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one of the zillion ~アルス戦記~  作者: 粋生
第1章 奴隷と賢獣と人造精霊
24/24

23話

倒した妖魔のラクリマを拾い、俺達はベリーに先導されるまま次の部屋へと移動する。


そこには先程の妖魔が5体いたが、なんなく撃破。いやが上にも俺のテンションが上がる。


「なあ、すまないけど次からはみんな妖魔には手をださないでくれ。」


「ん?なんでじゃ?」


「いや、ちょっと出てくる妖魔が弱い階層のうちに、ある程度この装備を使いこなせる様になれておきたいんだ。いいかな?」


「そうねぇ。まあ、今の装備ならアンタ1人でも問題ないんじゃない?でも一度に多くの妖魔が出た場合は私達も手を出すわよ。」


「つまらんが、しかたないの。」


「あぎゃぁ。」


「わるい。助かる。そんじゃ、そんな感じで頼むな。」


そうして、さらに次の部屋へと意気込んで乗り込んでみたが妖魔は現れず、さらに次の部屋で現れた。


「喰らえっ!!!!!!」


俺は妖魔が現れるとすかさず両手を挙げてバンバンと破邪弾を撃ちまくった。当然、即全滅。


「派手にやるわねぇ。」


「まあな。さっ、ラクリマを拾ったらガンガンいこう!」


(ふっふっふっ、レベル0の俺がこんな無双ができるなんて夢にも思わなかった。いつもはザコとはいえあの数を1人でやるにしても、こんな圧倒的に倒せることはなかった。やばいっ!うれしすぎるっ!今日から俺の最強無敵の無双がはじまるんだっ!)


そんな喜びと感動を噛み締めつつガンガン進んでいくと、あっという間に2階層へのポーターがある場所に出た。


「あれ?いくらなんでも、見つかるの早すぎない?」


「あぎゃぁ?」


「ん~、やっぱベリーの野生の感というか第6感が働いているとかかな?さすがは破邪の竜のベリーね。」


「あぎゃぁ!」


「・・・いや、わらわもきっと竜形態ならできるぞ?・・・」


「そんじゃ、このまま2階層へ行きますか。」


「・・ほんとじゃぞ?・・しんじてたもれ?・・・」


そうして間に昼食を挟み


「オラッオラッオラッオラッ!!」


「いっくぞ~おりゃぁ~」


「うわっはっはっはっはーーーー」


もうノリノリで1人で無双をしつつ、今日一日で5階層まで一気に走破した。

やっぱりベリーの勘はかなりの確立で当っていたみたいだ。道にも迷わず最短ルートだったんじゃないだろうか?


そして地上に戻り出口改札口をでる。


「最初だけで、つまらんかったのじゃ・・・」


「わるい、わるい、つい調子に乗っちゃって。まあ、明日からは1人で戦わないでみんなでちゃんとやろう。」


「ほんと、調子に乗りすぎよ。そんなんじゃ下の階層へ行った時、痛い目みるわよ。」


「わかってるって。今日だけだよ。」


そんなことを話しているとすぐにカウンターへ着き、ちょうど空いていたみたいで買い取り用の鑑定室へと入っていった。

そして今日取得したラクリマと俺とチョコのカードとチームカードを渡し、勘定を待つ。


「本日はありがとうございます。それでは、ラクリマのお値段は全部で433Lになります。どのように分配なさいますか?」


「全部チームカードへお願いします。」


(チョコに渡しても、どうなるかわかったもんじゃないしな。普通の生活に慣れるまではお小遣い制にしよう。)


「わかりました。・・・では、カードをお返しいたします。」


「どうも。あっ、そうだ。エナジースタンドってどこにあります?」


「あちら正面ロビーに戻りまして右手側にございます。」


「ありがとうございます。」


「いえ。またのお越しをお待ちしております。ありがとうございました。」




「433Lって、どんなもんなのかの?」


「そうだなぁ、俺たち4人分の食費1、2日分ってところかな?」


「それだけなのかぁ。」


「けっこうな数を倒したのにの。」


「まあ、ラクリマの値段は1階層なら1L、2階層なら2Lって階層ごとに値段が決まっているし。最初だけだよ、儲かんないのは。正直、魔獣を狩りに行った方が一度の儲けはでかいけど、俺らのランクじゃなかなか実入りのいい魔獣の依頼は廻って来ないからなぁ。フリー指定の魔獣ならいつでも狩りにいけるけど、泊りがけとなるとこっちの生活に慣れてからの方がいいしなぁ。」


