第4話 初期都市テラノア(チュートリアル③)
ついに最初の都市に到着します!
しばらく歩くと、城壁に到着した。
「……は?」
思わず足が止まる。
視界いっぱいに広がるそれは、もはや“壁”なんて言葉で済ませていいサイズじゃない。
見上げても上が見えないほどの高さ。
横にどこまでも続く巨大な石の塊。
「いやデカすぎだろ……。」
遠くから見えてた時もヤバかったけど、近くで見るともう意味分からん。
これが初期都市とか、スケール感どうなってんだよこのゲーム。
「これ初期都市で合ってる?」
〈 合ってます 〉
「マジかよ……。」
門もまた異常にデカい。
人が何十人並んでも余裕で通れる幅。
そのまま、門をくぐる。
「……うわーすっげぇ。」
ざわめき。
人の会話の声。
鍛冶屋の金属音。
肉が焼けた匂い。
立ち並ぶ屋台街の景色。
「思った以上に"街"じゃん。」
クオリティたっっっっっっか!?
ほんとまじアステラシャード。やってるわ。
「これがゲームってまじぃ?」
にしても人多いな。
「この中のどれがプレイヤーなんだ?」
〈 視認のみで契約者とそれ以外を判別することはできません 〉
「あ、そなの?」
〈 はい、現実で視認だけでその人の人となりが判別できますか? 〉
「できません、ハイ。」
〈 ご説明しますが、この世界において人は大きく二つに分類されます 〉
〈 契約獣を持つ者、“契約者” 〉
〈 そして契約獣を持たない者、“献上者”です 〉
「……献上者?」
〈 契約獣を持つ権利を神へ献上した者たちです 〉
〈 彼らは契約を持たない代わりに、この世界を支える役割を担っています 〉
「へぇ……。」
「それって判別する方法あんの?」
〈 ありません 〉
「えぇ~......」
ファーストインプレッション難しすぎるじゃん......
そんなこと考えてると、横からいい匂いが漂ってくる。
「……ん?」
視線を向けると、小さな屋台。
串に刺さった肉が焼かれてる。
「兄ちゃん!どうだ、腹減ってないか!焼きたてだぞ!」
「減ってるけど、これ何の肉?」
「ホーンラビットだな!今朝仕留めたやつだ!」
「え、あいつ肉ドロップするのか??」
「何言ってんだ?生き物なんだから肉は手に入るだろ。」
いやいやいや、さっき手に入りませんでしたが??
は、差別ですか?
「ま、まぁいいや。へいお兄さん、ハウマッチ?」
「一本15ダラーだ!」
「じゃあ2本。」
「おうよ!」
串を受け取る。
「キュ?」
「お前は食えないだろこれ。」
とりあえず一口。
「……あ、美味い。」
香草焼きに近い風味がする。
バジル使ってるなこれ、臭みもないから血抜きも上手ってのが分かるし、
何よりこのタレ、うっまいなぁ。
「お兄さんメッチャ旨い、また買いに来て良いか?」
「あったりまえじゃねぇか!何なら肉持ってきてくれりゃ、安くするぜ?」
「商売上手なこった。」
「ㇵッ!!あんちゃんも腹減ったらまた来いよ!」
調子がいいことで。
にしてもうまいなぁ (´◉ω◉` )ジイィィ
なんぼでも食えるこれ (´◉ω◉` )ジイィィィィィィィィィィィィィィィ
................むっちゃ視線感じるんだが。
「キュ(´◉ω◉` )……。」
ルクスがじっと見てる。
「……いやいやルクスさんや、さすがにこれは――」
〈 契約獣への栄養補給は重要です 〉
「え。」
〈 戦闘を担う存在である以上、適切な栄養管理も契約者の役割となります 〉
「いやでも契約獣だぞ?」
〈 関係ありません 〉
「マジかよ……。」
〈 契約獣であれ、生物とは変わりありません〉
ルクスを見る。
「キュ。」
なんかちょっと不機嫌そうに見えるの気のせい?
「……欲しいの?」
「キュ(´◉ω◉` )」
さっきより圧がある。
「いや、でもなぁ……。」
少しだけ迷ってから、串を差し出す。
「ほら、ちょっとd「キュ!」ぁけ.......」
ぱくっ。
「キュー!!」
「お、おぉ。」
普通に食った。
しかも。
「キュ……キュ!」
なんかちょっとテンション上がってる。
「おいしいよな、わかる、わかるぞ~」
〈 契約獣の食性は個体ごとに異なります 〉
「そりゃそうか。そこは現実の生物準拠か?」
〈 基本的にはそうですが、例外もございます 〉
そんなもんか。
視線を感じたので、もう一口分ルクスに渡す。
「まぁでもそうか、生き物だもんな。」
「キュ。」
さっきより機嫌は良さそうだ。
【契約獣について知識を深めました】
パッパラー
《 全プレイヤーにアナウンスいたします 》
《 ただいまより、全プレイヤー及び契約獣に対して空腹システムを実装いたします 》
《 詳しくは補助AIより説明を受けてください 》
「............は?」
空腹システム?
