謎
私は「謎」を書き出した。
朝に見た男、
川原宅の大男、
落とした鍵、
赤い文字の紙、
おとなしくしろ、ってことは、
私は犯人に繋がる何かを見てしまったってこと?
朝見た男?
そういえば、昨日の夜、管理人の菊地淳もおかしな行動をしていた、
夜の倉庫で何をしていたのか?
川原宅に本当に泥棒はいたのか?
なぜ耳の遠い川原夫婦に聞こえるような、
大きな音を立てたのか?
私は本当に昨日鍵を落としたのか?
「あ~~謎しかない!!」
私はずっと前に買ったカップラーメンを棚の奥から出して、
賞味期限を確認してお湯を沸かした。
お湯の湯気で窓ガラスがくもり、
冬の山の寒さを実感した。
私は暖房のスイッチを入れて、
カップラーメンを食べた。
1人で食べるご飯ってこんなに寂しかった?
食堂のガヤガヤに慣れてしまい、
今では1人だと物足りないと感じるよになってしまった。
この町を出て行くか悩んでいたけど、
引越しは来年にしようかな?
でもこの謎が解けないと、
落ち着いて住んでいられない。
私はラーメンをすすりながらノートを見ていた。
そして思い出した。
そういえば管理人さんって、
この町の家の鍵を管理しているよね!!
犯人は管理人の菊地淳??
でもなんで、菊地淳が・・・
あっ!!
備蓄庫で何かしていた!!
私が覗いていたことに気が付いたの?
防犯カメラに写ってたの?
私の頭では情報が処理出来なかった。
私は今わかっていることをノートにまとめた。
つづく




