表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名もなき町  作者: 田中らら
22/23

時が過ぎて

私は普通の生活に戻った。


警察が来て犯人は逮捕され、

それから間もなく町は閉鎖された。


私が朝の散歩の時に見た人は犯人の1人で、

川原宅に入った強盗は私の予想通り、

川原夫婦が気が付くようにわざと大きな音を立て、

町のみんなを怖がらせ、家から出ないようにする為だったらしい。


私の家に入った犯人は管理人だった、

防犯カメラに映った私を見てスペアキーを盗み手紙を置いたらしい。


住民みんな事情聴取をされて、

住民みんな町から出された。


私は共犯を疑われたがすぐに誤解は解けた。


私に名もなき町を紹介してくれた知人は、

「こんなことになるなんて・・・」と心配してくれた、

そして新しい仕事を紹介してくれて私はそこで働いている。



時が過ぎるのは早くあれから4年が過ぎた。


春斗は逮捕されたけど、

すぐに釈放されたというネット記事を見た。


今は何をしているのかわからない。


私は同じ毎日を過ごしている。


最後に春斗と話した時の春斗の言葉が今でも忘れられない。


「選択肢があるって幸せなことだよな、

オレは他の人より選択肢が少なかった、

選択肢がたくさんあるのに行動しない奴を見てると腹が立つ、

選択肢がたくさんあるのは幸せなことだって、

気が付いていない奴が苦手なんだ!」


と言っていた。


私のことだと思った。


考えるのが面倒、

選ぶのが面倒、

人と付き合うのが面倒と逃げるように、

あの町に行った自分が恥ずかしくなった。


今の私は自分とも自分の人生とも向き合っている。


人に流されること無く、

自分中心で生きている。


しかし・・・


なぜか心は満足していなかった。


つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