ステータスを確認する。
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【ステータス】
バツ Lv2
空腹度:80%
HP:----
MP:84
SP:76
STR:18
VIT:18
INT:14
MND:14
AGI:23
DEX:12
LUK:10
BP:0
LP:4
スキル
鑑定、サーチ、アイテムボックス、逃走、生存本能
━━━━━━━━━━━━━━
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【契約獣情報】
名称:ルクス
種族:小竜系
レベル:2
空腹度:74%
契約適合率:94%
信頼度:低
HP:108
MP:84
SP:76
STR:18
VIT:18
INT:14
MND:14
AGI:20
DEX:12
LUK:10
スキル:
火爪 Lv1
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「うわホントに実装されてる」
〈 空腹度は0になったらMP及びSPが回復しなくなり、スキルや魔法のクールダウンが2倍になります 〉
「めっちゃ大事やん。」
てかそれよりも、
「……さっきちょっと不貞腐れてたよな?」
「キュ?」
「いや絶対そうだろ。」
まぁいいか。
「これからちゃんと分けるわ。」
「キュ!」
その様子を見て、少し笑う。
そんなこんなで石畳の大通りを進むと
目の前にそびえたつはギルドっぽい建物。
「お、あれじゃねーか?」
人の出入りも多い。
明らかに拠点って感じの空気。
「ここがギルドかー、テンプレって起こるのかな?な??」
〈 以降は施設内案内となります 〉
「むっちゃ無視するやん。」
〈 私はこれより補助AIの会議がございますので、後程またお会いしましょう 〉
「へいへい、あ、ルクスって一緒でもいいのか?」
〈 契約獣は基本的に1体は召喚状態を保つ義務がありますので、問題ございません 〉
「りょーかい。」
そのまま扉を開けて中へ入る。
――ひっっっっっっっっろ。
「……思ってたよりでけぇ……。」
入って正面には受付、右手側には酒場、左手には素材買場所。
で、受付左横の広いスペースは、ありゃ掲示板か?
そこは紙じゃないんだな。
2階へ行く階段もあるし、外観通りの広さだなこれ。
「いらっしゃいませ!契約者ギルドテラノア支部へようこそ!」
「初めてのご利用でしょうか?」
「あぁ、そうです。ここにくればチュートリアルがあると聞いた(実際は聞いてない)のですが、お姉さんでよろしいでしょうか?」
「あ、魂魄契約者の方々でしたか!!ここで問題ありませんよっ」
「ん?魂魄契約者?」
また知らない単語が、ファーブリーに聞くことがどんどん増えていく......
「それでは、ここギルドについてご説明いたしますね。」
「この契約者ギルドでは、ギルドランクシステムにより、様々なサービスを行なっております。
「クエスト受注及び依頼作成代行、素材買取、酒場や宿舎もございます。」
「まずはお客様の基礎情報をギルドにご登録いただき、ギルドランクを発行いたします。」
「お客様のお名前と種族、また、契約獣のお名前と種族をお教えください。」
バツ、竜人系、ルクス、小竜っと。
「ありがとうございます。ただいまギルドランクを発行中ですので、その間に続きをご説明いたしますね!」
その後も説明が色々あったが、まとめるとこんな感じだ。
①クエスト受注は受付左にある掲示板から自分のランク+1までの範囲で選択可能
②クエスト受注時は受付にて受諾処理を行なうこと
③クエスト完了後は必ず受付にて完了報告を実施すること
④クエストに失敗した場合、決められたペナルティが課されること
という感じ。細かいとこはまぁ、都度確認しよう、うん。
覚えきれませぬ。
「お待たせいたしました!こちら、ギルドランク認定証でございます!」
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【ギルド証】
プレイヤーネーム:バツ
種族:竜人系
ランク:カッパー
契約獣:
①ルクス(小竜)
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おぉ、いい、なにがとは言わないがすごくいい。
「こちら、お手にされた時点でバツ様の魂と接続されますので、携帯なさらなくても自由に出し入れ可能でございます。」
「また、クエスト受付や素材買取等で確認するときは特殊な魔道具で確認いたしますので、出す必要もありません。ランク更新のみお出しいただきますが、基本的には提出を求められたときにお出しいただくだけで結構でございます。
「そんな感じなんですね。ってかまたここでも魂。」
やっぱ根幹だよな魂。
「それでは、バツ様はチュートリアルとしてここにいらっしゃったということでしたので、まずはこちらでチュートリアル用のクエストをどうぞ!」
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【クエスト】
クエスト名:薬草の納品
依頼主:契約者ギルド(常駐依頼)
内容:
ポーション原料として使用する薬草が不足しています。
薬草を10個納品してください。
達成条件:
薬草 0 / 10
達成報酬:
経験値:100
ダラー:50
失敗ペナルティ:
なし
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「……ちゃんとしてんな。」
てか薬草10個??
ポーチから薬草を取り出す。
「もう持ってたんだけど、これで大丈夫ですか?」
「本当ですか?確認いたします。」
一瞬の間。
「……はい、問題ありませんね、納品完了です!」
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【クエスト達成】
薬草納品:10/10
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「……え、もう終わった?」
ちょっと得した気分。
「では、次にこちら行ってみましょう!」
次のクエストが表示される。
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【クエスト】
クエスト名:邪魔者ホーンラビットの討伐
依頼主:契約者ギルド(常駐依頼)
内容:
街道周辺に出現するホーンラビットによって、
往来の安全が脅かされています。
対象を規定数討伐し、被害の抑制に協力してください。
達成条件:
ホーンラビット 0 / 5
達成報酬:
経験値:150
ダラー:80
失敗ペナルティ:
なし
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「お、今度は討伐依頼か。」
ルクスを見る。
「キュ!」
「やる気十分だな。」
さっきの感覚を大事にすれば5体くらい余裕だな。
「それじゃあ行ってきます。」
「あ、行ってらっしゃいませ!完了受付も私のことろに来てくださいねー!」
ギルドを出る。
「行くぞ、ルクス。」
「キュ!」
..........ぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!
「っ!?何!?」
「よ、避けてくださいっスー!!!!!」
「gruaァァァァアアアアア!!!!!」
なんか巨体と巨漢が突っ込んできてるー!?
最後、いったい誰マッチョなんでしょうか。
いやーわかりませんねぇ~(すっとぼけ)
そして、魂の重要度はもう少し先です。
必ず語ります。
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