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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ8 オルレアンの乙女 〜ジャンヌ・ダルク編 〜
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第93話 教会内での激闘

 ルーアンのノートルダム大聖堂——


 フランス・ゴシック様式の典型といえる、印象的な正面のデザインと、三つの入り口が特徴的で、上部にはロゼット窓(円形の大きなステンドグラス窓)などの美しい彫刻が施されている。

 全長は100メートル以上あり、大聖堂の屋根部分にはスプライアと呼ばれる、80メートルもある尖塔が高くそびえたっている。大聖堂内は高い天井とスリムな柱で構築され、重厚な天井が広々とした空間を演出している。そして内部の柱や壁面には、宗教的なシーンや聖書の物語を描写した繊細な彫刻や装飾が施され、建物の歴史や意義を伝える役割を果たしている。


 あのなかにハマリエルを呼び込めば勝機がある——


 セイはなぜかそうすることが正解だと感じていた。ジャンヌのこころの声がそう導いてくれていたし、なによりもその声が聞こえるようなった自分の力を、信じたいという気持ちになっていた。


「あら、広場のほうが気になるぅ?」

 ハマリエルはそう言ってほくそえんだ。

「そろそろ、ジャンヌ・ダルクが火あぶりになる時間だものね。あたくしはもうあんたを倒す必要もないのよ。時間稼ぎをすればいいだけ。残念だったわね」

「残念だったね。ぼくはちっともあきらめてない。おまえを倒してジャンヌを救っていせる」

「くっくっ。あたくしが手強いのは身をもって知ってるでしょ。しかも今度は協力してくれる仲間もいない。どうやって倒すって嘯けるのかしら?」


 セイはハマリエルをみあげた。

「自信満々だね」

「あったりまえじゃない。あたしは復活したの、完全にね。前とまったく変わらないほどの力がもどったのよ。あんたひとりじゃ勝ち目はないわ」

「そうか…… 復活したのか。でもね、ぼくはちがう。あんたとの戦いで、ぼくは一度死にかけた。そのせいかな、ぼくは生まれ変わった……」

「生まれ変わった? 復活したのとどうちがうのよ」


「たぶん……信じられないほどつよくなった」

 セイは空いているほうの手を上につきあげると、前にふりおろした。

「ベタなマンガみたいでわるいね」


 その瞬間、中空から刀剣がドンという爆発音とともに飛び出した。目にも見えないほどのスピード。ハマリエルのビームほどのスピードに、ハマリエルが反応しきれなかった。

 その剣はハマリエルのからだをのどまんなかを貫いた。そしてハマリエルがのからだを串刺しにしたまま、剣は一直線に下方へと下降していった。

 その先にルーアン大聖堂の入り口。扉は閉まったままだったが、剣はいきおいそのままに、かまわず入り口に突っ込んだ。


 ドーンという破壊音とともに、扉が砕け散り、そのまま聖堂の奥へと剣は飛び込んでいく。ハマリエルが指のビームで自分のからだに突き刺さった剣を砕いたときには、ハマリエルは教会の中腹あたりまで運ばれていた。

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