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名もなき町  作者: 田中らら
12/23

仮面

食堂の電気は消えていた。


「夜の食堂怖いな・・・」


私は小声で独り言を言いながら、

コッソリ食堂に入った。


食堂はまだ暖かかった。


窓際の机の下の小さな棚に、

ストールは寂しく置かれてした。


私はストールを持って多目的館を出ようとすると、

入り口の横のドアが開いているのが見えた。


いつもは閉まっているドアで、

ドアを見ると備蓄庫と書いてあった。


「ここが開いているの始めてみた。」


私はドアの中を覗いてみた。

部屋の中は見えなかったけど。

話声が聞こえて来た。


それは菊地淳の声だった。


菊地淳は電話で誰かと話している様子だった。


「扉は見つけました、はい、すぐにわかると思います。」


誰と話しているのかな?


まっいいや!寒いから家に帰ろ!


私は音を立てないようにゆっくりと、

多目的館を出て家に帰った。


「扉ってなんだろう?」


最近は不思議なことばかり起こるな・・・


考え事をしながら歩いていると、

急に肩を叩かれた。


「わっ!」


悲鳴を上げて振り向くとそこには、

中村裕子が立っていた。


「中村さん?」


「そんなに驚かないでよ!

これあなたのでしょ?」


「えっ?」


それは私の家の鍵だった。


「なんで?」


「食堂の入り口に落ちてた、

鍵を探しに行ってたんじゃないの?」


「いや、ストール忘れて取りに戻ってたの・・

でもなんで私の鍵だってわかったの?」


「こんな変わったキーホルダー1度見たら忘れないわよ。」


そこには前に買ったカッパの人形のキーホルダーが付いていた。


「あっそう・・・」


中村裕子から鍵を受け取る時に、

手に触れると、

手が冷たくなっていた。


「じゃおやすみなさい」


「あっありがとう、おやすみなさい!」


この寒空の中私のこと待ってたの?


彼女優しいのかな?


人はいくつもの仮面を被って生活している、

表の顔は優しい顔で、裏の顔は鬼のような人がいるけど、


中村裕子は鬼のような顔を表に出しているけど、

裏の顔は優しい人なのかもしれない。


人は見かけによらないと思いながら家に帰った。


つづく

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