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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第249話 あの壁のむこうに切り裂きジャックがいる

 エヴァはコナン・ドイルのことばに眉をひそめた。


 どういうことだろう?

 上空から見る限り、あと一歩踏み込めば、セイたちのいる路地にはいれるではないか。


 見えてない——?


「リンタロウさん、あなたにも見えてないんですか!」

「エヴァさん、なにを言っているのかわかりません。この近くにセイさんたちがいる路地があるんですか?」

「あなたのすぐ横です。手を伸ばすだけでいいんです」

「手を? だってここにはレンガ塀が……」

 頭をひねりながらリンタロウが手を伸ばした。その瞬間、レンガ塀が消えて、路地が現われた。

「なんと!」


 路地のむこうではセイが、姿を現わした火星人と戦っていた。

「セイさん!」

「エヴァ!」

 セイはすぐに気づいて応えてくれたが、こちらをチラリと見ただけだった。あたりを取り囲んでくる火星人たちを、近づけないようにするだけで精いっぱいという様子だった。


「あの壁のむこうに 切り裂きジャックがいるっっ!」


 ドクンと心拍が跳ね上がった。

 と同時にエヴァはスロットルをひねっていた。


 エヴァが壁に近づく。

 暗い路地で何者かが地面に屈みこんで、なにかをやっている姿がかいま見えた。キラリと金属の光が閃いた。


 切り裂きジャック!!!!!!!


 彼が女性を切り刻んでいるのだ!!



 その瞬間、あたまのなかにゾーイの叫び声が飛び込んできた。


『よけて!!!!!!!』


 反応できたのは、ほんのわずか車体を傾がせる程度の動きだった。

 気づいたときには、ピストル・バイクの横っ腹をレーザービームが直撃していた。逃げまどう人々を一瞬にして消し去っていた、あの殺人光線だ。

 あっと言う間もなく、ピストル・バイクが消え去り、エヴァは真っ逆さまに落ちていった。あまりに突然の事態に、エヴァはどうリカバリしなければならないかわからなかった。


 間に合わない——


 そう思った瞬間、エヴァのからだは路面ぎりぎりでぴたりととまっていた。目と鼻の先に石畳があり、その窪みの形状を容易にみてとれる距離——


「いまのは、相当危なかったんじゃないかい」


 ゾーイだった。

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