表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
荒地に追放された食いしん坊聖女はいつの間にかラスボス認定されていたようです!!  作者: ゆずこしょう
食いしん坊聖女と六人の聖女。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/112

アンネリーゼ復活と新スキル判明!?“メメント・ムーン”明日へ羽ばたく!

「…ふぅ~ん、そんなに私、眠っていたんだ。」


ケルネリウスが何があったか説明すると、アンネリーゼはそこまで興味がないのか、適当に流した。


「お前…ずっと眠っていて危ない状態だったんだぞ!? わかっているのか!?」


「まぁまぁ! そんなに怒らないでよ。無事だったんだから、いいじゃない!!」


アンネリーゼがケルネリウスの肩を軽くぽんぽんと叩くと、彼はこれ以上伝えても無駄だと思ったのか、深くため息を吐いた。


「……はぁ。まったく、お前ってやつは……」


「あっ! それよりも、遅くなっちゃったけど、せっかくだし皆で作ったお弁当食べよ! 私、おなかすいちゃったぁ~!」


眠り続けて約二週間――


夢の中ではいろいろな魔物と出会い、おなかいっぱい食べていたが、所詮それは夢の中。


実際にお腹が満たされているわけではない。


「“業務用冷蔵庫”」


久しぶりのその言葉に、その場にいた皆が安堵の息を漏らした。


アンネリーゼが無事に帰ってきたということに――


業務用冷蔵庫を開けると、アンネリーゼは迷うことなくお弁当を取り出す。


その顔はまるで、お腹を空かせて待ちきれない犬のようで――


聖女たちは思わず笑ってしまった。


「アンナ、落ち着いて! まだ蓋も開けてないよ!」


「だって、夢の中じゃいっぱい食べたのに……現実は空っぽなんだもん!」


アンネリーゼが蓋を開けると、色とりどりのおかずがぎっしり詰まっていた。


卵焼き、ロックバードの唐揚げ、タコのから揚げ、カニクリームコロッケにミートボール。


ずっとずっと夢に見ていた、ローストビーフのサンドイッチ。


そして――栗の甘露煮。


無我夢中で作っていたから覚えていなかったけれど、たくさんの食材が入っている。


「……モンブラン・マウンテン……」


栗の甘露煮を見ながらアンネリーゼがぽつりと呟くと、聖女たちはまた笑った。


「ふふっ、モンブラン・マウンテンって何よ!?」


「「「ハハハハ!!」」」


満月の光が柔らかく差し込む中、敷かれた布の上には、色とりどりのお弁当が並べられていく。


まだルミナイト・オリハルコンを手に入れたわけではないが、それでも――


今日一日だけは、アンネリーゼの目が覚めた祝宴を上げてもいいだろう。


「よーし!! じゃんじゃん食べてぇぇぇぇ!! 明日のために、活力たっぷりつけるわよ~!」


それぞれ祈りを捧げると、目の前にあるお弁当に手を伸ばした。


「この卵焼き、美味しいわね~!」


「このロックバードの唐揚げも……前に食べた時も美味しかったけど、さらに味が染みていて最高!」


「こっちのカニクリームコロッケもよ! サクサクなのに、中は濃厚なクリームが入ってて、蟹の身もずっしり!」


皆が幸せそうな顔でご飯を食べる姿を見て、アンネリーゼも自然と笑顔になる。


「ふふ。やっぱり、皆で食べるごはんが一番ね……」


その声は誰かに聞こえることもなく、風にのって静かに消えていった。


***


「じゃ、満腹になったところで――明日からのことを話すわよ!」


アンネリーゼが聖女たちを集め、明日からの行動について語り始める。


「いい? 明日、もう一度ブレーティオ鉱山に向かうわ! もちろん、今回もあなたたちについてきてもらうわよ!」


「「「……えっ!?」」」


アンネリーゼの言葉に、聖女たちだけでなくケルネリウスも驚きの声を上げた。


「いや……この間のこと、覚えてるだろ? 聖女たちを連れて行くのは危ないんじゃ……」


ケルネリウスの言葉に、周囲の誰もが頷く。


するとアンネリーゼは腰に手を当て、「チッチッチ」と人差し指を立てて揺らした。


「あなたたち……本当に気づいていないのね」


「私たち……?」


アンネリーゼの言葉を聞いて、ミレイユがぽつりと呟く。


他の聖女たちも、同じように首を傾けた。


「えぇ、そうよ! 今回、あなたたちは“スキル”を得たの。ただ、一人で発動するのは無理ね。そもそも、あなたたちのスキルは“六人そろってこそ”力を発揮するものだから……」


