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one of the zillion ~アルス戦記~  作者: 粋生
第1章 奴隷と賢獣と人造精霊
15/24

14話

翌日、朝食を済ますと大神官から俺とチョコにそれぞれハンター用の服が出来上がったから着てみてくださいと言われ二人して着替える。

五分袖の上着に首元まで覆う体にフィットしたインナー、そしてパンツ。クリーム色の一見簡素な作りのものだ。


「その服の生地は神官戦士が着用する物と同じ物です。障壁の術式にも対応していて素材もミスリル製ですので、その辺のアーマードよりも防御力は上です。これからのハンター活動の力になってくれるはずです。」


「よろしいんですか?こんな高価な物を頂いても?」


「はい。ある程度は保障すると申し上げましたでしょう。」


「ありがとうございます。」


「それと申し訳ありません。急ぎ仕立てあげましたので同じデザインで作らさせていただきました。でも、お二人でチームを組んでハンターをするのでしたら、逆にそのような方がよろしいかもしれませんね。」


「かなりの高性能ですし、頂けるだけでもありがたいです。」

(正直デザインは派手じゃなければ、どうでもいい。)


「ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」

チョコも特に気にすることもないようだ。


そうして今度は俺達だけで工房へ向かうなか・・・・・・


(どうしようっ!これってペアルックよねっ!?よねっ!?たしかデータでは恋人同士の物の筈っ!?しっ、しかも特に仲の良い二人しか着用しないといわれているものよねっ!?キャーッ!!そんなっ!?わたしっ!?ありえないっ!?でもっ!?どうしようっ!?)

実はなにげに仮面の下で顔を赤くして、妙な常識データをもとにパニクるチョコだった。


「ようやく来たわい。頭部の方は終わっているぞい。それとこれじゃ。」


そういって二つの指輪を差し出す。


「特に強力な龍の角からはオーブがとれる。龍の霊力の塊じゃ。特にこれは属性はないが他についづいを許さない龍珠じゃ。それをブルーホワイトリングに融合させたものじゃ。元来ブルーホワイトは破邪の魔法を研究してできあがった亜流の力、破魔の力を宿したものじゃったが・・・これは破邪の力まで高まっておる。ワシも驚いたわい。」


「・・・凄いっ!」


そうして自分の両手の中指に嵌めあらためて見ると、透明な青いリングの中で光りの粒子がチリチリと舞い塵、輝いている。ブルーホワイトも見た目は同じ様なものだが、これは若干幅が広く作られ色も輝きも増している。

先日ベリーが一万年振りに破邪の力を手にしたが、くしくも俺も手に入れてしまったらしい。


「・・・・・・そうだった。それとあちらの部屋を借りてもいいですか?」


「ああ、構わんぞい。」

そうしてベリーに角と牙を抜かれた古龍の頭部を一旦ストレージしてもらって、隣りの部屋に運び入れる。


「いったい何をするんじゃ?」


「な~に、ちょっとした仲間を増やそうと思ってね。」


「ゴーレムでも創るのかの?しかしお前さんの力じゃ無理でわないのかの?」


「創るのはゴーレムじゃない。人造精霊だ。創るというより、転生魔法かな?古龍の魂を呼び戻し精霊としてあらたな存在に創りかえる。たぶん禁術扱いになるかもな。それとこの魔術式にエナジーはたいして必要ない。」

そういって俺は自分のIDカードを取り出し龍の口の中に置く。そしてアルス協会に渡さなかった術式の込められたラクリマを自分のチョーカーにセットし術を発動させる。


龍を中心に床に巨大な魔法陣が浮かびあがり輝きだす。


「この魔術は様々な条件が整わないと発動しない。まず、最低レベル千以上の者を1人で倒し、カードに吸収した力を使用する。

そしてもう一つは倒した相手の遺体の一部を用意すること。

そして最後に倒してから初七日以内に、魂が安定しあの世へと旅立つ前に術を発動させること。

因みに術者がたいしてエナジーを必要としないのは、発動させれば自動的に倒した相手の霊力や魂の力が遺体に宿り、そのまま遺体が分解し別次元へと移行する時に発生する位置エネルギーの奔流を利用している・・・らしい。」


「らしいってなによ?」


「・・・いやぁ、俺にはさっぱりわからないんだけど・・・ようするに火を起こす為に薪やら落ち葉やらを用意して、火が点きやすいように積み上げて、後はちょっと火打石を擦れば火が点いたっ!って感じなんじゃない?」


「・・・まぁ、そっちの例えの方がわかりやすいわね。」


「・・・オマエさん、よくそんなあやふやな魔術・・・しかも禁術を使う気になったの・・・おまけに、なんでこんな術式を持っているんじゃ?」


「まあ・・・お偉方の荷物持ちだったからね・・・。でも、本来この魔術って使い道ないんだよね。だいたいレベル千を単独撃破って無茶だし、例えレベル千を倒したとしても普通、取得したエナジーは自分のレベルアップにつかうでしょうが。それに、自分の配下として置きたいならわざわざ倒さんでも隷属の首輪を使えばいいだけだし、はっきりいって無駄魔術だ。

まあ、レベルの上がらない俺にはちょうどよかったけど・・・(それに・・・・・・)」


「・・・じゃろうな。」


ちょうど話に一区切りがついたところで光が一点に収束していき、術式が今まさに完成し人造精霊が生まれようとしていた。


「・・・戻って来い・・・竜王・・・戻って来い・・・このまま死ぬんじゃない・・・」

俺は理不尽な願望を押し付ける。



そしてひときわ輝き、思わずみんな目を瞑り・・・再び目を開けるとそこに・・・・・・



「ん?」


「ん?」


「ん?」


「あぎゃぁ?」


そこにはなぜか・・・竜の姿ではなく・・・・・・金色の髪を膝近くまでまっすぐに伸ばした・・・真っ白な肌に・・・碧眼・・・愛らしい顔立ちの整った・・・女の子?・・・・・・というより・・・・・・・なぜが・・・・・・2本の足でしっかりと立つ・・・・・・





『ん?』






・・・・・・首をかしげる・・・赤ん坊がいた・・・・・・

やっと・・・

やっとメインキャラが揃いました・・・一文字だけのセリフの登場ですが・・・



戦闘描写をご期待の方は今しばらくおまちください。もうまもなくです。


しかしモンスターの名前とデザインが思いつかん・・・

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