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名もなき町  作者: 田中らら
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ミニマム生活

この「名もなき町」には、

今は約200人の人が住んでいる。


「名もなき町」は試験的に作られた町で、

コンセプトは「ミニマム生活」。


必要最小限の物に囲まれて暮らす。


物や情報で溢れた社会から離れ、

シンプルな暮らしをすることが目的の町だった。



ここがどこなのか?

地図にも載っていない田舎の町で、

標高の高い場所だ。


気温差が激しく、始めは息が切れることが多かった。


町の入り口には高さ3m以上の大きな木製の門があり、

そこから出るには管理人の許可が必要だった。


町の周りは壁で囲まれていて、

部外者は自由に出入り出来なくなっていた。


門の前には大きな噴水があり、

噴水の周りはやけに音が鳴る砂利が引いてあった。


噴水の横を抜けて少し歩くと、

左側には大きな畑があり、その先に小さなスーパーがあった。


そのスーパーで働いているおばちゃんもこの町の住人だった。


半年も住んでいると、

町の人の顔をすっかり覚えてしまった。


思い描いていた暮らしとは違ったのか、

すぐに出て行ってしまう人も何人かいたけど、

殆どの人が快適に暮らしているようだった。



もちろん無料ではない、

家賃は部屋の広さによって決まっていた、

都会と比べると四分の一以下の家賃だ。

町の中に畑がありそこで育てた野菜を売って

家賃を払っている人もいるけど、

リモートで仕事をしている人が多かった。


私はモニターで参加している。


知人にこの町を紹介された、

毎日レポートを書いてくれるなら、

家賃は半年無料でいいと言われたのだ。


迷ったけど、私は参加することにした。


私の住居は1LDKだけど、

ドーム型のカマクラのような3LDKの家から、

ワンルームのアパートまであり、

住居ゾーンには300人は住めるようになっていた。




究極なミニマム生活。

必要最小限のモノだけがある暮らしをみんなしていた。

洋服は2,3着を着回し、

部屋にテレビは無く、パソコンは各部屋にあった、

スマホを使っている人も少く外部の人との接触はみんな避けていた。


私が住み始めてそろそろ半年が過ぎる、

私は元の世界に戻るかもう少しここの世界の住人でいるか迷っていた。


つづく

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