「あぎゃぁ。」


「おっと、ここか。行き過ぎるところだった。そんじゃ、ちょっとラクリマにエナジー補給してくるわ。」


「うん。あっちで座って待ってるから。」


「わかった。すぐ行く。」


エナジースタンドルームに入って、ラクリマを渡す。


「はい。ご利用ありがとうございます。10Eにつき5Lとなりますので、合計1230Lになります。」


「・・・・・・ハッ?」


「いえ、ですから1230Lになります。」


少し考えてみればあたり前である。シロウのレベル1の破邪弾はラクリマのエナジーを一発5E使用する。たとえレベル4のラクリマでも・・最低レベルの破邪弾をたくさん撃てても・・弾切れを起こさなくても・・無双ができても・・・経費は別である。


「・・・・・・そういえば調子にのって無駄にたくさんぶち込んでたっけ・・・エナジー代を調べるの忘れてた・・・」



本日の稼ぎ・・・・・・433L


バス往復代・・・・・・・20L


4人分食費・・・・・・315L


エナジー補給代・・・1230L



しめて、-1132Lなり。



(・・・・・・赤字だ・・・・・)



・・・・・・俺は、ロビーで土下座した。




*************



気を取り直して・・・


俺達の朝はまず起きたら位牌にお香をあげることからはじまる。


これは創生神殿にいた時に習い、奴隷から解放された翌日から毎朝あげている。

なんでも1万年前に創生神殿がそれを採用したらしい。


元は異世界人達の中のヤマト国の風習で、死者の魂・・・奪ったり、食した命、連綿と連なる先人達のお陰で今こうして生きていられるのだから、それに感謝し、魂の安らかな鎮魂をお祈りするというものだ。現代日本では線香を一本あげているが、この世界では小さな円錐のコーンを3個三角形の形にして置いている。これは三貴神に因んでいる。他にも色々な意味を言っていたが・・・


ヤマト国の供養の風習を改良して神殿は取り入れた。神の想いに即しているから・・・らしい。もっともそこまで普及には至ってはいないのだが・・・


まあ、そういう訳で俺達は毎朝起きたらお香をあげて手を合わせる。元日本人の俺としては違和感はないのだが前世では家に仏壇などなかった為、こうして毎朝するのは今世で初めてだったりする。チョコも何か思うところがあるのか、アイラの教育の為にも一緒にするようになった。うん、いい事だ。位牌には個人の名前ではなく”有縁之霊位”と書かれている。


こっち側に元日本人がいるって事は、元いた世界の妖怪や魔物と謂われていたものは妖魔や魔獣だったのかもしれないなぁ。


異世界人の人達は故郷に帰りたかっただろうが、数百年数千年にあるかないかの天災みたいらしく行き来は出来ない。それに巻き込まれる事もそうそうないとの事。

ただ、異世界人はなぜか最初から身体能力、霊力などが強いらしい。しかし異世界人がこちらで子供をつくると、その子供は普通なのだそうだ。ああ・・・もし俺が転生じゃなく生身でこちらに来ていたら・・・こんなに苦労する事もなく、無双とかしてたかもしれないなぁ・・・もっとも異世界人という事で、結局あの研究所に拉致られていただろうけど・・・


さて今日の朝飯もステーキだ。美味しくいただきますか。




昨日の失敗を教訓にして、今日も迷宮に入る。昨日の続きである5階層からだ。


「今日も頼むな、ベリー!」


「今日こそ頼むわよ、シロウ。」


「きょうこそ稼いでおくれ、父。」


「あぎゃぁ。」



・・・・・・昨日に引き続きベリーに先導してもらう。


GWも今日で終りですね

また、しばらく忙しい日々が続きますので執筆がとまります

楽しみに読んでいただいてる方、申し訳ございません。

時間にゆとりができましたら、少しづつ書いていきますので

よろしくおねがいします。

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