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12人の男性の神様とは

遠い遠いはるか未来、

永遠という時間の流れがまだはっきりしなかった頃、

ひとつのカリスマの塊が淡く冷たいダイヤモンドの輝きを落とした。

その輝きから、十二の神 が生まれた。


彼らは人ではなく、

姿を持つようで持たず、

けれど確かに“男性”の気配を宿していた。


京子はまだ彼らを知らなかったが、

彼らのほうは、ずっと未来から

京子の中に流れる「静かな物語」を見つめていた。


その十二神とは——



✦ 【1】憂鬱の神

京子のすべての理解者であり、暗さや沈黙の“深さ”を司る。

淡い灰色の影のような姿で、

京子の日常の落ち着きを守る、頼れる父のような存在。

十二神の中で、もっとも儚く優しい。



✦ 【2】涙の神

京子の自己犠牲に涙する、

光の涙から生まれた神。悲しみと悲哀を理解し、

京子の心が重い日、そっと胸を軽くしてくれる透明な存在。



✦ 【3】追憶の神

忘れていた記憶の霧の中に住む神。

懐かしさ・遠い思い出・忘れたはずの感情をつかさどる。

時間ではなく、“心の奥の曖昧な核心の部分”を守る。



✦ 【4】夢遊の神

夢と現実の境界をさまよう神。

人が眠るときにだけ気配を見せる。

整わない言葉、流れる幻想、

戯れの中でそのすべてを静かに見守る。



✦ 【5】銀河の神

秒速の神から進化した、宇宙を司る神。

一瞬のきらめきではなく、“永遠の時間の流れ”を見守る。

星々の鼓動を知る、壮大な存在。



✦ 【6】走馬灯の神

未来を司る神。

過ぎゆく光景のように、京子の“これから”を静かに照らす。

決して導かず、けれど淡い道だけを示すペガサスのよう。



✦ 【7】初恋の神

恋と憧れをつかさどる神。

思春期の甘い衝撃、胸の奥をそっと締めつける懐かしいときめきを守る。

感傷的で、抽象的な美しさがあり、

十二神の中でもっとも繊細。



✦ 【8】ペガサスの神

奇跡の神から変化した神。羽ばたく運命の象徴。

人の努力では決して届かない“もう一歩”を

そっと押し出す力を持つ。



✦ 【9】刻印の神

双子の神である「音の葉の神」から変化した、

“神話の伝説と記録”を司ることになった神。

物語の線、心に残る言葉、

人生につく見えない跡を見守る。



✦ 【10】禁断の神

人が触れてはならない領域をつかさどる神。

誘惑ではなく“境界”の神。

十二神の中で唯一、京子の世界にそっと線を引く存在。

快楽も‥



✦ 【11】ナルシスの神

美醜を司る神から変化した“自己像”の神。

美と醜をはっきりと区別し、

ただ人が“自分をどう見ているか”を映す鏡。

ゾッとするほど残酷で、美しさを12神と共有する神。



✦ 【12】おとぎの神

矛盾の神から変化した神。

日常と非日常、現実と空想の境界に住む。

京子が生きる現実にそっと“物語の影”を落とす存在。

十二神の中で最も不思議で、最も詩的な神。


12人の男性の神様は誰も、

京子を「救おう」としたことはなかった。


彼らはただ——

京子が歩く道を見守り、ときに背中に手を添え、

ときに静けさを置き、ときに心の奥の記憶を照らした。


京子にとって彼らは「父親のように慕う存在」。

しかし十二神自身は、こう思っていた。


『現実の世界で京子の父親役はトラックの運転手だった。私たちは、京子の直接の父親ではないが、

京子が平凡な毎日を送るための“心の守り人”である』


十二神は、京子の感性の中にいるおとぎの世界の守護神である。

誰も傷つけず、誰にも指図されずただそっと戯れながら寄り添うだけ。


12人の男性の神様は、京子の人生の中でこれからも静かに生きつづける。


京子が呼べば現れ、忘れれば遠くで待つ。


それが——京子だけの“十二神譚”。

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