1話
「「「ギャアアアアァアアァァァァァァ!!!!」」」
魔獣達が悲鳴の雄叫びを上げ一斉に四方に逃げ出す。あたり前だ。最狂の龍が狂乱のかぎり暴れだすのだ。俺も全力で逃げ出したい・・・が
(動けッ!動けっ!動けっ!動けぇぇぇっ!!!)
最初の古龍の咆哮とブレスを間近にし、体がいうことを利かなくなってしまった。
その間妖魔達は同じ様に身動きできなくなった魔獣や兵士達、さらには古龍にまで攻撃をしかけ続ける。太古の昔、邪神が造りし妖魔は生ある者をひたすら殺戮しつづける擬似生命体ともいうべき存在だ。妖魔に逃げるという意思はない。
「ゴオオオオォォォゥゥ!!!!」
古龍が急速旋回し地面すれすれの超低空飛行で疾走し、その巨大なアギトを開き、目の前の獲物を一気に腹の中へと納めていく・・・こっちに向かいながら・・・
「死んで、たまるかぁぁぁぁぁ!!!」
目の前で死が迫ってきた瞬間、体の強張りが一瞬でとけ剣を抜く。そして全力でいつものように龍の口の中へと飛び込んでいく。古龍の呼気と舌と喉の動きに翻弄されながらも、それにうまく力をのせカウンターの如く喉の奥へと剣を突き刺す。
「ギャアアアアアアアアァァ!!!!!」
古龍が一際大きな咆哮を上げ暴れだす。喉元にいた少年には堪ったものではない。鼓膜は一瞬で破裂する。しかし既にアドレナリン全開で痛みはなく、振り回される上下左右のGに耐えるためひたすら強く剣の柄を握りしめる。
(絶対に離すもんかアァァ!!!!)
古龍が痛みで頭を振り回し吐き出そうと暴れまわる。剣が刺さった場所は古龍が暴れれば暴れるほど傷口が広がっていくが、ついに古龍の勢いに剣が抜け反対側の壁面へと吹き飛ばされる、が大きく吹き飛びバンドした力を利用しさらに別の場所へと剣を突き刺す。
(死んでたまるかっ!死んでたまるかっ!死んでたまるかっ!死んでたまるかっ!)
(ううぅぅっ・・どれ・ぐらい時間が・たった・・?意識が朦朧として、視界もぐちゃぐちゃだ・・・はやく・・たおれて・くれ、もう・・げんかい・・・)
しかしだんだん視界が晴れ意識もはっきりしてくる。
(んん・・ゆれが・・おさまって・・いる・・?たおし・・たのか・・?)
うつ伏せに横倒れながらも自分の右手を確認すると、剣がしっかりと握りしめられていた。
「ははっはっ・・・たすかったぁ・・生きてるぞぉ・俺・・」
すぐそこから明かりが漏れている。おそらく龍の口がある場所なのだろう。そちらへとゆっくりと這い蹲りながら進んでいく。剣は手を放そうにも、強張り握りしめたままだ。
「外にでたら速攻寝るぞ。って、まだ妖魔が残ってたらどうしよ?」
龍の牙の隙間からなんとか体を乗り出し外を見回すが、妖魔の姿は見えないのを確認したら力尽きた。
(もう・・いいや・・・布団干し・・みたいな・かっこ・だけど・・ここで寝ちゃお・・・だれも・みて・・な・い・し・・・)そこで間抜けの格好のまま意識を手放す。
そんな姿を六つの瞳がすぐそばで見ていた。
消えた分をなんとか1話分また書き上げた。
二度手間はキツイ・・・
しかも、機能がまだよくわからず、大丈夫かな?