泥棒
私は部屋を片付けて、
お風呂に入り身体のケアをした。
春斗は彼氏ではないのに、
こんなに気を使う必要があるのか?
自分に問いかける。
これが春斗だからではなく、
女友達が遊びに来ても部屋を綺麗にして、
身だしなみを整えるよ!これが普通でしょ?
と自分に言い聞かす。
8時を過ぎた頃に春斗が来た。
お酒とつまみのお菓子を持って、
いつものように部屋に入って来た。
私たちは音楽をかけて他愛のない話をして、
セックスをしていつも通り二人で過ごした。
11時を過ぎて春斗が帰ろうとしていると、
外で人の声がすることに気が付いて窓を開けると、
ドーム型の家の方向にみんなが歩いているのが見えた。
「何かあったのかな?」私が言うと、
春斗は「こんな夜に?」と驚いた顔をした。
「行ってみない?」
「うん、行って見よう!」
私たちはドーム型の家に行くと、
たくさんの人が集まっていた。
「何かあったんですか?」
私は近くにいた人に聞いた。
「いや、詳しくはわからないけど、
なんか泥棒が入ったみたいだよ。」
「泥棒??」
春斗も話しに加わって来た。
「あの家の人って60代の夫婦でしょ?
勘違いだろ?この町で泥棒なんて!」
「いや、私も詳しくわかりませんが、
知らない大男の人が家の中にいたらしいですよ。」
「大男?」
「この町に大男っていた?」
「みんな普通だよね?」
「やっぱり勘違いじゃない?」
「今管理人たちが調べているらしいですよ。」
「警察は呼ばないの?」
「いや、呼ばない見たいです、
自分だちで調べて解決しようと思っているらしいです。」
他の住民もみんな小さなグループになり、
みんなで憶測話をしている。
「みなさん!」
管理人さんが手を上げて話し始めた。
「みなさん落ち着いて下さい、
川原さんのお宅に誰かが侵入したようですが、
何も盗られていません、
本人の希望で警察は呼びませんが、
今夜は遅いので明日、川原さんにもう一度話しを聞いてから、
明日の夜8時にみなさんに詳しい話しをします。
来れる方は明日の夜8時に食堂に来て下さい。
今夜は施錠の確認してから寝て下さいね!
じゃ解散して下さい。」
管理人さんの話しを聞いてみんなゆっくりと、
自分の部屋に帰って行った。
私と春斗も自分の部屋に帰った。
つづく
 




