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1話 赤羽

  ああ噂の異世界転生ってやつにまきこまれた、いや異世界転移か。


  そう思った5分後には俺だけ現実世界に帰らされた。


  さすが帰宅部、俺。光速の帰還だ。






 ある夏の事。

夏休みも目前の登校日、明日は土曜日。学校は休み。

何をしようか、明日もくそ暑いんだろうなあ

そんなことを考えながらホームルームを聞き流す。

友人たちはサッカーバスケ野球に忙しいようだ。


 学校指定の上履きから学校指定のローファーに履き替え校門に歩いていく。


なにか違和感がした。

蝉時雨が一切聞こえてこないのだ。

違和感を感じながらも校門を一歩外へ出る。



瞬間、目の前が真っ白になった、いやまぶしい光が身体を包んでいた。



ゆっくりと目を開けると、目の前には僧侶のような恰好をした老人がいた。

周りには見るからに魔法使い。1mくらいの杖をそれぞれ持っている。

足元には魔法陣。

後ろを見ると他にも魔法陣にのったクラスメートが4人いた。


ああ異世界転生ね。流行りの。


すぐ状況を理解できたのは男チームだけ。

クラスのマドンナ小林さんは困惑した表情をしていた。



なにかを言っているが言葉がわからない。

ようこそ。いらっしゃいませ的な笑顔だ。



僧侶がまじまじと俺たちの目をのぞき込む。


野球部 佐々木

サッカー部 内田

将棋部 神谷

マドンナ 小林

帰宅部 赤羽 (俺)


の順にみていく。


ああスキル鑑定しているのか?



俺の番だ。


僧侶は

俺の手をとり持ち上げ俺の脇をみる、

俺の肩を両手でつかみ回転させ背中をみる、

後ろからふくらはぎ太もも尻をなめあげるようにみる。



なにかを後ろのおっさんにいうと俺の左手にバンドのようなものを装着した。


そして俺の手首をつかむと

どうぞこちらへ

と言った。

このバンドは翻訳機か。


俺だけ別室に連れられた。


王宮のような長い廊下を進んで部屋に入る。


俺だけ規格外のステータスで特別待遇というわけか。ふっふっふ


と思ったら僧侶が少し離れ、魔法陣が発動した。



先ほどと同じような閃光がはしり気付くと元の校門の前に立っていた。

蝉時雨がまたうるさい。

ちょうど夕日が半分に見えるところだった。




え?俺の魔王を倒す勇者としての大冒険がはじまるんじゃないの?



そう思って振り返ると学校があった場所には巨大なクレーターができていた。


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