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神様機構―悠久なる歯車―  作者: 太郎ぽん太
一騎大国
112/125

第三十四話:並んでいる




 前線は、静かだった。


 戦闘がないわけではない。

 ただ、想定外が起きていない。


 配置が機能し、

 指示が届き、

 結果が出る。


 それだけの状態だ。


 ライアスは、前に立っている。


 いつもと同じ位置。

 指示が通る距離。

 視界が抜ける高さ。


 意識せずとも、

 体がそこに収まる場所だった。


 少し離れた位置に、

 白がいる。


 呼んだ覚えはない。

 指示した記憶もない。


 だが、そこにいる。


 距離は近すぎない。

 重ならない。

 干渉もしない。


 ただ、

 同じ線上に立っている。


 誰かが声を出す。


 短い報告。

 数字の確認。


 視線が、

 一瞬だけこちらを掠める。


 白を見る。

 ライアスを見る。


 それだけだ。


 比較はない。

 評価もない。


 配置として、

 そこにあるものを見る目だった。


 ライアスは、

 何も言わない。


 変える理由がない。

 動かす必要もない。


 白は、

 前を向いたままだ。


 合図を待つ様子もない。

 先に出る気配もない。


 並んでいる。


 それだけの状態が、

 自然に成立していた。


 ライアスは、

 それを確認しない。


 確認するほどの異常ではない。


 判断するほどの材料もない。


 考える前に、

 体が次の指示を受け取る。


 声を出す。

 線を示す。


 いつも通りだ。


 白が、動く。


 指示に従ったのかどうかは、

 重要ではない。


 結果が、同じだからだ。


 戦線が、短くなる。


 押し返される。

 崩れない。


 成立している。


 誰かが、

 ほっと息を吐く。


 誰かが、

 次の準備に入る。


 白は、戻ってくる。


 ライアスの横を通る。


 近づかない。

 離れもしない。


 一瞬だけ、

 視界の端に白が残る。


 それ以上でも、

 それ以下でもない。


 並んで立つという状態が、

 続いている。


 理由はない。

 説明もない。


 それを、

 誰も疑わなかった。


 ライアスは、

 前を向いたまま思う。


 ――問題は、ない。


 だから、

 そのまま進む。


 並んだまま。


 何も言わずに。

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