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40話 投獄

 アリどもが這って行ったとみられる形跡。

この数は尋常じゃない。

それになぜかキレイに道沿いを進んでいる。

整備された道をモンスターがこんなにもキレイに並んで歩いていくだろうか?


ズージェリアが見えてきた。

畑の作物には一切手を付けた形跡はない。



かんかんかんかん・・・・


敵襲を知らせる鐘。

街中で鳴っている。


城の多重魔法壁。

それがうち破られたのだろう。

空中に様々な色のその断片が浮き散らばっている。

落ちる夕日の光を通し

紫とも緑ともいえるような毒々しい色合いに映している。





下町はやはり結晶で破壊されている。

住民の死体はいまだ見ていない。


ユーンの宿に急ぐ。

ひどい有様だ。

入り口部分がどこなのかさえ元の姿をしらなければ分からないだろう。

執拗に結晶の魔法弾を打ちこまれている。

彼女の姿はない。



坂に上り冒険者ギルドへ。

ここもか。

街を守る冒険者が応戦したのか戦闘跡が残っている。

こんな街の中心に引き入れてから戦闘をしたのか?

もっと街の外で迎撃できそうなものだが。

受付嬢も冒険者もいない。


すると・・・城か。

あそこにみんなを匿って籠城したか?



城に急ぐ。

跳ね橋は降りていない。

城の横にバカでかい魔法攻撃が突き刺さった跡。

その下のお堀には穴をあけた宝石が転がっている。

これが多重壁を破った攻撃か。




すすき野原から爆音が聞こえる。

突風が衝撃が街を抜けていく。


あっちか。誰かがまだ戦っている。


城から延びる坂を下る。

すすき野原への門のところに衛兵の一団いる。


「赤羽!」


ファースさんが飛び出し猫車を止める。


「ファースさん!無事でよかった!ダンジョンのことで報告が・・・」


「ああ向こうのダンジョン娘から報告が入っている。

クロックたちには捜索隊を手配済みだ。

街のアリどもは片付けた。

今、国王と四獣士がすすき野原で戦闘中だ。

チリリアの精鋭部隊も合流したようだ。

向こうも直に片が付くだろう。

村人たちも無事だ。

ただな・・・。」


クロックとバンはやはり脱出してないのか。


「ただ・・・なんですか?」


「いや、後にしよう。お前だけでも戻ってこれてよかった。」


美しかったすすき野原から炎と煙が立ち上る。

それをここから見る事しかできなかった。




リザードマンの国チリリアの部隊の一人が門へとかけてきた。

「報告します!戦闘終了!

何人かの賊は捉えました!

シバ王、四獣士が重症を負いました!

治療部隊を手配してください!」



賊・・・やはり誰かがアリどもを扇動したのか。



「くっ・・・王。了解した!

城に戻り治療施設を整備しろ!救急部隊は急ぎ王の元へ!」



すでに待機していた救急部隊が動く。


戦闘を終えたリザードマンの部隊と王たちが帰ってくる。

城へと運ばれていく。

ちらっと見えた王と四獣士は意識はなく血に塗れていた。


リザードマンのうちの1人が俺に寄ってくる。

「君が赤羽だな。我が国の王の命令により君には拘束命令が出ている。」


「馬鹿な。こちらの国の兵だぞ!」

ファースさんが割り入ってくる。


「これは2か国の合意の上の決定だ。従ってもらう。

それにそちらの王は賢者の石を失っている。意味が分かるな。」


ファースさんがしばし押し黙る。


「赤羽、私は疑っておらんが事態は深刻だ。

必ず出してやる。今はおとなしく捕まれ。」


俺はズージェリア城地下へ投獄された。



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