セフレ
高橋春斗は私と同じく始めからずっと住んでいる住人で、
私は彼とごはんを食べることが多かった。
住人の殆どが40歳を過ぎた人で、
20代の住人は30人ぐらいだった。
そして自炊している人が殆どなので、
食堂に良く来る若い人は私と春斗ぐらいだった。
春斗はいつものように丸いテーブルの私の横に座って来た。
私は春斗に朝会った人のことを聞いてみた。
「おはよう、ねーねー新しい住人来た?」
「えっ?知らない。新しい奴いたの?」
「うん、朝の散歩の時に知らない人が立ってたんだよね~」
「薄暗いから見間違えじゃない?」
「そうかな?」
「それより今夜飲まない?」
「えっ今夜?うん、いいよ。」
「じゃ8時頃部屋に行くね!」
「うん・・・」
「今夜飲まない?」が私たちのサインだった。
春斗と始めて夜を一緒に過ごしたのは3ヵ月前。
その日は新月で真っ暗な夜空だった、
私はカーテンを開け夜空を見ていると、
今まで見たことが無いたくさんの星が見えた。
降って来そうな星空で、
私はなぜか「綺麗」ではなく「恐怖」を感じた。
1人でいることが急に怖くなり、
私は多目的館に向かい、
そしてお酒の販売機がある談話室に入った。
その時に談話室にいたのが春斗だった。
「こんばんは。」私は声を掛けた。
「こんばんは。」春斗は笑った。
私たちはお酒を飲み、
色々なことを話した、
お互いの過去のこと以外のことを。
そして春斗をベッドに誘ったのは私からだった。
こんな夜だから、
誰かの温もりを感じたかった、
冷えた心を温めて欲しかった。
そしてそれから私たちは週に1回は夜会うようになったのだ、
セフレなんて聞くと汚らわしいというイメージがあったけど、
お互いの欲望を満たすだけの関係もありだと思うようになった。
こんな山の中で何もやることがないので、
春斗とのセックスが唯一の刺激だった。
つづく