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名もなき町  作者: 田中らら
9/23

話し合い

管理人さんの名札を見ると、「菊地淳」と書いてあった。


年齢は50歳過ぎで、何度か顔を見たことがあったので、

この町で1人暮らしをしている独身のおじさんだとすぐにわかった。


管理人さんは3人いてそれぞれが机に向かって仕事をしていた、

壁には色々な業者の連絡先や、

これからの予定が所狭しと貼ってあった。


そして部屋はインクと珈琲の混ざった匂いがした。


「あの昨日の泥棒事件と関係あるかわからないんですが・・・」


私は昨日の朝会った人の話をした。


菊地淳は私の話しを丁寧に白いメモ帳にメモしていた、

私は菊地淳の指先が気になったいた、


指先が黒く汚れていたのだ、

洗っても落ちないような油?ペンキ?

のような汚れが指先に付いていた。


話し終わると、

「わかりました。この話し今夜してもいいですか?」


と聞いて来た。


私は彼の汚い指先を見ながら、

「はい」と答えた。





春斗と一緒に夕食を食べて、

1度家に帰ってストールを巻いて食堂に向かった。

夜は気温がさらに下がりだいぶ寒かったのでクローゼットの奥から、

ストールを引っ張り出した。


夜の山はかなり冷え込んでいた。


食堂には暖炉があり、

今夜、始めてそこに火が入れられた。


パチパチと木の跳ねる音がなぜか心地良くて、

そしてとても暖かく、

みんなが少しほっこりとした気持ちになれた。


「では8時になったので始めます。」


菊地淳が話し始めた、

住人の殆どが食堂に集まっていた、

座れない人は立って話しを聞いていた、

私はいつもの窓際の席に春斗と一緒に座っていた。


「みなさん施錠は大丈夫ですか?」という確認から始まった。


昨日の夜の出来事を知らない人もいるので、

昨日の夜のことから話し始めた。


「川原夫婦が夜10時過ぎに寝ようと思い寝室に向かうと、

玄関で物音がしたので玄関に行くと、

そこに大きな男の人が立っていた。」


という事だった。


川原夫婦が悲鳴を上げると男は玄関から逃げて行ったらしい。

そして盗難被害は無く、川原夫婦にケガも無かった。


その悲鳴を聞いた隣の家の人が管理人を呼んで、

昨日は人が集まってしまったらしい。

川原夫婦は被害が無いので警察には通報しないで欲しい、

と管理人に言ったらしい。


つづく

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