演出はいかがでしたか?もし気に入れば次もまた起こしくださいませ」
姫乃の声だ! 今度の事を演出として片付けるらしい。
「演出だったんだ よかった」
「演出にしてはちょっとやりすぎじゃね?」
「ちょっと刺激がないと面白くないじゃん」
「まぁ確かにそうだけど・・・ まぁいいか」
とみんな納得してくたみたい。
「さて小春のところに帰るか」
「うん」
席に戻ると姫乃と朱音とさっきまで気絶していた小春が座っていた。
「おかえりー」
「龍太おかえり」
「おかえりにゃん」
「ただいま」
「さてピーチバレーに行こう!」
「そうだな 行くか」
そのまま俺達はピーチバレーし終わった後に帰宅した。
「今日は充実した一日曜日だったなぁー」
そういいながら枕に頭を預けて目を閉じた。
この時俺はあの事件があんなことにつながるとは思いもしなかった。
時間を遡って龍太が気を失ってる小春を看護してる時、プール施設の外に怪しい男がいた。
「ここに大天狗様の邪魔をしようとするやつと反逆者達がいるのか あ~めんどくさい」
男は地面に手をついて目を閉じて呟いた。
「水よ 我に従え 我に忠誠を誓え!」
男は目を開いた。
「水よ 竜の末裔の知り合いと民間人から精気を吸い上げろ」
この男は知っている竜の末裔がお人好しということ、囚われてる親友を助けない訳がない。
「まずお前達の力を試してもらうよ にしてもめんどくさいなー まぁ水が勝手にやってくれるからいいか」
ニヤリと男が笑った。
そして、少し時間が経って姫が水を操った時に男は再び声を出した。
「み~つ~け~た~ 僕の生涯の伴侶 僕の妖力が8分の1も交じってるあの水を3分で操った これ以上の女はいないな」
男は獲物を見つけたような目で姫を見つめていた。
「今回はここまでにしよう でも次は必ず僕の物にしてやる」
そういいながら何処かへ去って行った。




