裕貴が一目惚れ?!
さて、何から遊ぼうか・・・
というか何して遊べばいいんだ?やっぱり最初はウォータースライダーに乗るべきか?それとも別のとこかで遊ぶか?
「最初にウォータースライダーに乗ろうよ!」
そう考えてるうちに姫乃が提案してきた。
一人除いて皆賛成だった。
「水・・・嫌いにゃん・・・」
すると姫乃が小春の耳元で何かを言うと小春が乗る事に決めた
「わかった じゃ誰が龍太と乗るかジャンケンで決めよう!」
「うん いいよ」
「公平なルールだ 負けても恨みっこなし」
「そうだにゃん」
声がちょっと震えながら小春もジャンケンに参加していた。
「「「「最初はグー ジャンケンポン!」」」」
姫→チョキ
姫乃→グー
朱音→チョキ
小春→グー
「やったにゃん!」
「あとは小春との勝負だ~」
テンションが上がってきた二人に対して姫と朱音はというと
「負けた・・・」
「せっかく龍太とウォータースライダーに乗れるかもと思ったのに運悪かったよぉ・・・」
テンションが下がりまくっていた。
「「最初はグー ジャンケンポン!」」
小春→パー
姫乃→グー
「私も・・負けた・・・」
姫乃も少し落ち込んでいた。
そこで俺はこんな提案をしてみた。
「なぁ皆ウォータースライダーに乗り終わったらそこで砂浜でビーチバレーしない?」
このプール施設には人工の砂浜がある。水嫌いの小春でも遊べる場所だ。
「おお 賛成―」
「私もいいと思う」
姫と朱音も首を縦に振った。
そして、俺達はさっそくウォータースライダーに向かった。
ウォータースライダーの下に着いたが、思わぬ人物と遭遇した。
「いっらしゃいませー ウォータースライダーいかがですかー?」
「よぉ 裕貴」
「うん? おお龍ゃねぇか」
「お前ここでバイトしてたんだな」
「ああ ここ意外と・・・・・」
「うん?どうした裕貴?」
「龍よ・・・」
あれ?ちょっと声のトーンが低くなった??
「お前いつの間にそんな女たらしになった?!」
あ!今俺の後ろに水色の髪の毛の姫と幼馴染の朱音、背が大きくないからロリ巨乳と間違われたと思われる小春、そして、艶やかな黒髪を持つ姫乃が居る!!
「あ! 裕貴くん ここでバイトしてたんだ」
「おお朱音ちゃん その水着似合ってるぜ」
「ありがとう 裕貴くん」
「龍太~ この人だれ?」
「ああ この人は俺のクラスメイトの倉田裕貴で俺の親友だ」
「そうか 私は姫乃だ よろしく えーと倉田くん」
姫乃は俺の前に出て裕貴にあいさつするといきなり裕貴が胸を押さえだした。
「ああ よろしく」
なんか一気に元気がなくなった、するといきなり俺の腕を掴み少し離れた場所で止まった。
「お おい? 裕貴どうしたんだよいきなり?」
「龍・・・ 俺やっちゃったよ・・・」
「何をだよ?」
「一目惚れってやつ」
「・・・へ?」
今一目惚れって言った?!学校で何人かの女子に告られてそれを全部フったあの裕貴が一目惚れ?!?!
「だーかーらー 俺はあの姫乃って子に一目惚れした・・・」
「マ マジで・・?」
「ああ マジだ その子が俺の名前を呼んだ時にハート型の矢に打ち抜かれた感じがしたんだ!」
あれ?じゃさっき胸を押さえたのは気分が悪くなったとかじゃなくて、一目惚れしたからなのか?!
「だから頼む龍! 俺とあの子が会話できるチャンスを作ってくれ!」
「あ ああわかった」
あまりにも真剣だったから断るのも気が毒で思わず了承した。
「本当か!ありがとう!!」
まぁ話ぐらいなら姫乃も了承してくれるだろう。
「龍太 早く行こうよ!」
話がちょっと長すぎたせいで姫乃がちょっと機嫌を損ねたようだ
「じゃ俺行くわ これ以上待たせるとちょっと怖いしな・・・」
「ああ わかった」
俺は急いで姫達の元へ帰った
「ごめんお待たせ」
「龍太遅いにゃん さっき覚悟決めたのにだんだん怖くなってきたにゃん・・・」
「大丈夫 俺が居るからな」
と言いながら小春の頭を優しくなでる。
小春はうるうるになった目で俺を見ながらありがとうと小さな声で言った。
他の3人にも今の会話が聞こえたらしくちょっと機嫌を損ねた。
「ねぇ姫ちゃんと姫乃ちゃん ビーチバレーで本気出そうね」
「はい もちろんです」
「私はもともと本気を出そうかなーって思ってたよ?」
うーん・・・ビーチバレーがとてつもなく危険な気がしてきた。
「さてじゃ行きますか!」
ウォータースライダーの一番上まできた。そこで初めて小春が高所恐怖所だって言うことが分かった。しかし、次が俺と小春の番だ。
小春は震えていた。
「小春大丈夫だよ後ろ俺につかまってれば大丈夫だから」
俺はなるべく小春を慰めた。
そしてついに俺達の番が来た。
ボードに乗ってアルバイトと思われる若い女性がいってらしゃーいと満面の笑顔で俺達の背中を押した。
最初は緩やかなものだったが、だんだん速度が上がってきた。
小春が何か言おうとした瞬間に一気に速度があがり、小春の悲鳴が響いた。
「にゃああああああああああああ」
20秒ぐらいで下にすべり落ちたはずなのに、俺の体感時間が2分にも感じれた。
小春はというと過激すぎて気を失てしまったらしい。
今は横になってゆっくりと休んでいた。
姫達には小春の事は心配しないで遊んできてって言ったから今頃いろんなプールでも回ってるのだろう。
すると突然、1つのプールから悲鳴が上がり、プールに居た人たちが皆慌ててプールから出てそして、そのプールから離れた。
視線をそのプールに向けると水がまるで意志をもってるように人を水の中へ引きずり込んでいた。
「あれは?!」
その中に裕貴が居た。
待ってろよ今助けると心の中で呟いて、俺は駆け出した。




