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42話 チリリア道中

 両手を拘束されチリリアへと向かう。

裁判のあと、俺がどういう扱いになるのか。

俺には知らされないまま再び牢に入れ今日出発した。


しっかり伸ばしたら15mはあろうかと思われる大蛇の背中に

人の乗るスペースの籠が乗っかっている。

蛇車というらしい。

その背の籠に乗せられている。


 なぜかパルラ王とその側近の一人も一緒に乗っている。

パルラ王もだがこの側近の人もかなり強いだろう。

鑑定しなくても魔力のかたまりを前に座っているようなプレッシャーを感じる。

鑑定などしようものなら即座にバレて飛び掛かってくる。

そういった野性味のある魔力。

真っ白な顔、身体は鎧に包まれほとんど見えないがこの人も蛇人であろう。



「キャス、どうだ?」

「ああもうこれは完全にあの赤羽ですね」

なんだ?

「ははは、やっぱかー。王のロールプレイきっつ。蒸れるんだよこの服」

「部長はいいじゃないですか。こっちは鎧ですよ」

「確かになー。あ、すまん。赤羽君、災難だったな。手錠外してやんなよ」

「あ、すんません。あ、1組の赤羽でしょ?俺2組の村上。」

手錠がはずされる。

「え、剣道部の?」

「そうそう。で、この人、剣道部部長3年の綾瀬先輩。」

「あ、よろしく。いやしかしうまくさらえたなw」



2人はまさかの転生者だった。

てことは1度死んだのか。


「うまくいきましたけど、うちのナンバー2派遣することになっちゃいましたよ」

「まあいいんじゃない?戦争する気ないし」

「そうですけど」

「あと赤羽猫持ってるよね。バレてるよー熱感知でw」


ばれてたのか。

胸元からパレットが顔を出す。

熱かったのか呼吸が乱れている。

「出ても大丈夫だよ、おいで」

パレットが身体を服から出す。

するするすると全身がでてくる。

なんか身体が長くなっている。




「お。纏い猫か。珍しい」

「マフラーとかそういうタイプっすね。」

「名前はパレットって言います」


パレットは纏い猫に進化していた。

俺の服の中で。

なんかもぞもぞしてると思ったら。

まさかこんなに大きくなっているとは。


「パレットか。うちのばあちゃんも猫飼ってたな。懐かしい。」

「へー部長の人間時代のばあちゃんですか」

「部長言うな。王な。王。」

「あ、さーせん。王。

で、赤羽どうします?」

「んーまあ協定あるしなー。兵にしといてちょっと鍛えてやりますか。雑魚でしょコレ」

雑魚って。

「これは雑魚ですね。」

いや村上まで。

「じゃ、しごきコースで鍛えておきますわ。王、どうします?しごきの鬼やります?」

「いや俺は子作りあるんで」

「モテ男は違いますわー忙しいっすねー」

「まーなー。王だしなー。てかズージすごくない?スマホ使ってたよ?」

「電話だけ使えるみたいですね。謎です。赤羽あれどうなってんの?」

「四獣士のエジさんが雷魔法系のスキルで国一体使えるようにしてるって話です」

「まじ?転生するときの候補にあった雷魔法特殊強化とかいうやつか。」

転生するとき選べるのか・・・?

「っぽいですね。てか赤羽それ国家機密じゃない?」

「あ」

「草」

「まーどんまい。雷魔法特殊強化は俺も選択肢にあったんですけど選ばなかったっすね。

まー蛇系で生まれるの確定してたんで相性悪くて伸びしろがあれだったんで」

「それな」

「あのエジってうなぎ男、確かになんかぱりぱりしてましたもんね。」

「それな。てか充電はどうするわけ?」

「エジさんのとこに持っていくとフル充電してくれますね」

「それも機密じゃない?w」

「あ」

「草」

「便利な能力っすねー。転移組から買い取る必要はありますけどね。スマホ。」

「確かに。俺ら生まれた時、裸だったからなー。」

「オースってとこで買い取るらしいです」

「オースの競売か。なーる」

「確かに他の国で使えないものなんて売るくらいしかないですね。今度相場調べておきます」

「転生者で雷特殊持ちいたら手厚く保護だな。電話もだけどカメラ機能もなんかにつかえるでしょ」

「そうですね。それも部下たちに言っておきましょう。」

「赤羽君のその腕輪、ロベレドゥイの腕輪?」

「そうらしいです。」

「いやそうらしいて。しかもなんか見たことない色合いじゃん」

「自己鑑定と他人鑑定ができます。あと翻訳とか」

「多機能だな。なんで特別待遇?レアスキル持ち?」

「特別待遇なんですかね?能力は異世界とこっちの世界を行き来するものだと思うんですけど」

「まじ?レアじゃん。あっちどうなってるわけ?10年くらい後の世界は?」

10年・・・・?

「向こうに戻ったあとほとんど情報を得られなくて。

なんかテレビで第4次世界大戦を始めるとかいってましたけど。」

「おうおう。物騒なことになってるな向こうは」

「向こうの世界の戦争とかシャレにならないですね。」

「いやほんと情報もってなくてすいません。転生して10年ですか?」

「あーざっくりな。幼蛇の時はもう毎日生きるのに必死でな。

あと知能も低かったから時間感覚が分からんくてな。」

「俺も似たような感じっす。あとはこのマザーに聞いてなんとなく10年くらいかなーって」

「え?マザー?」

「今乗ってるこの大蛇、これ俺たちのマザー。」

「ええええ」

「ビビるだろ?」

「猫車も猫獣人産むっていうしその辺はね。あ、もうそろそろ着くね。パレットは出してていいけど手錠はしようか。一応。」


長いような短いような道中だった。

訪れるのはチリリア

爬虫類種の治める国。

弱肉強食、強いものが生き残る。

国王になる方法は1つだけ。

国王を殺すこと。

国土のほとんどが湿地帯と沼地でできた別名血と泥の国である。

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