魔王と神様
幼馴染の親友の死体を見ながら彼女は言葉を溢した。
アイリス「ごめんな。」
死体の魂がアイリスの身体に入ろうとしていた。
リリィ「コッラー‼︎」
妹の声が聞こえたと同時にアイリスの頭に雷が落ちた。
アイリス「うわっ⁉︎」
ついでに、海に落ちた魔王たちの上にも雷が落ちた。
羽根魔王「なんでー?」
リリィ「もう。」
そう言うとリリィは、小さな小さな国に両手をかざし両手からの光によって国を直し、アイリスに向かっていた魂を死体の身体に戻し、再生させた。
ローズ、目を覚まし、2人の姉妹を見上げた。
アイリス「ローズ。」
ローズ「ふふふ
ありがとうございます」
リリィ「うん」
堕天魔王「あなたが…」
魔王たちが、アイリスに話を振る。リリィは、小さな小さな国に再度、バリアを張り直す。
アイリス「…お前たちが噂している魔王。」
リリィ「よしっ!」
しっぽ魔王、恐る恐るリリィに声をかける。
しっぽ魔王「あなた様は…」
リリィ「神様ですね」
魔王たち「もっ」
角魔王「申し訳ございませんでしたー‼︎」
他の魔王たちの言葉を遮って角魔王が土下座をしながら言った。
魔王たち「えー‼︎」
アイリス「消したい。」
リリィ「ダメよぉ
コホン、これからは仲良くしてくださいね。もちろん、そちらに海の幸なども送りますし」
魔王たち「ありがとうございます!」
魔王たちが、それぞれの魔王城へ帰る頃、すっかり夕方になっていた。
ローズ「この国には、魔王様と神様がいらっしゃいます」
リリィ「ん~?」
ローズ「助けてくれてありがとうございました」
アイリス「…悪かった。」
ローズ「はい」
リリィ「ふふふ」
リリィ、空に向かって手を伸ばして伸びをする。
ローズ「雲の上でのお昼寝は気持ち良かったですか?」
リリィ「せっかく熟睡していたのに…姉ちゃーん‼︎」
アイリス「はいはい」
アイリスは、1歳差ながら小さく子どもポイ妹の頭を撫でた。
のどかな、しかし、山と海の幸に恵まれた観光客で賑わうこの小さな小さな国には、魔王1の力を持つ魔王様と万能の神様がいる。