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最近、『あれ?家族は、兄一家に何か言うの忘れてないか?』と思い出して焦ってる。

 父との電話の後、あれ?何か忘れているような……と考えていたが、はっとして慌てて電話をかけた。


「お父さん!にーちゃん達、年末年始戻ってくるの、大丈夫なん?」

「何がや?」

「あーちゃん、猫アレルギーやで?つーさんいかんがね。にいちゃんに言うたん?」


 あーちゃんは兄嫁である。


「あぁ、それか。言うたぞ。のりが驚いとったわ」


 のりは兄の愛称。


「『えぇぇぇ!母さんやひな嫌いやろ?猫。なんで飼ったんで〜』言うてな〜。説明したら、今度の休みに泊まりにくるそうや。お前もこんか?」

「……体調が良ければ」


 あーちゃんが嫌いではないが苦手だ。

 昔は結婚結婚と言われた。

 それに、私より要領も良く賢い兄嫁は、私の嫌いな叔母達ともうまくいっている。

 今まで実家のことを押し付けておいて、いいとこ取りをする兄夫婦にいい感情は持てない。

 それに、


「はりが結婚して、家を継いだら、俺、嫁の姓にしようと思っとるけん」


何もかも押し付ける、兄は大嫌いだ。


 でも、猫アレルギーは酷くなると、命の危機になる。

 呼吸困難なども起こるのだ。

 それに、元気になった甥だが、幼い頃は小児喘息で何度も入院した。

 アレルギーになって喘息が再発というのも恐ろしい。


「まぁ、事情は説明しとったけん、のりはななだけ連れて来るそうやわ」


 父は姪の名前を告げる。


「それならいいけど、まぁ、よろしく言うとって」

「お前は……引きこもらんと、戻って来いや」

「……調子悪いけん。まぁ、つーさん……つばきとくぅの面倒を見んキーは、一回しばきに行こうとは思う」

「お前は……口はひねくれとるの。出来もせんくせに……それに、お前は一番、動物好きやろうに」


 苦笑する父に、ばれてちょっと悔しいと思いつつ電話を切った。

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