第2話 チュートリアル①
「冒険、始めるか。」
そう呟いて踏み出した一歩目。
その瞬間、足元の石畳が淡く光る。
【チュートリアルを開始します】
「お、来た来た来た……!」
やっぱはじめはチュートリアルか~。
いいねこの感じ、“始まった”ってやつだ。
その直後――
〈 バツ様の思考補助領域へ接続しています 〉
――っ!?
「ちょ、待て待て! なんだ今の!?」
〈 あなたの脳に直接語り掛けています。案内補助AI、ファーブリーです 〉
「こいつ、直接俺の頭の中に……!?」
ネタも網羅してるのかよこのド天然AI。
思わず頭を抱えた。
「びっくりするだろ普通!」
〈 Tips要因としてチュートリアル中は思考補助接続が有効化されています 〉
「先に言えって!」
〈 今お伝えしました 〉
「そういう意味じゃない!」
〈 ? 〉
「おい。」
なんでお前がハテナマークやねん。
……まぁいい。
【初回チュートリアルを開始します】
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契約者の入門儀式
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【スキル習得を行います】
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LP:20
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〈 LPはスキル習得に使用するポイントです 〉
〈 消費量はスキルの希少性および習得難易度によって変動します 〉
〈 その他の習得方法も存在します 〉
「おぉー、チュートリアルっぽい。」
目の前に選択肢が並ぶ。
「んー、プレイヤー自身は戦闘できない、となると......」
「一旦こんな感じかな。」
【スキルを習得しますか?】
「はーい。」ぽちっ。
その時、バツの頭の奥に知識が流れ込んでくる。
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【スキル情報】
名称:鑑定
レアリティ:一般
分類:支援
消費SP:15
効果:アクティブスキル
クールタイム:30秒
対象の情報を取得するスキル。
非敵対時は詳細情報を確認可能。
ただし、レベル差によっては確認制限がかかる。
敵対状態の対象には制限がかかり、名称・種族・レベル・契約適正・危険度のみ表示される。
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【スキル情報】
名称:アイテムボックス
レアリティ:一般
分類:支援
消費SP:0
効果:パッシブスキル
取得したアイテムを収納する空間を展開する。
思考操作により出し入れが可能。
戦闘中は使用不可。
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【スキル情報】
名称:サーチ
レアリティ:一般
分類:支援
消費SP:5
効果:アクティブスキル
クールタイム:60秒
周囲の生命反応および魔力反応を感知し、
10秒間、敵対存在の位置を完全把握する。
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【スキル情報】
名称:逃走
レアリティ:上級
分類:補助
消費SP:10
効果:アクティブスキル
クールタイム:90秒
スキル発動後30秒間、移動速度と回避性能を上昇させる。
敵からの離脱成功率が上昇する。
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【スキル情報】
名称:生存本能
レアリティ:上級
分類:常時発動
消費SP:0
効果:パッシブスキル
危険察知能力を常時向上させる。
致命的状況に対して回避行動を補助する。
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LP:20 → 1
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〈 習得を確認しました 〉
〈 ......バツ様はチキンハートの生存特化構成です 〉
「おい急な暴言やめろ。」
〈 合理性の評価です 〉
「言い換えても失礼なんだよなぁ。」
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【スキル使用チュートリアル】
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〈 スキルの使用方法は、使いたいスキル名を発声または意識することにより使用可能です 〉
〈 意識して使用する場合、使用対象なども意識することにより精度が向上します 〉
〈 なお、スキルの使用にはSPを、今回バツ様は習得していませんが、魔法を使用する場合はMPを使用します 〉
なるほどね。
〈 また、SPまたはMPが0になった場合、動作制限が発生します 〉
「どんな制限かかるんだ?」
〈 それはなってから体験してください 〉
「職務放棄はんたーい。」
〈 いいからスキルを使ってみてください 〉
ちぇー。
「なんだっけ、使いたいスキル名を発声または意識する。」
「サーチ。」
――ゾワッ。
脳内から波が広がるみたいな感覚。
視界そのものが広がるような、不思議な感覚が走る。
「あ、これ分かるわ。こえぇ、すげぇな。」
多用しすぎると酔いそうだなこれ。
「さて、適当なやつに、鑑定。」
目の前にUIとして情報が浮かぶ。
「へぇ、ちゃんと出るんだな。」
「次は意識して使ってみるか。」
――アイテムボックスーー
......なんか目の前に真っ黒いゲートみたいなん出てきたよこっっわっ!?
