表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
719/932

第245話 アーサー、小生たちも貢献しようじゃないか

「ど、どういうことだい?」

「セイさんが言ってた。透明人間はわたしたちだけをターゲットにしてる。だからふつうの人には見えないし、障害にもならないはずだって」


「ということは、小生たちはそのまま通り抜けられるのでは?」

 モリ・リンタロウが建設的な意見を口にしたが、コナン・ドイルがすぐに否定した。

「ど、どういうことです。リンタロウさん。見えないバケモンがいる場所を、あたしたちだけで行くってことですよ?」


「ええ、アーサー、そう言ってます」


「じょ、じょうだんでしょ。さっき、あたしたちは獣人に襲われたじゃないですかぁ。きっと降りたとたん、透明人間に襲われるにきまってますよぉぉ」

「コナン・ドイルさん。ここは大丈夫ですよ。そいつらを操っていた悪魔は、街の中心部のほうへむかっています。そこまでの力を及ぼすことはありません。たぶん……」

「た、たぶんって、今、語尾、濁しましたよね、エヴァさん。そんな理由だけでは、あたしゃ、信用できないですよぉ」

「アーサー、小生たちはセイさんたちの役に立ててないんだ。危ない目にあうとしても、すこしは貢献しようじゃないか」

「リンタロウさん! 危ない目には嫌っていうほどあってますよ。なんで……」


「エヴァさん、ここらで小生たちを降ろしてください。小生たちですり抜けられるものか試してみます」


「リンタロウさん、了解しました。ゾーイ、降りるわよ」


 コナン・ドイルの抗議も願いも無視して、エヴァのピストル・バイクが下降していく。

 ゾーイは地面まで数メートルというところで、バイクから手をはなして飛び降りた。もしかしたら下に見えない火星人が待ち構えているか、と身構えたが、なんの支障もなく石畳の上に足がついた。


「ここにはいないようだよ」

 真上をみあげてそう叫んだ瞬間、エヴァのピストル・バイクから銃弾があたりに放たれた。突然の銃声におもわず身をすくめる。

 銃弾が撃ち込まれた先は、ゾーイから5メートル程度しか離れていない空間だった。エヴァはそこに火星人が潜んでいると、見てとったのだ。


 空中のいたるところから腐った緑色の液体が吹きだしていた。


 なにかがそこにいる、のは確かだった——


 どう攻める?


「エヴァさん、気をつけておくれ! とりあえず地面にいるやつらを空へはね飛ばしちまうよ」

「どこにいるのか、わかるのですか?」


「いいや、わかりっこないさ。だから見境なく、吹っ飛ばすだけさ」

 ゾーイは屈みこむと、地面に手のひらを押し当て、その場でからだを一回転させた。360度の方角の石畳がたわむ。


 と、次の瞬間、石畳が放射状に波をうった。

 どうなっているかはわからなかった。

 だが、エヴァのピストル・バイクが空中でぐらりと揺れて、最後尾にいたモリ・リンタロウのからだが投げ出されそうになった。

「うわぁぁぁ」

 コナン・ドイルが情けない叫び声をあげる。


 跳ねあげた透明人間の直撃を、まともにくらったらしかった。

「ちょっとぉ、ゾーイ!」

 エヴァの口からも文句が漏れでたが、ゾーイは反論した。


「いっただろ。みさかいなく吹っ飛ばすって!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