「「「「えっ!?」」」」


一瞬、静寂が落ちた。


だが次の瞬間――


「えっ!? 私たちがスキルを……!? 今までそんな素振りなかったのに!」


「えぇぇぇ~うそ!? スキル? アンナみたいに戦えるの!? すごい楽しみなんだけど……ずっとアンナみたいに魔物を討伐したいと思ってたのよ!」


「私も私も~! あの爽快感、見てるとたまらないわよね! で……?」


「「「どんなスキルなの!?」」」


目を輝かせながら近づいてくる聖女たちに、思わずアンネリーゼもたじろいだ。


「えっ……とぉ……」


「うんうん!!」


「そんなに喜んでくれてるところ悪いけど……あなたたちのスキルは……戦闘系じゃないわよ? っていうか、私も戦闘系というわけではないし……」


そう、聖女たちがもらえるのは、あくまでも浄化や祈りのスキルの強化版だ。


そもそも、戦闘系のスキルをもらえること自体、ほとんどない。


アンネリーゼのスキルだって、「調理器具」「業務用冷蔵庫」という変わったものだが、元を正せば浄化のスキル。


……まあ、業務用冷蔵庫に至っては、何の意味があるのかは未だにわからないが。


その言葉を聞いた瞬間――


先ほどまでのキラキラした目は、あっという間に光を失った。


まるで絶望に落とされたような顔をする聖女たちをみてアンネリーゼは元気づけるように明るい声で言い放った。


「と、言っても……あなたたちのスキルはかなり強いと思うわ! バフをかけることができるんだもの!!」


「「「「バフ!?」」」」


「そうよ! 今回みたいに、魔物の精神攻撃から仲間を守ったり、防御力を上げたりすることができるわ。それに、少しだけだけど……癒しの力もついているんじゃないかしら」


アンネリーゼはそう言いながら、少しだけ肩をすくめた。


「……と、言っても、私も実際にあなたたちの力を見たことがないから、どのくらいのスキルがあるかはわからないけど……」


アンネリーゼの言葉に、また沈黙が訪れた。


しかし、先ほどとは違い、少しうれしそうな雰囲気が漂っている。


「……ってことは、私たち、アンナの助けになれるってこと!?」


「……もう、私たち、お荷物じゃない!?」


「「「やったぁぁぁ~!!」」」


それぞれが手を取り合って喜んでいると、ケルネリウスがゴホンとわざとらしく咳をした。


「あぁ~、喜んでるところ悪いが……どれだけ力が使えるか、まだわかっていないんだ。明日は慎重に行動しろよ? もちろん、アンナ……お前もだからな」


そう言いながら、ケルネリウスはアンネリーゼの頬を軽くつねった。


「いったぁ~! 何よもう、ちゃんとするってば!」


「お前が“ちゃんとする”って言った時ほど、信用できない言葉はないんだよ……」


「ひどっ!? でもまぁ、今回は本当に大丈夫よ。みんながいるし、スキルもあるし!」


ケルネリウスは深くため息を吐いたが、その目はどこか優しかった。


「……頼むぞ。お前たちが無事に帰ってくることが、何より大事なんだからな」


聖女たちはその言葉に、少しだけ表情を引き締めた。


「うん、わかってる。明日は、私たちの力を試す日だもんね!」


「“メメント・ムーン”の初陣、だね!」


満月の夜、笑いと決意が混ざり合いながら、彼女たちは明日へ向けて、静かに心を整えていった。

「つ、い、に、私たちの時代が来たと思わない?」


「ティアナ…うるさい…」


「仕方ないじゃない! だって私たちにスキルができたのよ?

 クロエは嬉しくないの? アンナの役に立てるのよ?」


「そ、それは…嬉し、い…」


「でっしょぉ~!! これで私たちもアンナのようになれるわ!!」


「「「いや、無理だから…」」」


✿いつもお読みいただきありがとうございます(*.ˬ.)"


これにて、第四章は終了となります♪

聖女たちの成長、いかがでしたでしょうか?


第四章は終わりますが、物語は引き続き火山編が続きます。

そして……新しい仲間も増える予定です✨


次回 21:10 更新予定♪


「「「お楽しみに〜♪」」」


「あ、ウインクの練習しとこ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