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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第269話 なぜ、光線があたらないのです!!!

 アロケルは攻撃を緩めなかった。


 橋を渡ってこようとするセイを、なんとかしとめようとレーザービームを乱射した。だがセイの目の前でレーザーの光は、奇妙な屈折をおこした。ウエストミンスター橋には穴があいたり、さきほど同様路面が川に落っこちたりしたが、セイは全部かわして、橋を渡りきった。


 ビッグベンの前の通りには、がれきが転がっていた。

 おそらくビッグベンの尖塔と屋根の残骸——

 さらに隣接するウエストミンスター宮殿の一部も、破壊されて転がっていた。


 近づいてくるセイにアロケルが、今度は上空から攻撃をくわえてきた。

 レーザービームが真上から放たれた。


 その瞬間、セイは人間のものとは思えないスピードで、トライポッドの足下めがけて跳躍していた。レーザーが地面を穿ったが、セイはすでにトライポッドの足に触れるほどの位置に到達していた。


「アロケル! これで終わりだよ」

 セイはトライポッドの足に寄りかかって、真上にむかって大声で叫んだ。


「セイ、なにをやったのですかぁぁぁ。なぜ、光線があたらないのです!!!」

 つばごと降ってきそうな勢いで、アロケルの怒りが落ちてきた。


 セイは手の中に黒い暗雲を呼びだすと、なかにあらわれた光の玉を、橋のほうへ投げつけた。光の玉は一直線に飛んで行くと、あたりを煌々と照らしだした。


 橋のいたるところに、塊になった影が浮かんでいた。

 山盛りになった状態の塊が、光に照らされて強い影を作っていた。


「透明人間!!!!!」

 アロケルが叫んでいた。


「そう。あんたの手下を利用させてもらったよ。刀で突き刺して、盾にして移動してきたっていうわけさ」

「きーーっ そんな手にひっかかるなんてぇぇぇ」


「さっきぼくらが攻撃を受けたときに、スピロが気づいたのさ。なんであんたはレーザービームの集中砲火の中心にいながら、余裕でいられるんだろうって」


 セイが手の中に光の玉を呼びだし、それを50メートル上のアロケルむけて投げつけた。光の玉がアロケルのいるコックピット付近でまたたくと、アロケルが顔を出すコックピットの周りに、なにかが取り憑いているのがわかった。


「透明人間……正確にいえば、透明火星人を、盾にしているからだってね」


「スピロぉぉぉぉ」

 アロケルが咆哮する。


「でも今わかったけど、この盾は万能じゃないよね。一発くらったら、消し飛ぶからさ。すぐに火星人の盾がなくなったから、正直あぶなかったよ」


「くそ、もうすこしだったのですね」

「透明火星人を防御壁につかうアイディアはよかったと思うよ。でも、どうせなら、もっと強固にしてくれたほうがよかったね」

「はん。そんなに都合がよくはできません。こちらはモーロックや獣人、それにトライポッドも同時に具現化しているのですからね」


「それ以外に、レッド・ドラゴンに大型ドラゴン……まぁ、モンスターのバリエーションは見事だったよ」


「ふん、人間ごときにほめられてもね。まぁ、わるい気はしませんが……」

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