今日の、ショックな出来事を忘れずに、流されないようにしたいと思ってる。
今日は、朝から咳と鼻詰まりで病院に行こうかなと思ったものの頭痛がして皮下注射をした後、少し休んだ。
そして、近くの病院なら行くのだが、遠いのでどうせ明日行くのだしと、今日は近所のお店で『ハリウッド脚本術』の記入欄を拡大コピーして来ようと付箋をつけた本を入れたバッグを肩に、家を出て歩いていた。
歩道を歩いていると、車道の車がある場所を少し避けて通っていた。
歩道には、昨日雨が降り水たまりが所々できていた。
車道にも水たまりがあって、それを避けているのか?
そう思って近づいていくと、その水たまりらしきものが、立体の何かだと分かった。
黒い……毛の長い猫が横たわっている。
血は流れていない。
ただ眠っているだけ?
……そんなことはない。
猫だけでなく、犬だって人間だって、危険な場所にずっと倒れていたくはない。
動けるなら逃げている。
動けないから横たわっている……つまり、危険な状況か既に命がないのかもしれない。
車が次々通る。
私は動けない。
今は……通勤ラッシュ。
都会ではバスや電車、地下鉄だが、ここは車が多い。
猫の元に行ったとしても、私は何も出来ない。
電話をかけた。
保健所にかけると、ここではなく、清掃課にかけてくれと言われた。
掛け直すと、午後4時までには引き取りに行きますと言われた。
午後までこのままなのかと、涙が止まらなくなった。
後ろ髪を引かれる思いで、コピーを取りに行き、帰りは別の道を通って帰った。
……私はずるい奴だ。
猫の死を他人に押し付け逃げる。
胸が痛んだ。