……あ、そういうことか。
試しに小石をひとつまみ。
ぽいっ。
すっと吸い込まれた。
「……お、入った。」
〈 問題ありません 〉
「逃走は今試す意味ないよな。」
〈 無意味ではありません 〉
「でも今じゃないだろ。」
〈 それはそうです 〉
「そこは認めるんだな。」
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【契約獣スキル使用チュートリアル】
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〈 これより戦闘チュートリアル及び契約獣スキル使用チュートリアルを開始します 〉
草むらが揺れる。
「ん? なんか揺れたな、ルクス。」
「キュ!」
さぁ、鬼が出るか蛇が出るか。
飛び出してきたのは――
「ホーンラビットかーい。」
――鑑定ーー
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【モンスター情報】
名称:ホーンラビット
種族:兎系
レベル:1
契約適正:低
危険度:低(同格)
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「まぁ、いけそうだな。」
「ルクス、行くぞ!」
「キュ!」
〈 契約獣のスキル使用は基本的にはプレイヤーの発声により使用されます 〉
「ルクス、火爪!」
〈 発声での使用の場合、使用時のフレームレートが10Fとなります 〉
「格ゲーじゃねぇか!?」
ツッコんでる間に、ルクスが一気に踏み込んだ。
炎を纏った爪がホーンラビットを切り裂く。
【敵モンスターを撃破しました】
【撃破を確認したことにより、10ダラー獲得しました】
【敵モンスターがアイテムをドロップしました】
「お、おぉ。」
なんか普通に倒してる。
その瞬間、地面に光が落ちる。
「お、これがドロップか~。」
「キュ?」
〈 モンスター討伐時、一定確率で素材がドロップします 〉
〈 討伐時、必ず討伐したモンスターのレベルに応じたダラーと経験値を獲得します 〉
〈 ドロップアイテムは取得することで所持品に追加されます 〉
「なるほどな……ってダラー?」
〈 この世界の通貨です。日本円換算で100ダラー=1,000円、1ダラーにつき10円となります 〉
〈 チュートリアル終了後、ステータスに表記が追加されます 〉
「わかりやすい。」
とにもかくにも、ドロップ素材を確認しようか。
【取得】
ホーンラビットの皮 ×1
「ちゃんと落ちるんだな。」
――鑑定。
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【アイテム情報】
名称:ホーンラビットの皮
レアリティ:一般
分類:モンスター素材
入手:ホーンラビット
説明:
ホーンラビットから採取される皮素材。
軽量で加工しやすく、初級装備や包帯素材に使用される。
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「へぇ、UIはこんな感じなのね。」
〈 では戦闘を続けます 〉
〈 戦闘チュートリアル終了まで残り討伐数9体です 〉
「はいはい、次な。」
続けて戦闘。
「右!」
「火爪!」
「距離取れ!」
ホーンラビットが飛び跳ねる。
ルクスが避ける。
俺も巻き込まれないように位置を変える。
「前!」
「火爪!」
一体撃破。
また一体。
感覚が少しずつ掴めてくる。
「左来るぞ、ルクス!」
「キュ!」
「火爪!」
おお、いい感じいい感じ。
ただ見てるだけじゃない。
こっちも動いて、判断して、言葉で繋ぐ。
これがこのゲームの戦い方か。
~~~30分後~~~
「はぁ、はぁ、つっかれたぁ~。」
「キュ~。」
ルクスも少し肩で息をしてる。
頑張ったな、俺ら。
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進行:10 / 10
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【LEVEL UP】
バツ
Lv1 → Lv2
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【ステータス上昇】
HP:----
MP:69 → 84
SP:64 → 76
STR:15 → 18 (+3)
VIT:15 → 18 (+3)
INT:12 → 14 (+2)
MND:11 → 14 (+3)
AGI:17 → 20 (+3)
DEX:11 → 12 (+1)
LUK:9 → 10 (+1)
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【獲得ポイント】
BP:+3
LP:+3
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〈 ステータスが上昇しました 〉
〈 BPを使用して追加で能力値を割り振れます 〉
「お、上がったじゃん。」
だいたいホーンラビット10体分で2には上がれるのか。
「おー、ちゃんとステータス伸びてる。」
〈 ステータスへ割り振りが可能です 〉
「まぁ、それはあとでいいや。」
〈 了解しました 〉
〈 加えて、注意事項を説明します 〉
〈 契約獣が存在する限り、プレイヤーは優先的に攻撃対象になりません 〉
〈 ただし、接近しすぎた場合は攻撃に巻き込まれる可能性があります 〉
「前出すぎるなってことね。」
〈 はい 〉
「了解了解。」
三撃で死ぬゲームで巻き添え事故はしゃれにならん。
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【採集チュートリアル】
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「次は採集ね。」
光る草を見つける。
しゃがんで、引き抜く。
【採集成功】
薬草 ×1
「はい、これも鑑定。」
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【アイテム情報】
名称:薬草
レアリティ:一般
分類:採集素材
入手:草原エリア
説明:
回復効果を持つ基礎素材。
ポーションや包帯の材料として使用される。
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「分かりやすいな。」
石を拾う。
【採集成功】
石材 ×1
「これも、鑑定。」
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【アイテム情報】
名称:石材
レアリティ:一般
分類:採集素材
入手:地表採集
説明:
加工されていない石素材。
建材や簡易クラフトの材料として使用される。
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「素材確認OK。」
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【簡易クラフト】
薬草 ×1
ホーンラビットの皮 ×1
↓
簡易包帯
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「作るか。」
【クラフト成功】
簡易包帯 ×1
「どんなもんだ?」
「鑑定。」
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【アイテム情報】
名称:簡易包帯
レアリティ:一般
分類:消耗品
製作者:バツ
説明:
応急処置用に作られた簡易的な包帯。
軽度の傷を回復することができる。
効果:
使用時、対象のHP又は使った部位の耐久値を1%回復する。
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「お、ちゃんと回復系か。」
戦闘して、拾って、採って、見て、作る。
「……なるほどな、ちゃんとゲームしてるわ、これ。」
〈 チュートリアル第一段階を完了しました 〉
「で、次は?」
〈 第二段階へ移行します 〉
「そりゃあるよな。」
〈 はい 〉
〈 バツ様であれば問題なく対応可能です 〉
「その言い方やめろって。」
〈 励ましです 〉
「絶対違うだろ。」
でもまぁ、悪くない。
「……行くぞルクス。」
「キュ!」
「そのまま次、行こうぜ。」
第6話、チュートリアル編開始です!
ここを練るのに時間がかかって投稿少しストップしてました笑
では、今回もお読み頂きありがとうございます。
高評価、感想やご意見などお待ちしております。




