表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/83

今日の、ショックな出来事を忘れずに、流されないようにしたいと思ってる。

 今日は、朝から咳と鼻詰まりで病院に行こうかなと思ったものの頭痛がして皮下注射をした後、少し休んだ。

 そして、近くの病院なら行くのだが、遠いのでどうせ明日行くのだしと、今日は近所のお店で『ハリウッド脚本術』の記入欄を拡大コピーして来ようと付箋をつけた本を入れたバッグを肩に、家を出て歩いていた。


 歩道を歩いていると、車道の車がある場所を少し避けて通っていた。


 歩道には、昨日雨が降り水たまりが所々できていた。


 車道にも水たまりがあって、それを避けているのか?

 そう思って近づいていくと、その水たまりらしきものが、立体の何かだと分かった。


 黒い……毛の長い猫が横たわっている。


 血は流れていない。

 ただ眠っているだけ?

 ……そんなことはない。

 猫だけでなく、犬だって人間だって、危険な場所にずっと倒れていたくはない。

 動けるなら逃げている。

 動けないから横たわっている……つまり、危険な状況か既に命がないのかもしれない。


 車が次々通る。


 私は動けない。


 今は……通勤ラッシュ。

 都会ではバスや電車、地下鉄だが、ここは車が多い。

 猫の元に行ったとしても、私は何も出来ない。


 電話をかけた。

 保健所にかけると、ここではなく、清掃課にかけてくれと言われた。

 掛け直すと、午後4時までには引き取りに行きますと言われた。

 午後までこのままなのかと、涙が止まらなくなった。


 後ろ髪を引かれる思いで、コピーを取りに行き、帰りは別の道を通って帰った。

 ……私はずるい奴だ。

 猫の死を他人に押し付け逃げる。


 胸が痛んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >……私はずるい奴だ。 >猫の死を他人に押し付け逃げる。 痛みがダイレクトに伝わって来ました。 [一言] 確か犬猫って殺されても「器物破損」とかいうレベルの罪にしか問えないのでしたよね。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